ゲーム&ウオッチ
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しかし発売後は小中学生が主な購買層となったため、その後はターゲットを変更し、よりゲーム性が重視されることになった。

なお、同時期に上村雅之がほぼゲームボーイに近いスペックのゲームを構想していたが、そちらのほうはコスト面などの問題が解消できず、開発の着手に至らなかった[9]。ゲームウォッチ発売から9年後、ゲームボーイが発売されるに至った。
表示装置画面サイズ比較。COLOR SCREEN(上)とWIDE SCREEN(下)の比較

液晶画面は、液晶セグメント表示方式でキャラクターなどの動きを表現しており(つまりドットマトリクス方式ではなく)、モノクロ(単色)であった。

最初期のシリーズ5作品までは完全なモノクロ画面である。続く「ゴールド」シリーズでは液晶の前面に別のスクリーンが置かれ、カラーで背景やオブジェを表現。以降、画面を約1.7倍に広げた「ワイドスクリーン」、2画面の折り畳み式にした「マルチスクリーン」、カラー液晶を採用した「テーブルトップ」と「パノラマスクリーン」、4色に色分けされたカラースクリーンで疑似カラー画面を表現した「スーパーカラー」、さらに2020年の「カラースクリーン」よりフルカラードット液晶へと発展していった。
入力装置

初期のゲームウオッチは、プレイヤーキャラクタの移動も含め、本体左右に装備された丸ボタンで操作していた。

マルチスクリーン『ドンキーコング』はゲーム機史上初めて十字キー(説明書での呼称は『+ボタン』)を装備した[10]
電源

シルバー、ゴールド、ワイドスクリーン -
ボタン型電池(LR43またはSR43)2個

マルチスクリーン、 ニューワイド、パノラマスクリーン、スーパーカラー、マイクロVSシステム - ボタン型電池(LR44またはSR44)2個

カラースクリーン テーブルトップ - 単2型乾電池2個

クリスタルスクリーン - コイン形リチウム電池(CR2025)1個

チップの選択、セグメント数

本機の開発にあたり採用したチップ(集積回路)は電卓で使われているものだった[1]。電卓のディスプレイのひとつの数字は7セグメントで表示されており(7セグメントディスプレイ)、つまり0から9までの数字はいずれも、それぞれが「セグメント」と呼ばれるパーツを7個組み合わせて数字を表示している[1]。したがって8桁の電卓用のチップなら、7セグメント×8桁=56セグメント、および数字の間の小数点や「?(マイナス)」などの記号のセグメントを制御できる能力もあった[1]。つまり56個よりは数個ほど多い数のセグメントを制御できる能力があった。

そのチップを使って第一作の『ボール』をつくった[1]。つまり、電卓のチップは72セグメントのそれぞれをON/OFFできる仕組みになっていたので、それを数字用の液晶セグメントの代わりに絵の液晶セグメントを制御するために使うことで、ゲーム&ウオッチを作った[1]。ただし、第一作『ボール』の画面の右上には得点や時刻を表示する4桁のカウンタがついており、そのカウンタ部分だけで 7セグメント×4桁=28個 のセグメントを使ってしまうので、残りの28個(さらにプラス数個)ほどのセグメントでキャラクタやボールなどの動きを描かなければならなかった[1]



タイトル一覧

全60種。発売日欄「※」は日本国外のみ販売タイトル。『ドンキーコング』などのアーケードゲームやファミリーコンピュータの移植版も開発された。1990年代に入ってから、日本国外のみ発売を含むタイトルが逆輸入版として日本で発売されたことがあり、一部の量販店などでいわゆる「輸入トイ」のような扱いで売られた例もあった[注釈 2]。タイトルの多くは、難易度が低めのGAME Aと高めのGAME Bのどちらで遊ぶかを選択できる(一部例外あり。なおこの選択方法はファミリーコンピュータの初期タイトルにも使用されている)。

なお、以下の一覧は「シリーズ別」にまとめたものであり、「発売日順」ではないことに注意。



SILVER / GOLD
「SILVER」のシリーズ名は発売当時はなく、最初の5タイトルの本体前面が銀色であることから、後に便宜的につけられた。最後の3タイトルは「GOLD」と箱に記載され、機能が追加された(本体前面が金色・背面にスタンド内蔵・アラーム・ミス帳消し)。定価5,800円。

