グレートマジンガー
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この複雑過ぎる性格が災いして、終盤で甲児と激しく対立してスタンドプレーに走った結果、大きな危機を招くが、剣造の死を賭した行動で覚醒して仲間への信頼を取り戻し、重傷を負いながらもミケーネ帝国に勝利した(第55、56話)。ただし兜シローに対してだけは実の弟同然と思っているぐらいに愛情を持っており、兄・甲児の代わりとしては十分な役割を果たしていた。その思いはシローにも通じていたが「僕達は皆兄弟だよ。甲児兄ちゃんの兄貴は鉄也兄ちゃんだろ」と明確な言葉をシローからもらった(第55話)にもかかわらず、甲児の帰還により自分の家族と信じていた者を奪われるジェラシーは頂点に達し、剣造を失うという悲劇を生んでしまうこととなった。正式な設定かは定かではないが、放映当時の書籍には「月の小遣いは千円、好きな科目は体育、ねずみとにんじんが苦手」といった細かいプロフィールが掲載されている[26]。なお、次回予告は、第44話より剣鉄也(野田圭一)が話すスタイルにチェンジしている(決め台詞は「次回・グレートマジンガー、“〈サブタイトル名〉”で君と会おう!」)。名前について、永井は「(甲児の名前から)ヨロイカブトのあとなんで、今度はロボットにツルギを持たせて」ということから名づけたと語っている[27]
炎 ジュン(ほのお ジュン)
声 - 中谷ゆみ本作のヒロイン。ビューナスAの操縦者。グレートを操縦したりボロットに同乗するようなことは一度もなく、最後までビューナス一筋だった。グラマラスなプロポーションの持ち主で、くせ毛の黒髪を腰に届くほど長く伸ばしている。大人びて見えるが18歳である[28]。基本的に季節を問わず薄い黄色とオレンジの縦ストライプの半袖Tシャツに、白いミニのプリーツスカートという出で立ちだが、赤茶色のワンピース(第19話)を着たこともある。第48、49話ではそれぞれビキニとワンピースの水着姿も披露した。性格はお転婆で好戦的という設定だが、じゃじゃ馬ぶりを強調された前作の弓さやかほどではなく、寧ろおっとり落ち着いた描写が多かった。鉄也やボスに軽口を叩く場面もしばしば見受けられるが、シローに対してはかなり親身になって接しており、剣造にシローを光子力研究所から引き取って、科学要塞研究所から学校に行かせるよう薦めたりしている(第2話)。剣鉄也同様に孤児だった過去を持ち[注 10]、やはり剣造に引き取られビューナスAのパイロットとなるべく育てられた[23][注 12](第2話)。多くの孤児の中から敢えて彼女を選んだ剣造の目に狂いはなく、抜群の運動神経を有する。その高い身体能力の一端は第4話で柔道の乱取の際に鉄也へ決めた小外掛や、第24話で見せた体操の伸身宙返り、第48話や第49話での高飛び込み場面などで確認できる。また、第25話でのビューナススクランダーとの合体も、テスト無しのぶっつけ本番にもかかわらず一発で成功させている。なかなか多彩な特技を持ち、第5話でのスパニッシュギター演奏や変わったところでは第30話での溶接が例として挙げられる。鉄也とは幼い頃から兄妹のようにして育った間柄ではあった[注 13]が、お互いに戦闘でのパートナーシップ以上の恋愛感情にまで発展することはなかった(ただし第1話や第49話での砂浜で戯れる二人の姿は、第三者からすればラブラブなカップルに見えなくもない)。ボスからは第1話以来、執拗にアプローチされても全く相手にしなかったが、ボロットとの息の合ったコンビでグレートをサポートする場面は随所で見られた。アフリカンスキンの父と日本人の母の間に生まれ、肌の色が浅黒いことから幼少時はいじめられたり仲間外れにされたりしていた(第19話)[注 14]。肌の色と孤児であることは彼女にとってかなりのコンプレックスで、第19話では思い悩んで自らの手を汚れを落とすかのように血が滲むまで洗い続けるにとどまらず、ついには戦闘獣の出現に際して出撃するも「誰も自分の苦しみを分かってくれない」と、戦闘を拒否して敵前逃亡までしてしまうほどであった(その後、教会の牧師とボスによる懸命の説得により漸くこれを乗り越えている)。なお、孤児だった過去を振り返る場面は本編中何度か見られたものの、肌の色で思い悩むのは第19話のみであり、その際には実の父親の写真をゴミ箱に破り捨てている描写がある。
