しかし、このアルバム以降のケイトはトリビュート作やチャリティ・アルバムへの参加、他アーティストの作品へのゲスト参加などはあるが、自身の作品をリリースすることなく90年代を終えた。 『レッド・シューズ』以降、オリジナルの新作が発表されないまま長い時間が経過し、ファンが待ち望む中で幾度か新作発表の情報が流れては消えた。ようやく新作の2枚組アルバム『エアリアル』が店頭に並んだのは、前作から12年ぶりとなる2005年11月7日(日本発売は11月2日)のことである。第一弾シングル「キング・オブ・ザ・マウンテン」も英チャート4位にランクイン。新作では休止期間中の1998年に生まれた息子アルバート(ケイト達はバーティと呼んでいる)のアートワークをフィーチャーする一方で、これまでになくやわらかい空気にあふれた世界を作り上げている。 2011年5月(日本では7月)には過去のアルバム『センシュアル・ワールド』『レッド・シューズ』の楽曲をセルフカバーした『ディレクターズ・カット』をリリース。前作より6年のブランクがあったものの、本国イギリスではチャート上で2位にランクインを果たした。同年11月23日には、6年ぶりとなる全新曲のアルバム『雪のための50の言葉』をリリース。10枚目のアルバムとなる本作は、全7曲、収録時間は約65分という大作となっている。 2013年4月、大英帝国勲章 CBEを受章する[4]。UK.ロンドン公演(2014年10月) 2014年8月 - 10月に、ロンドンで22日間に渡るコンサート「Before the Dawn」を開催[5]。過去を含むアルバム11枚が同時に、全英アルバムチャートでTOP50入りする快挙を成し遂げる(女性アーティスト初)[6]。 2016年12月、「Before the Dawn」の模様を収録したライブ・アルバムをリリース[7]。 2022年6月、1985年にリリースされた楽曲「神秘の丘」が、Netflixのドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で使用されたことを切っ掛けにリバイバル・ヒットし、2022年6月13日付けの全米シングル・チャート(ビルボードHot100)で4位を記録[8]。また本国のイギリスでは、2022年6月17日付けの全英シングル・チャートで1位を記録した[9]。2023年6月には、女性ソロアーティストが80年代にレコーディングした楽曲では初めてサブスクサービスSpotifyで再生回数10億回を突破し、自身のホームページを通じてケイトからリスナーへ向けて感謝のコメントが発表された[10]。 2023年5月3日にロックの殿堂パフォーマー部門に選出されことが主催者より発表された[11]。これを受けてケイトも自身のホームページを通じて、感謝のコメントを発表した[12]。ただし、11月3日にアメリカ・ニューヨークで開催されたロックの殿堂の式典には「残念ながら、今夜のセレモニーには出席できない」との声明を発表し欠席した。出席しなかった詳細な理由は明かされていない[13]。
2000年代以降
ディスコグラフィ
オリジナル・アルバム
『天使と小悪魔』 - The Kick Inside (1978年)
『ライオンハート』 - Lionheart (1978年)
『魔物語』 - Never for Ever (1980年)
『ドリーミング』 - The Dreaming (1982年)
『愛のかたち』 - Hounds Of Love (1985年)
『センシュアル・ワールド
『レッド・シューズ』 - The Red Shoes (1993年)
『エアリアル』 - Aerial (2005年)
『ディレクターズ・カット』 - Director's Cut (2011年)
『雪のための50の言葉』 - 50 Words for Snow (2011年)
ライブ・アルバム
『ライヴ・アット・ハマー・スミス・オデオン』 - Live at Hammersmith Odeon (1994年) ※映像版がベースだが、CDも発売されている。
『ビフォア・ザ・ドーン - 夜明け前』 - Before the Dawn (2016年)
コンピレーション
The Single File 1978-1983 (1984年) ※シングル集。同名の映像版(PV集)もある。
『ケイト・ブッシュ・ストーリー』 - The Whole Story (1986年) ※ベスト盤
ボックスセット