型番は[01~08]。8種類。

タイトル英語表記型番発売日[11][12]備考
ボールBALLAC-011980年04月28日
フラッグマンFLAGMANFL-021980年06月05日
バーミンVERMINMT-031980年07月10日
ファイアFIRERC-041980年07月31日
ジャッジJUDGEIP-051980年10月04日本体カラーは前期販売品は緑、後期販売品は紫の2種類がある。[注釈 3]
マンホールMANHOLEMH-061981年01月27日
ヘルメットHELMETCN-071981年02月21日日本国外のCGL社は「HEADACHE」として発売した。
ライオンLIONLN-081981年04月27日

WIDE SCREEN
画面サイズが1.7倍に拡大。それにともないモードボタンの位置がそれまでの画面下部から本体右上に変更された。最後の3タイトルは、一定得点までノーミスの場合は次にミスをするまで(あるいは一定時間)得点が2倍になる「チャンスタイム」というルールが追加された。定価6,000円。

型番は[21~30]。10種類。

タイトル英語表記型番発売日[11][12]備考
パラシュートPARACHUTEPR-211981年06月19日
オクトパスOCTOPUSOC-221981年07月16日
ポパイPOPEYEPP-231981年08月05日
シェフCHEFFP-241981年09月08日
ミッキーマウスMICKEY MOUSEMC-251981年10月09日日本国外でもCGL社などにより販売されていた[13]
エッグEGGEG-261981年10月09日※内容は『ミッキーマウス』と同一。
ファイアFIREFR-271981年12月04日前述のシルバー版とは内容が若干異なる。
タートルブリッジTURTLE BRIDGETL-281982年02月01日
ファイアアタックFIRE ATTACKID-291982年03月26日
スヌーピーテニスSNOOPY TENNISSP-301982年04月28日

MULTI SCREEN
2画面折り畳み式。ミス帳消し・チャンスタイムは300点に達してからとなる。最もタイトル数が多いシリーズ。定価6,000円。

型番は[51~65]。15種類。

タイトル英語表記型番発売日[11][12]備考
オイルパニックOIL PANICOP-511982年05月28日一部の日本国外版は、下画面の車の位置が逆。
ドンキーコングDONKEY KONGDK-521982年06月03日
ミッキー&ドナルドMICKEY & DONALDDM-531982年11月12日
グリーンハウスGREEN HOUSEGH-541982年12月06日
ドンキーコングIIDONKEY KONG IIJR-551983年03月07日
マリオブラザーズMARIO BROS.MW-561983年03月14日画面は左右横開き。
レインシャワーRAINSHOWERLP-571983年08月10日※画面は左右横開き。
ライフボートLIFEBOATTC-581983年10月25日※画面は左右横開き。
ピンボールPINBALLPB-591983年12月05日
ブラックジャックBLACK JACKBJ-601985年02月15日
スキッシュSQUISHMG-611986年04月※
ボムスイーパーBOMB SWEEPERBD-621987年06月※
セイフバスターSAFEBUSTERJB-631988年01月※
ゴールドクリフGOLD CLIFFMV-641988年10月※
ゼルダZELDAZL-651989年08月※

TABLE TOP
本体のサイズが大きく、机などに置くタイプ。自然光を鏡に反射して照明とし、カラー液晶表示を実現した。定価7,800円。

型番は[71~74]。4種類。

タイトル英語表記型番発売日[11][12]備考
ドンキーコングJR.DONKEY KONG JR.CJ-711983年04月28日一部の国や地域では、コレコの蛍光表示管ゲームとして発売された。
マリオズ・セメントファクトリーMARIO'S CEMENT FACTORYCM-72
スヌーピーSNOOPYSM-731983年07月05日
ポパイPOPEYEPG-741983年08月※

PANORAMA SCREEN
テーブルトップを携帯サイズに移植したものが多い。定価6,000円。

型番は[91~96]。6種類。

タイトル英語表記型番発売日[11][12]備考


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