兜 シロー(かぶと シロー)
声 - 沢田和子甲児の弟であり、兜剣造の次男。兄の戦いを見守るだけだった前作より大幅に出番が増え、学校生活も多く描写された。概ね前作と同じライトグリーンの半袖シャツに半ズボン姿だが、冬のエピソードでは長袖セーターを着用することもあった。甲児がアメリカに留学した後は光子力研究所預かりだった(『マジンガーZ』第92話)が、兄のいない寂しさからか一時ボスらと行動を共にしていた(第1話)。しかし、がさつな彼らと一緒では教育上よろしくないというジュンの主張により、第2話で科学要塞研究所へ引き取られることになり、同時に小学校も「城南学園」へと転校している[32]。年相応にやんちゃな性格だが、死んだ(と聞かされていた)両親や、アメリカにいる兄の甲児を思って泣き言を漏らすこともある(第2話ほか)。第5話でボロットに同乗したり、第8話で自身の専用ロボットを(夏休みの宿題工作レベルで)自作しようとしたりと、事ある毎に戦闘参加への意欲をアピールしていた(第43、44話など)。そして第25話から専用のロボットジュニアが登場、同機の操縦者となり戦列に加わる。当初は剣造が父であることを知らされておらず、第26話で打ち明けられた直後は「お父さんだったら僕が寂しがっているのに放っておくはずがない」と反発と不信感を抱いていた。とは言っても、まだ小学生である彼にとって侵略者からの防衛の重要性を理解するのは難しいことであり、前作でも兄・甲児から私情を優先させたことを厳しく叱責されたことがあった(『マジンガーZ』第90話など)。まだ甘えたい盛りの年齢なので無理はないとはいえ、第49話で剣造との旅行がミケーネの襲撃により中断された時も、どちらが重要なことか頭では理解しつつも我がままを通そうとする姿勢を見せた。また、前作でも描かれたように母に対する思慕もかなりのもの(『マジンガーZ』第90話)で、本作でも第50話で自分の担任の森山先生に亡き母を重ねていた。専用の挿入歌では「僕には日曜日がない」とも歌われており、同様のセリフを口にしたうえで、科学者の子供に生まれたことを嘆く場面もあったが(第43話)、孤児でも逞しく生きている鉄也の姿を見て次第に強い精神力を身に着けて行った。兜剣造の息子にして兜甲児の弟ということで格好の標的として狙われることが多く、第1、3[注 15]、13、23、37、42、43-44話で人質にされている[注 16]
兜 剣造(かぶと けんぞう)
声 - 柴田秀勝科学要塞研究所所長。兜甲児と兜シローの実の父親。父である天才科学者・兜十蔵から、滅んだと思われていたミケーネ帝国の地上侵攻が近いことを聞き、来るべき日に備えてグレートマジンガーの設計を始める。が、実験中の事故により妻と共に死亡、十蔵の手によってサイボーグとなり復活する(第26話ほか)[34]。その後、孤児であった鉄也とジュンを引き取り、戦士としての訓練を行いながらグレートマジンガーを製作・完成させた[23]。シローとの再会後しばらくは(「サイボーグとして蘇生した」という事実がショックを与えることを心配し)、自分が父親であることを隠していた。しかし第1話でシローを戦闘獣に人質に捕られた際、狼狽して冷静な指令が出せない状態に陥るなどしたため、そうした様子を見た鉄也には薄々シローとの関係を気付かれており、先に鉄也に自分が兜兄弟の父であることを打ち明けている(第25話)。鉄也には厳しく接しつつも、父親としての愛情を与えたいと思っていたが、双方の思惑のすれ違いにより叶わず、その結果、彼を救うために犠牲になった後でようやくその思いが伝わることになってしまった。鉄也のことは終始「鉄也くん」と呼ぶ。沈着冷静で優秀な指揮官であるが、息子・シローのことになると尋常ならざる弱さを見せる。加えて自身がサイボーグであることに引け目を感じており、研究所の所長としての役割を最優先と考えながらも、シローを溺愛していることによってしばしば使命との葛藤に苛まれる。
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