ケニアの首都ナイロビはマサイ族の言葉で「冷たい水」を意味する。ナイロビはカヤツリグサが茂る沼地に位置する。ケニアはアフリカ大陸北部の赤道付近に位置しており、インド洋やヴィクトリア湖沿岸は年間平均気温が26℃の熱帯性気候である。東部には平野が広がる[4]が、国土の大部分は標高1,100 - 1,800メートルの高原となっているため、年間平均気温が19℃の乾燥した高原サバンナ地帯となっている。11月から3月にかけては北東モンスーン、5月から9月には南東モンスーンと呼ばれる季節風が吹く。最高地点は赤道が通るケニア山(標高5,199メートル)。エチオピアからタンザニアにかけて西部を走る大地溝帯は大地を切り裂いた壮大な地質形態で、「リフト・バレー」と呼ばれる。北からトゥルカナ湖、ナクル湖、ナイバシャ湖、マガディ湖などが並ぶ。
国立公園・国立保護区
アンボセリ国立公園
アバデア国立公園
海洋国立公園
ケニア山国立公園
サンブル国立保護区
ツァボ国立公園
トゥルカナ湖国立公園群(シビロイ国立公園、セントラル・アイランド国立公園、サウス・アイランド国立公園)
ナイロビ国立公園
ナクル湖国立公園
ヘルズ・ゲート国立公園
マサイマラ国立保護区
シンバヒルズ国立保護区
地方行政区分詳細は「ケニアの地方行政区画」および「ケニアのカウンティ」を参照
2010年の国民投票により新憲法が制定され、独立以来続いてきた州を基本とする中央政府主導の国家体制から47のカウンティ(County:日本のイメージで「県」)を地方行政の単位とすることが決定された(地方分権化)。2013年3月に行われた総選挙[注釈 3]後にカウンティ政府が設立された。カウンティ政府には中央から多くの権限が委譲され、必要な予算・職員も従来の地方行政区や中央から配置・配転された[11]。カウンティ政府法[注釈 4]によって各カウンティの下にはサブ・カウンティ(sub-county)、区(ward)、村(village)などの下位行政区分が設置されている。サブ・カウンティは国会議員(290名)を選出するための選挙区(constituency)に対応している。 新憲法施行以前の行政区分は州(Mikoa, Province)が設置されていた。詳細は「ケニアの州」を参照
2013年以前の行政区分
主要都市詳細は「ケニアの都市の一覧」を参照
ケニアは東アフリカ地域経済の中心として発展し、サファリパークやビーチ・リゾートなどの観光資源に多くの観光客を集めている。
同国の主要産業は農業であり、国内総生産(GDP)の約30%を占めている[12]。また、農業部門はケニアの輸出総額の65%を占めている[13]。農業部門は雇用面でもケニア経済において重要な役割を果たしており、正規雇用に占める割合は約18%(2005年)ほどであるが[13]、労働力人口全体(1,891万人)で見ると70.6%(1,335万人)が農業に従事している(2010年)[14]。さらにケニアの人口の約8割の人々が農業によって生計を立てている。
2010年代には欧州向けの紅茶、花卉の輸出が増加した。自然条件(起伏に富んだ国土、温暖な平野部と冷涼な高地が混在)とケニア政府による園芸産業育成により欧州連合(EU)向け花卉の最大の供給源である[15]。さらに2020年代にはアボカドの輸出も好調さを見せている。[16] しかし、2020年の輸出額が6.8655億ケニア・シリング、輸入額が20.187億ケニア・シリング[10]と、輸入に頼っている傾向にある。「ケニアの農業(英語版)」および「ケニアにおけるコーヒー生産」も参照