類似犬種である、クーバース、ニューファンドランド、セント・バーナードなどとは、重量感や印象、特に頭部の外観に特徴的な違いがある。
グレートピレニーズの頭部は犬のサイズに比較して重すぎてはいけない。頭頂がやや丸みを帯びた、くさび形で眉の隆起や、しわがなく、ストップはゆるやかな傾斜で、マズルは幅広く、リップは下あごを被う程度。すべての部分が優しくなだらかに融合して、全体的にスッキリとした気品のある顔をしている。
クーバースの頭部は、細く締まりがあって、典型的なくさび形をしていて、軽い印象を与える。スカルの幅は長さの半分で中央に明らかな溝があり、ストップは目立たなく、マズルは鼻先に向かって徐々に細くなっている。
ニューファンドランドの頭部は、重量感があり、スカルは幅広くオクシパットは著しく発達している。ストップは明瞭であるが切り立つほどではなく、マズルは四角形で深くどちらかというと短く、しわがない。リップは垂れて柔らかい。
セントバーナードの頭部は、強烈で印象的、スカルは著しく幅広く、額の皮膚は目の上にわずかなシワを作り、眉の峰は著しく発達している。ストップは明瞭で顕著、鼻は四角く、マズルは幅広く真っ直ぐで、垂れたリップは著しく発達して硬い。
イエイヌの犬種としては原始的な部類に属し、血統的に狼に近い犬種である。四肢にその名残りとして狼爪を有する。ほとんどのイエイヌは指が4本であるが、前足が5本、後足が6本と通常より多いのが特徴である。一般家庭で飼育される場合、この狼爪は不要である。生後間もないころであれば、犬自身に負担をかけることなく切除することが可能なので、子犬の内に切除することもある。しかし、狼爪はこの犬種としての証明でもあるため、残すことも多い。
狼爪は本来、山岳部など山道や野道を歩く際、滑り止め等の役目を果たし日常生活を送っていく上で摩耗し、手入れは不要だったが、一般家庭で飼育されている状態では摩耗することがない。そのため、爪の手入れを怠ると巻き爪になり、指に食い込み犬に負担がかかることがあるため、この犬種に関わらず、狼爪がある犬の場合、爪の手入れのしつけをしていくことが重要である。
特徴
飼い主に対して忠実でテリトリーに対する防御本能が強いが、家庭犬に適している。
家中に大量の抜け毛を飛び散らせることと、低い鳴き声が隣人を悩ませる可能性があるため、どのような環境でも飼えるわけではない。
人と一緒に広い庭にいるのが最適で、散歩と人の視線を喜ぶ。また、子供を好む。
この種は大きく強く育つために、服従トレーニングは必須で、大型犬を取り扱える飼い主によって飼われるのが理想である。
山岳地帯における広大な牧草地での羊の警護など過酷な作業に従事してきた歴史があり、それに耐える強靭な体力を有するため、十分な運動が必要。
その他
雑学
NHKアニメーション『名犬ジョリィ』(原作:セシル・オーブリー)のジョリィは、この犬種である。作中では「ピレネー犬」と呼称されていた。
漫画・アニメの『あずまんが大王』に登場する忠吉さんはこの種である。飼い主はちよちゃんで、彼女を乗せて歩くことができる。
2004年の映画『ネバーランド』で、J.M.バリーの飼っているランドシーア役として、グレート・ピレニーズが使われた。
4コマ漫画作品の『動物のおしゃべり?』に登場するマリリンはこの種である。大型犬である秋田犬のタローを想っており、逢う度に猛烈にアタックするが、勢い余って軽々と吹っ飛ばしたり、圧し潰したりする事もある。
作中で明言されてはいないが、漫画・アニメの『SPY×FAMILY』に登場するボンドはこの犬種を参考に描かれているという。
脚注^ “家畜護衛犬図鑑
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「 ⇒グレート・ピレニーズ」 ⇒ジャパンケネルクラブ
関連項目
犬の品種一覧
ピレニアン・マスティフ