こうした中、倉持由香や塚本舞、鈴木咲らは、SNSなどで水着姿の自画撮り画像を公開し、雑誌や既存メディアに頼ることなく、水着グラビアを披露する動きが出てくる[34]。後に倉持は人気グラドルの一人となり、SNSなどの自画撮り画像の公開は、その後のグラドルたちのアピール手法の一つとして確立する[34]。そして、デジタルカメラの普及により、全国的に増加していた撮影会への出演を通して知名度を重ねていく。
また、いわゆる「ご当地アイドル」ブームの低下と同時に、ライブアイドルたちがタレントとしての生き残りを探る中で、水着グラビアを披露する例が増加する。
2010年代中ごろから、イメージDVDなどに出演していたモデルがAV女優に転身するケースとして、AV女優やヌードモデルとして活動させることが決まっているタレントに「タレント」の肩書をつけ、転身の箔を付けさせるため、あらかじめ水着・着エロなどでのグラビア媒体に出演させる例も見られていく。
2016年ごろからは、グラビアタレントとしてもファッションモデルとしても活躍する人物が「モグラ女子」として注目されるようになり、馬場ふみか、久松郁実、内田理央、大川藍、泉里香、武田玲奈、石川恋、朝比奈彩、松元絵里花、武田あやな、松本愛らが活躍[35]。
2017年ごろより、AKB48系アイドルタレントが、グラビア活動をセーブする[要出典]。
その一方、非AKB系のメジャーアイドルユニットを抱える事務所は、AKB系が独占してきた雑誌グラビア枠に、続々と所属タレントを出演する戦略を取った。これまで音楽業界に重点をおいてきた大手エイベックス・マネジメント(浅川梨奈・出口亜梨沙・大原優乃など)も、先行するアップフロントプロモーション勢(例えば牧野真莉愛・譜久村聖・植村あかりら)のように、グラビア業界に参入していった。
2018年ごろからは、新興のモデル事務所であるリップ(葉月あや・橋本梨菜・森咲智美・戸田れいなど)、ゼロイチファミリア(青山ひかる・桃月なしこ・伊織いおなど)のタレントがグラビア界に参入する。
そして脊山麻理子・塩地美澄・薄井しお里・鷲見玲奈・森香澄ら、アナウンサーからの転身組、えなこ・伊織もえなどのコスプレーヤーの登場など、多種多様なジャンルから、モデルが参入する。
こうして、群雄割拠な状況ながら、グラビアタレントは復権しつつある。2022年5月、週刊プレイボーイ編集部(週プレチャンネル担当)の金髪りさ、とりはグラビアアイドル104人にアンケートを行い、ライバルは「いない」と答えた女性が多かったことに言及し、SNSで誰でも自己発信できるようになり、いかに自分らしさを写真などで表現するかが大事になった時代と考察している[36]。
一方、2023年12月には女性ファッション誌『LARME』から仲川瑠夏と月足天音を起用したデジタル写真集が発売。これまでも女性向け女性グラビアは『an an』や『ar』で観られたが、デジタル写真集に落とし込んだのは珍しく、水着や下着表現も多いことから、女性向け女性グラビアの誕生と位置付けられた[31]。週刊プレイボーイにおいてもファッション誌カメラマンである東京祐、中村和孝、前康輔の起用が増えるなどコンテンツのボーダーレス化が増した[31]。 社団法人(現:一般社団法人)日本雑誌協会雑誌芸能記者クラブ主催の「ゴールデン・アロー賞」には、日本雑誌写真記者会が選考する「グラフ賞」があり、もともとその年度で最も雑誌のグラビアを飾り話題を提供した被写体が受賞者に選出されていた。 以下、1998年度(第36回)受賞の優香以降は、グラビアアイドルの登竜門的な賞となっていた。 受賞者は、自動的に翌年度の「雑誌愛読月間」[注釈 2]イメージキャラクターに起用される。 いずれも、その時代を反映したフォトジェニックであり、受賞者を改めて見ることで、一般大衆が求めるグラビアの傾向やその推移が見て取れる。 そして、他のミスコンのように、同性の視線を意識してか、均整の取れたプロポーションの持ち主が選ばれやすいのが特徴。 また受賞者は、ミスマガジンなどの、当該年度キャンペーンの受賞者であることなどから、実績、活動に対しては非常に厳しい評価がされている。 ゴールデン・アロー賞は第45回をもって終了したが、雑誌愛読月間イメキャラの選出は2013年度まで行われた。 2009年度以降は佐々木希、桜庭ななみ、武井咲、剛力彩芽、能年玲奈が起用されており、ゴールデン・アロー賞終了後のイメキャラは、グラドルから若手女優へとシフトしている。つまり2012年度はグラドル勢で孤軍奮闘していた吉木りさが、2013年度はそのエロティックなキャラクターが広く話題となり、女性ファッション誌にも出演機会があった壇蜜が落選しているのである。 AKB48および姉妹グループのメンバーは、2009年頃以降の雑誌グラビアを席巻していた時期でも、選出者がいなかった。 2010年代中盤には「カバーガール大賞」として、事実上復活している。
