当機の企画は任天堂の開発部長であり、ゲームボーイの技術的な開発も手掛けた岡田智によって立てられた[9][リンク切れ]。
ゲームボーイは販売価格を抑えた結果、仕様をかなり削ったため、岡田はゲームボーイを世に送り出した直後からバージョンアップしたい(もっと高仕様の携帯ゲーム機を出したい)という思いがあった。しかしゲームボーイカラーを先に開発・発売することになり、岡田もゲームボーイアドバンスの前に「まずはゲームボーイカラーを使ってもらう段階を踏むことが必要」と判断したことで、本機の開発は後回しになった[9]。
テレビゲームでは新しいスペックで新しいグラフィック性能のものが続々と出続けているので、早いうちから任天堂の若い技術者の間でも新しいCPUを搭載する新しいハードウェアを作りたいという意見が多かった[9]。しかしゲームボーイカラー発売直後も当機に関しては構想段階にとどまっており、すぐには開発には取り掛かれなかった[9]。
互換性
ゲーム機のユーザーにとって従来のソフトが使えることは大きなメリットであり、後方互換性を保ちながら新規ハードを作成することはハードウェア技術者にとっての役割であると考えている岡田にとって、ゲームボーイと互換性を持たせることに迷いはなかった[9]。
筐体
当初は従来のゲームボーイの縦型を踏襲することを考えていたが、液晶のサイズが従来より横長になり、筐体を縦型にするとサイズも大きくする必要があるため、液晶のサイズに合わせて横型となった[10]。
グラフィック
当初はグラフィックをポリゴンで表現することを考えていたが、小売価格を抑えながら使用可能な部品を検討すると、同社発売の据え置き型ゲーム機であるNINTENDO64の10分の1以下の性能、つまりゲームとして成立する性能の3Dゲーム機にできそうもなかったため、2Dゲーム機として開発された[9]。2Dとなったことで、日本に多い2Dゲームのプログラミングに長けている開発者たちが開発に参入しやすいことを当機のコンセプトにした[9]。
色数
本機はスペック公表後に仕様が変更となった。当初は色数6万色だったが、諸性能が向上したのに釣り合うようにメモリを増量して欲しいという要望は強く、その要望に応えてメモリ増量をしたかわりに6万色は無理になり、32768色となった。
なお同時期に発売されていた携帯電話のように本機をさらに小型・高性能化することは技術的には可能であったが、月産数百万台が見込まれるため、大量生産可能な部品を使用しないと値段が高騰することから、制限のある中で部品を集めるのにハードウェア開発者は苦労した[11]。
ハードウェアGBA2台とGBASP1台、GC1台による4人対戦接続
本機はゲームボーイやゲームボーイカラーと比較して以下の特徴を持つ[3]。
見やすいワイド・カラー画面
ゲームボーイカラーの(2.3インチの)画面の約1.5倍にあたる2.9インチ画面[3](そして先代は160ドット×144ラインであるが、本機は240ドット×160ラインである)。反射型TFTカラー液晶を採用し、鮮やかな約3万2千色同時発色[3](ゲームボーイはモノクロ、ゲームボーイカラーは同時には56色表示(32768色から選択された56色を表示)しかできなかったが、本機は同一画面に32768色の表示が可能である。
32ビットCPU
ゲームボーイ・ゲームボーイカラーは8ビットCPUであるが、本機は32ビットCPUを搭載している[3]。これによって、疑似3Dや半透明処理、画像の重ね合わせなどの表示能力が向上した[12]。
従来のゲームボーイ用ソフトでも遊べる
専用ソフトだけでなく従来のゲームボーイ用ソフト、およびカラー用ソフトも起動可能である[3]。ゲームボーイ用ソフトを起動した場合、ゲームボーイカラーと同様の配色パターン変更が可能。また、L/Rボタンで画面表示のワイドサイズか、オリジナルサイズの変更も可能。
マルチプレイが楽しめる
「アドバンス専用通信ケーブル対応」のマークが付いているカートリッジを使用しゲームボーイアドバンス専用通信ケーブルを使えば、最大4人までの通信プレイが可能である[3]。通信マルチプレイは「1カートリッジプレイ」と「マルチカートリッジプレイ」という方法がある[3]。
公式ページが挙げる上記4つの点に加えて、次の点も特徴として挙げられる。
LRボタン
ゲームボーイやゲームボーイカラーには無かったLRボタンが新たに追加された[10]。