グリーンピース_(NGO)
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

また、グリーンピースは目的達成のために直接行動を行う事でも知られており、世界で最も注目されている環境団体とされ[9][10]、グリーンピースは環境問題を公衆に提起し[11][12][13]民間と公共の両方に影響を与えてきた[14][15]。他方で、グリーンピースは論争の対象にもなってきた[16]遺伝子組換え生物 (GMO) に対するグリーンピースのキャンペーンを終了するよう求める100人以上のノーベル賞受賞者からの公開書簡がグリーンピースに対して提出されるなど[17]、グリーンピースの意図ややり方(後者の一部には違法なものもある)が批判を受けてきた[18][19]。加えてグリーンピースの活動家による直接行動の中には犯罪行為に当たる過激な行為も多数起こしており、例えば、グリーンピースの活動家らが遺伝子組み換え小麦の試験用地を破壊したり[20][21][22]ナスカの地上絵(ペルーの国連世界遺産)に損害を加えたり[23]して法的措置を引き起こしてきた[24][25]。これら活動家らの過激な行為に対して罰金刑や執行猶予付きの有罪判決が下されており、その過剰な運動に対してエコテロリズムとして批判されることもある[26]。実際に、2005年にアメリカ自由人権協会(ACLU)が情報公開法に基づいて入手した米国連邦捜査局(FBI)の資料から、FBIがACLUと並んでグリーンピースや動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)を監視対象にしていたことが判明している[27](なお、この件に関しては2010年、アメリカ合衆国司法省は、2001年から2006年まで続いたFBIによるグリーンピースやPETAなどの環境保護団体メンバーの監視は正当ではなかったとする文書を公表し、FBIを批判している[28])。日本国内でも、捕鯨問題の告発と称して組織的に運送会社の倉庫に侵入し宅配物を窃盗したとして活動家が逮捕される事件を起こしている[29]

※本文中の原語表記部のリンクは英語版へのリンク。
活動分野と主張エッソに不法侵入して、環境破壊をやめるよう呼びかけるバナーを掲げるグリーンピース /エクソンモービル.

グリーンピースが展開する活動分野を以下に列挙する。
海洋生態系問題
日本で有名な事案は捕鯨問題だが、基本的には海洋生態系全体を扱っている。過剰漁獲や漁業手段の問題、海洋汚染の問題、気候変動による生態ピラミッドの崩壊の問題、海洋保護区の設立などがある。なお、あくまで近代捕鯨への反対であり、生存捕鯨は持続可能として認める立場も示している(反捕鯨#生存捕鯨も参照)。2005年からは日本の沖縄・辺野古ヘの米軍基地移設におけるジュゴン保護にも参加。
オゾン層破壊
特定フロンをはじめとするオゾン層破壊物質の抑制。フロンを使わない炭化水素冷媒による冷蔵庫「グリーンフリーズ」の開発支援・普及。炭化水素冷媒のグリーンフリーズ型冷蔵庫は、グリーンピースの開発委託を受けたドイツのDKK社(その後フォロン社に名称変更)が、1992年に世界に先駆けて発表。1993年中にはドイツの他企業も追従し、また同時に断熱材に使われていたフロンも炭化水素などに置き換えられた。他国の大手家電企業へのグリーンフリーズ型冷蔵庫の生産要請なども行ってきた。こうした動きを受けて、日本でも日本の冷蔵庫メーカーにはたらきかけを行い、その結果、松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)が2001年11月に商品化を発表し、いまでは当たり前になった家庭用ノンフロン冷蔵庫普及への流れを作った。
森林問題
森林伐採による生態系破壊の問題。紙の原料となるパルプ材としての森林管理問題やマホガニーなどの希少樹種の貿易問題など。
原子力問題
核兵器に対する反対運動を継続している。1993年には、ロシア海軍による核廃棄物日本海への海洋投棄を摘発し日本に衝撃を与えた。また、原子力発電をはじめとするいわゆる「平和利用」に関する反対運動、つまり原子力撤廃運動も展開(高速増殖炉核燃料再処理、それに伴う放射能汚染問題・プルトニウム管理問題など)。1995年1997年には、フランスから日本まで航路や輸送スケジュールが発表されていなかった核物質輸送船を追跡するプロジェクトを展開(前者はチャーター船の「スミット・ニューヨーク」、後者はキャンペーン船「ソロ M.V.Solo」が追跡船)。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:104 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef