ゲーミフィケーションという用語は2008年にコンピュータ・ソフトウェアの文脈で初めてオンラインで登場した[4]。その後一般には広まらなかったものが、2010年にゲームの社会的/報酬的側面をソフトウェアに取り入れることを指す意味で広く普及した[5]。このテクニックはベンチャーキャピタリストの注目を集めた。
ゲーミフィケーションは、ゲームデザイン要素やテクニックをゲーム以外に適用する従来の研究と密接に関係していると考えられている。
日本においては、「ゲーミフィケーション」の商標を株式会社ジースト代表取締役の神馬豪氏が取得している(商標 第5884411号(151))。 主な事例は次の通り[6]。
主な事例
foursquare(フォースクエア)
SCVNGR
Nike+(ナイキプラス)
foldit(フォールディット)
investigate your MP's expenses(インヴェスティゲイト・ユア・マンパワーズ・エクスペンスィーズ)
#denkimeter(デンキメーター)
⇒CIMOS(シーモス)
SkyWalker
ワッピンギルド
ゲームのように夢中にさせて虜にする(はまらせる)仕組みは広く応用されている(類似の概念に「ゲームニクス」がある)[7]。
人間の感情や習性を上手く利用し、フィードバック・報酬[8]の用意や承認欲求に代表される「自己実現理論」[9]や「16の基本的な欲求」[10]を満たすことなどによって動機づけを行う[11]。
人は学びたいという欲望があり、達成・刺激が伴うとドーパミンなどの神経伝達物質・脳内麻薬が分泌され快感となり、はまることとなる[12][13][14]。しかし、過度となると依存症などの問題となる[15][16]。
外発的な金銭的報酬(市場規範)を用意すると、内発的動機づけ(社会規範)を低下させたという報告もあり[17][18]、取り組む行為そのものや、一定方向に導くのには適しているが、作り手側が上手くコントロールしないと、自発性・創造性を否定してしまう場合もある[7][19]。
ソニー・コンピュータエンタテインメントによるtorne(トルネ)の操作性・ユーザビリティ[20][21]や、マイクロソフトによるKinect(キネクト)の遊び心[22]、任天堂による「QOL(生活の質)を楽しく向上させるもの」もその一種とされる[23][24]。
M田(2015)[25]は、アカデミックな視点からいえば、ゲーミフィケーションユーザーにはたらく心理についての実証研究は、ユーザーの楽しさとゲームのメカニズムと要素、ユーザーの動機づけとゲームのメカニズムと要素、ユーザーの熱心な利用や自己効力感・社会的認知、ユーザー分類に基づく心理の差異、心理因果モデルなどに関連する研究に大別できる、としている。
脚注^ ⇒「ゲーミフィケーション」のゲーム視点からの脱却!?
^ ⇒【コラム】ゲーミフィケーションとARG
^ ⇒ゲーミフィケーションの概念を切り分ける
^ Walz, Steffen (2015). The Gameful World: Approaches, Issues, Applications