ケベック・シティー
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特にイギリスでウィリアム・ピットが政権を握った頃から、戦況はイギリスに有利に進み、1758年イギリス海軍はフランスを海上封鎖して、ルイブール要塞に壊滅的な打撃を与えた後、1759年にはアブラハム平原の戦いで勝利を収め、ついにヌーベル・フランスは、イギリスの統治下に置かれることとなった。北米植民地での英仏の戦いは、「フレンチ・インディアン戦争」とも呼ばれる。
近代ケベックの戦い (1775年)「ケベックの戦い (1775年)」も参照

イギリス植民地となったケベックに、今度はアメリカ独立戦争革命軍が押し寄せた。ケベックは、アメリカから大陸会議で革命参加を呼びかけられたが応じず、遂に翌1775年、独立戦争の口火が切られた。革命軍はモントリオールに続いてケベックにも攻め入ったが、長期の戦いと兵站不足に加え、1775年12月31日の戦いで、司令官のリチャード・モントゴメリーが戦死したうえに、イギリス艦隊のケベック接近で、革命軍は撤退せざるを得なかった。米英の対決はその後も続き、結果として独立をよしとしないアメリカのロイヤリストがカナダに移住してきた。その後イギリス系ロイヤリスト中心のアッパー・カナダ、ケベックを含むフランス系中心のローワー・カナダに分かれて行き、ケベックはローワー・カナダの首都となった。

1793年、革命後のフランスとイギリスの間で再び戦火が起こり、1812年にはカナダとアメリカの間で戦いが始まった。この戦争の後、イギリス系がカナダに増え、ローワー・カナダとアッパー・カナダでそれぞれ反乱が起こったため、両者の連合が行われ、首都がキングストンに定められた。南北戦争後、カナダ併合論が再燃したアメリカから植民地を守るため、連邦化が検討されるようになり、1864年10月ケベックで「ケベック決議」が採択され、翌1867年には「カナダ自治領(ドミニオン)」が誕生する。また、西部への開拓が進み、ブリティッシュコロンビア州や大西洋岸の植民地も連邦に参加した。ケベック入植400周年を祝うバナー

連邦結成後、ノースウエストの反乱に見られるような地域主義の高まり、またケベック議会でも、イギリスに没収されたイエズス会資産への補償金を認め、ローマ教皇がこれに絡んだことから、国内、州の間にさまざまな亀裂が生まれた。その後、首相ウィルフリッド・ローリエが、国内に矛盾を抱えつつも、妥協策により、イギリスの植民地からの離脱を試みた。その尽力により、すべての植民地がドミニオンと呼ばれることになり、個別海軍の設立が認められた。

20世紀に入って移民が増加し、また工業化が進んで、ケベック州もその一端をになったが、カトリック教会が工業化を好まず、実権はオンタリオ州に握られていた。また、ローリエの退陣により、それまでの譲歩策が、アメリカ支配にとって代わられて行った。第一次大戦後の調整期を経て、自立の道を進むも、地域格差が解消されないまま大恐慌、第二次大戦に突入し、主にヨーロッパに軍や軍艦を派遣したが、真珠湾攻撃以降は、太平洋岸で危機感が煽られた。そんな中、ケベックで1943年8月第1回ケベック会談1944年9月第2回ケベック会談の2回に渡る米英首脳会議が開かれ、当時のキング首相も列席するが、ホスト役を務めただけで終わる。
現代

第二次大戦後、カナダはアメリカとの緊密度が増した。また、ニューファンドランドが正式に連邦に加盟した。工業化が進む中、「静かなる革命」が起こる。戦後の復興から取り残された感のあるケベック州で、時の州首相であるジャン・ルサージにより、独自の経済政策や教育改革が起こり、フランス・ナショナリズムが表面化した。一方でこのことで州内に亀裂が生まれ、ベトナム戦争をめぐって対米関係もきしんだ。

1967年モントリオールでカナダ建国100周年を記念したモントリオール万国博覧会が開かれ、カナダとしての独自性がはぐくまれる一方で、70年代以後、ケベックの主権を唱える声が高まり、ケベック解放戦線による「十月危機」が発生する。1977年にはフランス語優先政策である「フランス語憲章」が発布された。また、カナダ連邦政府は、米加協調路線を再び取るようになり、ケベック州出身のマルルーニー政権下で、アメリカとカナダにメキシコを入れたNAFTAの調印を見る。そのかたわら、ケベックの分離独立運動は、解決を見ないまま21世紀に突入することになった。

2008年、入植400年を祝う記念行事が行われた[6][7][8]
人口統計

2016年の統計によると市区人口は531,902人と国内11位であるが、隣接するレヴィ等を含めた都市圏人口は800,296人とカナダ7番目の規模の都市圏であり、トロントモントリオールバンクーバーオタワカルガリーエドモントンに次いで7番目に大きな都市となっている。


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