グラビアアイドル関連のプロジェクト・コンテスト
ゴールデン・アロー賞「グラフ賞」
1998年度(第36回):優香
1999年度(第37回):本上まなみ
2000年度(第38回):釈由美子
2001年度(第39回):井川遥
2002年度(第40回):吉岡美穂
2003年度(第41回):井上和香
2004年度(第42回):岩佐真悠子
2005年度(第43回):安田美沙子
2006年度(第44回):ほしのあき
2007年度(第45回):南明奈
プロジェクト・コンテスト例
ミス・アップ(ワニブックス『UP to boy』、1986年-1999年)※一時期中断
ミスiD(講談社、2013年-)
ミスマガジン(講談社『週刊少年マガジン』『週刊ヤングマガジン』合同、2001年-2011年、2018年-)
サキドルエースSURVIVAL(週刊ヤングジャンプ、2012年-)
ゲンセキ (グラビア)(週刊ヤングジャンプ、2015年-2017年)
グラビアJAPAN(集英社『週刊プレイボーイ』・『週刊ヤングジャンプ』合同、2009年-2011年)
全国女子高生制服コレクション(制コレ)(『週刊ヤングジャンプ』、1992年-2008年、2014年、2018年、2020年)
ミス週プレ(『週刊プレイボーイ』、2005年-2006年)
ミスアクション(双葉社『漫画アクション』、1987年-2017年)※一時期中断
ミスFLASH(光文社『FLASH』、2006年-)※2010年は開催無し
ミスヤングチャンピオン(秋田書店『ヤングチャンピオン』、2010年-)
乙女学院(小学館、「2008年-)
YS乙女学院(『週刊ヤングサンデー』、2004年-2008年)※コンテストとしては2006年-2008年
ミスヤングアニマル(白泉社『ヤングアニマル』、2000年-2014年、2022年-)※休止中はNEXTグラビアクイーン、YAグラ姫を開催。2022年に復活。
ミス東スポ(東京スポーツ新聞社『東京スポーツ』、2012年-)
グラジャパ!アワード(2015年-『週刊プレイボーイ』)
ZAK THE QUEEN(産業経済新聞社『夕刊フジ』、ZAKZAK、2004年-2015年)
日テレジェニック(日本テレビ、1998年-2015年)
フジテレビビジュアルクイーン(フジテレビ、1992年-2002年)
テレ朝エンジェルアイ(テレビ朝日、2001年-2004年)
ファイブスターガール(ポニーキャニオン、1997年-2006年)
グラビアページを掲載している主な媒体
秋田書店 - 週刊少年チャンピオン・ヤングチャンピオン・ヤングチャンピオン烈
KADOKAWA - グラビアザテレビジョン・ヤングドラゴンエイジ・GIRLS-PEDIA
講談社 - 週刊少年マガジン・週刊ヤングマガジン・月刊ヤングマガジン・FRIDAY・週刊現代・WHITE graph
光文社 - FLASH
集英社 - 週刊プレイボーイ・週刊ヤングジャンプ
小学館 - ビッグコミックスピリッツ・週刊ポスト・週刊少年サンデー・週刊ヤングサンデー(2008年7月休刊)・sabra(2010年1月休刊)
少年画報社 - ヤングキング(一時期掲載無し)
新潮社 - 「月刊」シリーズ( - 2010年)
スクウェア・エニックス - ヤングガンガン
竹書房 - 近代麻雀・月刊キスカ(2022年1月休刊)
東京ニュース通信社 - B.L.T.・blt graph.
徳間書店 - アサヒ芸能・月刊エンタメ
日本ジャーナル出版 - 週刊実話
白泉社 - ヤングアニマル・ヤングアニマル嵐(2018年6月休刊)
白夜書房 - BUBKA・BRODY
扶桑社 - 週刊SPA!、別冊SPA! 旬撮GIRL
双葉社 - 週刊大衆・EX大衆・漫画アクション
文藝春秋 - 週刊文春(「原色美女図鑑」)
ワニブックス - アップトゥボーイ・UTB+
ワン・パブリッシング - BOMB
三和出版 - MEN'S DVD
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 日野自身「グラビアアイドルに未練はない」「競輪選手は(グラビアアイドル時代より)稼ぎが10倍以上違う」と発言している[24]。