グレートレース
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その他麻生美代子
上田敏也
日高晤郎
たてかべ和也
清川元夢

演出春日正伸
翻訳進藤光太
効果PAG
調整山田太平
制作日米通信社
解説淀川長治
初回放送1974年6月2日9日
日曜洋画劇場

※ソフト未収録。2016年に行われた「吹替音声を収録して発売してほしいブルーレイ・DVDは?」というアンケートでは、この吹替が挙げられている[3]
その他の出演と撮影地

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ウィーン少年合唱団

ホフブルク宮殿ウィーン)。アニフ城(英語版、ドイツ語版)(ザルツブルク)。エッフェル塔パリ)。

エピソード

ブレイク・エドワーズは、オープニングでかつてのニッケルオデオンでの映画上映の状況を表現している。主人公と悪役が現れたときの観客の反応、フィルムがずれたり焼きついたりする懐かしき映画創成期へのオマージュを込めたオープニングである。

善玉と悪玉がはっきりとしており、善玉カーテイスは服から車まで白色ずくめ、悪玉レモンは服も車も黒色ずくめ。そしてナタリー・ウッドは座っている椅子もテーブルもピンクで、最大の見せ場であるパイ投げでも赤い制服の下から見せるコルセットはピンク色であった。

そのパイ投げ合戦は、サイレント時代のドタバタコメディーでお馴染みのシーンだが、これをカラーのワイドスクリーンで派手に行い、公開当時に映画史上最大のパイ投げ合戦と言われた。使った本物のパイは約5,000個。これに約3mの高さのデコレーションケーキがあり、このデコレーションケーキにまずフェイト役のジャック・レモンが頭から突っ込んで全身白づくめになってパイを鷲掴みにして投げ返したところから、パイ合戦はスタートした。オレンジ・バナナ・チェリー・いちご等のパイが凄まじい勢いで飛び交い、ナタリー・ウッドがこれまたコルセット丸見えの士官候補生の制服で合戦に参加して投げ合い、二役のジャック・レモンがもう一人の皇太子ハプニック役で再度デコレーションケーキに逆さまに落ちる場面があった。ようやくブレイク・エドワーズ監督が「カット」を命じて撮影が終わった時は、出演した俳優陣はすべて全身パイだらけであった。そして撮影が終わった俳優たちは、それからもう1回パイを投げ合った。今度は監督に仕返しの集中攻撃をするために。

映画の見どころは悪玉ジャック・レモンとピーター・フォークが繰り出す様々な大道具である。@空中飛行自転車「ダブル・スチール号」は二人でペダルを漕ぎながら飛行船のように空を浮遊する。途中で落下した。A特殊潜航艇「ドクロ号」は変な潜水艦。B対空砲「マストドン」は飛行船を撃ち抜く。C特殊魚雷「死神エイト号」はモーター音を探査して徹底的に喰らいついて爆破するもの。快速ボートを追いかけさせて自分達は自動車で去って行ったが、途中で自動車のエンジン音で逆に自分達の車が追いかけられて痛い目に会った。Dスーパーカー「ハンニバル8号」は黒ずくめのモンスターカーで、全長5m、全幅2.2m、高さ2.5m。また上に2.5m盛り上がる六輪車である。E超高速ロケット「火の玉号」は空に舞い上がったがすぐに失速して鳥小屋に墜落した。

トニー・カーティスとジャック・レモンのそれぞれの特製クラシックカー、「レスリー・スペシャル号」と「ハンニバル8号」は生産に10万ドル以上を費やして文字通りのスペシャルカーである。

ナタリー・ウッドがこの映画の中で歌っている「The Sweetheart Tree」はこの映画の主題歌でもある。ナタリーが歌っている時に映画の画面の下に歌詞の字幕が現れて、現代のカラオケ画面のように今歌う個所が分かるようになっていた。

実際に「The Sweetheart Tree」を歌っているのは ナタリー・ウッドではなく、Jackie Wardが吹替えている。2017発売のLimited editionのサウンドトラック盤(3枚組)には2takeが収録されている。

エドワーズ監督自身はヒッチコックのように映画の中で少し出演している。酒場での乱闘シーンでチョビ髭で山高帽をかぶってカウンターにいる姿で映っている。

製作当時の1960年代半ばは女性人権運動が盛んになった頃でその雰囲気をコメディーのなかに織り交ぜている。ニューヨーク・センチネル紙の社長夫人も人権運動家としての側面を見せている。演じているヴィヴィアン・ヴァンスは当時テレビの人気番組「ルーシーショー」にレギュラー出演している。

酒場の歌手リリーで出演しているドロシー・プロヴァインは、製作会社ワーナーブラザースがテレビ映画として製作した「ローリング20」(日本放映時は「マンハッタンスキャンダル」)に出演している。またこの前年にシネラマで撮影されたコメディ映画「おかしなおかしなおかしな世界」にも出演している。なおピーター・フォークもこの「おかしなおかしなおかしな世界」に端役で出演していて、二人ともテレビ映画での出演が多い。

製作当初は600万ドルの予算であったが、ブレイク・エドワーズ監督の細かい要求を受け入れているうちに、1,200万ドルに達し、コメディ映画としては当時ハリウッド史上最大の規模となった。

なお、1968年からCBSで放送されたテレビアニメ『チキチキマシン猛レース』は本作を元ネタとしており、日本でも1970年にテレビ放送された。

脚注^ a b Wasson, Sam (2009). “The Great Race (1965)”. A splurch in the kisser: the movies of Blake Edwards. Wesleyan Film. Wesleyan University Press. pp. 98?108. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 0-8195-6915-1. https://books.google.co.jp/books?id=KWr3jPbVVDkC&pg=PT98&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q&f=false 
^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)231頁
^ “ ⇒【吹替パラダイス】第6回:吹替で発売してほしいソフト発表。時節柄か、回答はあの作品に集中!”. Stereo Sound ONLINE. 2020年4月8日閲覧。

参考文献

「グレートレース」初公開時パンフレット。

外部リンク

グレートレース
- allcinema

グレート・レース - KINENOTE

The Great Race - オールムービー(英語)

The Great Race - IMDb(英語)

The Great Race - TCM Movie Database(英語)

The Great Race - Rotten Tomatoes(英語)










ブレイク・エドワーズ監督作品
ピンク・パンサー

ピンクの豹 (1963)

暗闇でドッキリ (1964)

ピンク・パンサー2 (1975)

ピンク・パンサー3 (1976)

ピンク・パンサー4 (1978)

ピンク・パンサーX (1982)

ピンク・パンサー5 クルーゾーは二度死ぬ (1983)

ピンク・パンサーの息子 (1993)

1950年代

Bring Your Smile Along (1955)

He Laughed Last (1956)

野望に燃える男 (1956)

年頃ですモノ! (1958)

休暇はパリで (1958)

ペティコート作戦 (1959)

1960年代

High Time (1960)

ティファニーで朝食を (1961)

追跡 (1962)

酒とバラの日々 (1962)

グレートレース (1965)

地上最大の脱出作戦 (1966)

銃口 (1967)

パーティ (1968)


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