ケントゥム語
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とくにスラヴ語派バルト語派はどちらもサテム語派に属するものの、同時にケントゥム語派の音声的特徴も残しており、またこのスラヴ語派とバルト語派は文法的にはゲルマン語派(ケントゥム語派に属する)との間で明確な共通性があるため、スラヴ語派、バルト語派、ゲルマン語派の3つの言語の共通祖語(インド・ヨーロッパ祖語の北西語群)を想定する学説も有力となってきている[1][2]
人類学的背景

インド・ヨーロッパ語族に属する諸言語話者を特徴づける遺伝子はハプログループR1b (Y染色体)およびハプログループR1a (Y染色体)[3] [4] であるが、R1bはヨーロッパ西部やアナトリアウイグル(旧トカラ語分布域)などケントゥム語話者に高頻度で、R1aはバルト・スラブ語派やインド・イラン語派などサテム語話者に高頻度である[5]。印欧祖語が話されたヤムナ文化の人骨からはハプログループR1b (Y染色体)が91.5%の高頻度で検出されているが、R1aは検出されていない[6]。そのため、元来の印欧語族話者はケントゥム語を話すR1b集団であり、ある時点でR1a集団が新たに印欧語に言語交替を起したものと考えられ、その際にR1a集団の基層言語の特徴がサテム語の特徴として受け継がれたものと思われる。
脚注[脚注の使い方]^ Renfrew, Colin Archaeology and language (1990), pg 107
^ Baldi, Philip The Foundations of Latin (1999), pg 39
^ T. Zerjal et al, The use of Y-chromosomal DNA variation to investigate population history: recent male spread in Asia and Europe, in S.S. Papiha, R. Deka and R. Chakraborty (eds.), Genomic Diversity: applications in human population genetics (1999), pp. 91?101.
^ L. Quintana-Murci et al., Y-Chromosome lineages trace diffusion of people and languages in Southwestern Asia, American Journal of Human Genetics vol. 68 (2001), pp.537?542.
^ eupedia.com/genetics
^Eupedia

関連項目

インド・ヨーロッパ語族

インド・ヨーロッパ語族の音韻法則

外部リンク

前史時代のインド・ヨーロッパ語族の変遷(英語)











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