ヘーラクレースとケンタウロスたちとの争いに巻き込まれ、ヘーラクレースの放った毒矢が誤ってケイローンの膝に命中し、不死身のケイローンは苦痛から逃れるために、ゼウスに頼んで不死身の能力をプロメーテウスに譲り、死を選んだ。その死を惜しんだゼウスはケイローンの姿を星にかたどり、射手座にしたという[16]。
ダンテの『神曲』「地獄篇」第十二曲においてダンテ及びウェルギリウスと言葉を交わし、ネッソスに地獄の道案内をするよう命じた。 著述家クセノポーンによると、ケイローンはアポローンとアルテミスから狩猟と猟犬について学び、それを生徒である英雄たちに教えたとされる[17]。クセノポーンは、ケイローンに学んだ英雄を次のように列挙している[18]。ビザンツ帝国では、ディオニューソスも弟子としている。
関係者
家族
クロノス - 父。馬に化けていたティーターンの王。(ゼウスたちとケイローンは異腹兄弟)
ピリュラー- 母。ニュンペー。恥と嫌悪感からケイローンを捨てる。
アポローン - 養父。竪琴、弓術、医学、占星術などを教える。(アポローンがゼウスの子であるため、叔父・甥の関係でもある。)
アルテミス - 養母。弓術と狩猟を教える。(アポローンの妹)
カリクロー - 妻
ヒッペー(Hippe) - 娘。こうま座の神話の一つに登場する。
エンデーイス(Endeis) - 娘
オクロエ(オシロエ)(ドイツ語版、フランス語版)(Ocyrhoe) - 娘
カリストゥス(Carystus) - 息子
師弟関係
ケパロス
アスクレーピオス
メイラニオーン
ネストール
アムピアラーオス
ペーレウス
テラモーン
メレアグロス
テーセウス
ヒッポリュトス
パラメーデース
オデュッセウス
メネステウス
ディオメーデース
ディオスクーロイ
マカーオーン
ポダレイリオス
アンティロコス
アイネイアース
アキレウス
ギャラリー
「ケイーロンとアキレウス」(石棺の装飾。トラッチャ、カシリーナ邸、3世紀)
「ケイローンに対面するティーターン王とアキレウス」(バロワ美術館)
「ケイローンとアキレウス」(17世紀、ルーベンスの絵によるタペストリー)
ピエール・ピュジェ「アキレウスを導くケイローン」(1690年頃)
ヨハン・バルタザール・プロバスト
ポンペオ・バトーニ「ケンタウロスのケイローンの元へアキレウスを引き取りに来たティーターン王 」(1770年)
ジョヴァンニ・バッティスタ・チプリアーニ(英語版)「投げ槍を習うアキレウス」 (1776年頃)
ドナート・クレティ[19]「ケイーロンに託されるアキレウス」
ポンペオ・バトーニ「ケイーロンとアキレウス」
ベニーニュ・ガグネロー(英語版)「アキレウスの教育」(1785年)
ジェームズ・バリー「アキレウスの教育」
「若いアキレウスに地理を教えるケンタウロスのケイローン」 (ロサンゼルス郡立美術館)
「アキレウスの教育」(リトグラフ、1798年)原作は1782年のジャン=バプティスト・ルニョー作品
リナルド・リナルディ「アキレウスにキタラの演奏を教えるケイローン」 (1817年)
オーギュスト=クレマン・クレティエン「アキレウスの教育」(1861年)
ウジェーヌ・ドラクロワ「アキレウスの教育」(1862年頃)
マックスフィールド・パリッシュ「イアーソーンと師 」(1909年)
「息子アキレウスをケイローンに託すペーレウス」(1921年)
ジョルジオ・ゾンマー(英語版)、 エドモンド・ベーレス (フランス語版、イタリア語版)「ケイーロンとアキレウス」(20世紀初頭)
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 古代の伝説の冶金術の達人で「指」とも呼ばれた魔法の治癒者ダクティル(英語版)とは対照的[1]。
出典^ ホメーロス『イーリアス』。"11.831"。
^ アポロドーロス、1巻2・4。
^ a b ヒュギーヌス、序文。