グロス請け
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演出から作画、仕上げ、美術、撮影まで全て自社内で行える体制を構築している制作会社は京都アニメーションufotableなど一部に限られる[1][2][3]。ただし、京都アニメーションやufotableはテレビアニメにおいて共にグロス請けをしない全話数元請体制を構築しているが、スケジュールの都合により一部作業を系列スタジオや他の制作スタジオにも委託しており、TVシリーズにおいて全話数の全工程を1つのスタジオのみで制作できる制作会社は現状のアニメーション制作のスケジュールの中では存在しない。ただし、OVAやプロモーションビデオ、ゲーム作品に収録される短編アニメーションなどについては京都アニメーション、ufotableともに完全内製で制作した実績がある。
歴史

テレビアニメの草創期、分業システムは確立しておらず、虫プロダクション東映動画では、作画から美術、撮影までの全工程を社内でこなす前提で出発した。しかし週に1本のスケジュールをこれまでのアニメ映画作りと同様の体制で行うことは過酷な労働へとつながり、様々な問題が生じた。スタッフから過労死まで出した『鉄腕アトム』では早くもスタジオ・ゼロ、大西プロなどに作画作業を発注している。その後、虫プロダクションからは、サンライズマッドハウス、アートフレッシュ、グループ・タックナックといったプロダクションが生まれた。東映動画でも長編映画時代のベテランスタッフが退社して、チルドレンズ・コーナートップクラフト、ハテナプロ、ネオメディア、日動新プロといったスタジオを設立。東映動画のテレビアニメを外注プロダクションとして支えた。草創期のプロダクションからは、さらにプロダクションが次々と生まれていく。

元請け会社の中には、外注スタジオとして誕生し、グロス請けで経験を重ねるうちに元請けにまで成長した会社も多い。演出家を抱える作画スタジオだった亜細亜堂スタジオジュニオマジックバス、撮影会社だったぎゃろっぷトランス・アーツ、仕上げ会社だったスタジオディーンイージー・フイルム京都アニメーションシャフトスタジオ雲雀などである。プロデューサーなど制作管理スタッフが独立して作ったスタジオは、最初からグロス請けを行ったり、元請けとなったりする場合もある。

1990年代終盤になると、深夜帯に放送されるテレビアニメがOVA的なメディアミックスによるビデオリリースを前提として登場した。それらは13話程度の放送(1クール)が多いため、元請けの負担も小さくなっており、グロス請けを主にしていた制作会社が元請けとしてデビューする機会も増えてきた。
その他の用法

グロス請けという用語はその他に、映像業界・音楽制作業界などにも用いられる。意味はアニメ制作におけるものとほぼ似ているが、形態は業種によって異なる。

テレビドラマなどでは、『世にも奇妙な物語』のように、メインとなる制作会社(共同テレビ)の他に、東映(及び子会社のセントラル・アーツ)、日活大映テレビ東宝カノックスなどの様々な映画会社や制作プロダクションなどに各回の制作を発注していたという事例がある。
脚注[脚注の使い方]^ 『呪術廻戦』と『鬼滅』、アニメを比べて見えた制作サイドの「決定的な違い」現代ビジネス 2021年1月21日
^ 世界を虜にしたアニメ『鬼滅の刃』はどう作られたのか ufotableにしかできない作画とCGの融合 後編AREA JAPAN 2020年9月30日
^ 原口正宏「夏…再訪」『アニメージュ』徳間書店、2006年7月号










日本アニメ制作会社元請け・グロス請け)
1940年代

東映アニメーション子・正・開

トムス・エンタテインメント子・正

1950年代

スタジオ サインポスト子・準

1960年代

エイケン子・正

タツノコプロ子・正

BAKKEN RECORD


手塚プロダクション

虫プロダクション

1970年代

旭プロダクション

葦プロダクション

亜細亜堂

ぎゃろっぷ

バンダイナムコフィルムワークス子・正

サンライズ


シャフト


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