グルタミン酸
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昆布等からのグルタミン酸の抽出には水に含まれるミネラルが悪影響を及ぼすので軟水の使用が望ましい[1][信頼性要検証][2][信頼性要検証][3]という話がよくある。多数の硬度の違う水を用いた研究によると、昆布からのグルタミン酸ナトリウムの抽出量における硬度の影響は否定されている[4]。同研究では、カルシウムの影響で粘性が上がるので、グルタミン酸の量が関係なくとも昆布だしを取るにはカルシウムが多い水は向かないとしている[4]
製法

現在ではグルタミン酸は工業的に生産されている。2005年には世界で約 170 万トン、年率で3 - 4 %の増産が見込まれていた[5]。用途によっていくつかの製法が併存するが、アミノ酸発酵によるものが最も生産量が多い。
加水分解法

グルテン、大豆蛋白などの植物性タンパク質に、塩酸を加えて高温のもとで加水分解すると、グルタミン酸の塩酸塩が得られる。かつては小麦粉グルテンを使っての製造が行われていたが、現在は用いられない。
抽出法

テンサイから甜菜糖を作る過程で出る廃糖蜜には、約3%程度の遊離グルタミン酸が含まれるので、ステファン法によって抽出すれば利用可能であり、1930年代には工業化されたが、コストが高いことと、廃棄物が多く出ることから、現在は用いられない。
化学合成法

アクリロニトリルを原料に、ホルミル化、シアノアミン化、加水分解によってグルタミン酸のラセミ体が得られる[5]。3つの反応行程が必要で、需要の多いL-グルタミン酸だけを生産できず、これをさらに分離する行程が必要になる。また、異物混入事故による健康被害、発がん物質、製造過程で発生する公害など、化学合成物を食品添加物として利用することへの不安を払拭できず[5]需要拡大には至らなかった。
酵素促進合成法

生合成にも使われているグルタミン酸デヒドロゲナーゼや、アミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸合成酵素などの酵素補酵素の作用によって、それぞれ異なる原料から製造する方法もある。
アミノ酸発酵法

細菌、酵母などの微生物のアミノ酸代謝を人為的な変換により過剰に産生させ体外に排出蓄積させる技術をアミノ酸発酵という。1955年、協和発酵(現・協和発酵バイオ)の田中 勝宣、中山 清、木下祝郎鵜高重三(日本学士院賞受賞)[6]がグルタミン酸生産菌を発見し、発酵法による工業的な生産技術を翌1956年に世界に先駆けて軌道に載せた[7]。原料の糖蜜粗糖糖液の調達コストの兼ね合いから生産のほとんどは海外で行われている。
出典[脚注の使い方]^軟水と硬水について 株式会社コスモライフ
^硬水・軟水で料理の味が変わる 味博士の研究所
^軟水、硬水はどのように使い分けされているのでしょうか。日本ミネラルウォーター協会
^ a b 鈴野弘子、豊田美穂、石田裕「ミネラルウォーター類の使用が昆布だし汁に及ぼす影響」『日本食生活学会誌』第18巻第4号、日本食生活学会、2008年、376-381頁、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}CRID 1390001205198484736、doi:10.2740/jisdh.18.376、ISSN 1346-9770。 
^ a b c 中森茂「アミノ酸発酵技術の系統化調査」『平成19年度技術の系統化調査報告』、国立科学博物館、2008年、53-91頁、NDLJP:11546646、2024年1月22日閲覧“国立国会図書館デジタルコレクション” 


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