グラビアアイドル
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更に2010年ごろから、AKB48などのグループ・アイドルやファッション誌のモデルらが、雑誌の表紙やグラビアページ、更には先述したバラエティ番組の「グラビアタレント枠」に割って登場するようになり、既存グラドルの活躍の場が、少しずつ失われていった[31]。グラビア出身の小池栄子酒井若菜らはこの間に女優業へシフトしていった。そんなグラビア冬の時代と言われる中で奮闘したのが14歳でデビューした篠崎愛、12歳でプレイボーイの表紙となった紗綾らのジュニアアイドル出身者や、吉木りさおのののか癒し系と言われるアイドルたちである[32]

こうした中、倉持由香塚本舞鈴木咲らは、SNSなどで水着姿の自画撮り画像を公開し、雑誌や既存メディアに頼ることなく、水着グラビアを披露する動きが出てくる[33]。後に倉持は人気グラドルの一人となり、SNSなどの自画撮り画像の公開は、その後のグラドルたちのアピール手法の一つとして確立する[33]。そして、デジタルカメラの普及により、全国的に増加していた撮影会への出演を通して知名度を重ねていく。

また、いわゆる「ご当地アイドル」ブームの低下と同時に、ライブアイドルたちがタレントとしての生き残りを探る中で、水着グラビアを披露する例が増加する。

2010年代中ごろから、イメージDVDなどに出演していたモデルがAV女優に転身するケースとして、AV女優やヌードモデルとして活動させることが決まっているタレントに「タレント」の肩書をつけ、転身の箔を付けさせるため、あらかじめ水着・着エロなどでのグラビア媒体に出演させる例も見られていく。

2016年ごろからは、グラビアタレントとしてもファッションモデルとしても活躍する人物が「モグラ女子」として注目されるようになり、馬場ふみか久松郁実内田理央大川藍泉里香武田玲奈石川恋朝比奈彩松元絵里花武田あやな松本愛らが活躍[34]

2017年ごろより、AKB48系アイドルタレントが、グラビア活動をセーブする[要出典]。

その一方、非AKB系のメジャーアイドルユニットを抱える事務所は、AKB系が独占してきた雑誌グラビア枠に、続々と所属タレントを出演する戦略を取った。これまで音楽業界に重点をおいてきた大手エイベックス・マネジメント浅川梨奈出口亜梨沙大原優乃など)も、先行するアップフロントプロモーション勢(例えば牧野真莉愛譜久村聖植村あかりら)のように、グラビア業界に参入していった。

2018年ごろからは、新興のモデル事務所であるリップ葉月あや橋本梨菜森咲智美戸田れいなど)、ゼロイチファミリア青山ひかる桃月なしこ伊織いおなど)のタレントがグラビア界に参入する。

そして脊山麻理子塩地美澄薄井しお里鷲見玲奈森香澄ら、アナウンサーからの転身組、えなこ伊織もえなどのコスプレーヤーの登場など、多種多様なジャンルから、モデルが参入する。

こうして、群雄割拠な状況ながら、グラビアタレントは復権しつつある。2022年5月、週刊プレイボーイ編集部(週プレチャンネル担当)の金髪りさ、とりはグラビアアイドル104人にアンケートを行い、ライバルは「いない」と答えた女性が多かったことに言及し、SNSで誰でも自己発信できるようになり、いかに自分らしさを写真などで表現するかが大事になった時代と考察している[35]

一方、2023年12月には女性ファッション誌『LARME』から仲川瑠夏月足天音を起用したデジタル写真集が発売。これまでも女性向け女性グラビアは『an an』や『ar』で観られたが、デジタル写真集に落とし込んだのは珍しく、水着や下着表現も多いことから、女性向け女性グラビアの誕生と位置付けられた[30]。週刊プレイボーイにおいてもファッション誌カメラマンである東京祐、中村和孝、前康輔の起用が増えるなどコンテンツのボーダーレス化が増した[30]
グラビアアイドル関連のプロジェクト・コンテスト
ゴールデン・アロー賞「グラフ賞」

社団法人(現:一般社団法人)日本雑誌協会雑誌芸能記者クラブ主催の「ゴールデン・アロー賞」には、日本雑誌写真記者会が選考する「グラフ賞」があり、もともとその年度で最も雑誌のグラビアを飾り話題を提供した被写体が受賞者に選出されていた。

以下、1998年度(第36回)受賞の優香以降は、グラビアアイドルの登竜門的な賞となっていた。

1998年度(第36回):優香

1999年度(第37回):本上まなみ

2000年度(第38回):釈由美子

2001年度(第39回):井川遥

2002年度(第40回):吉岡美穂

2003年度(第41回):井上和香

2004年度(第42回):岩佐真悠子

2005年度(第43回):安田美沙子

2006年度(第44回):ほしのあき

2007年度(第45回):南明奈

受賞者は、自動的に翌年度の「雑誌愛読月間」[注釈 2]イメージキャラクターに起用される。

いずれも、その時代を反映したフォトジェニックであり、受賞者を改めて見ることで、一般大衆が求めるグラビアの傾向やその推移が見て取れる。

そして、他のミスコンのように、同性の視線を意識してか、均整の取れたプロポーションの持ち主が選ばれやすいのが特徴。

また受賞者は、ミスマガジンなどの、当該年度キャンペーンの受賞者であることなどから、実績、活動に対しては非常に厳しい評価がされている。

ゴールデン・アロー賞は第45回をもって終了したが、雑誌愛読月間イメキャラの選出は2013年度まで行われた。

2009年度以降は佐々木希桜庭ななみ武井咲剛力彩芽能年玲奈が起用されており、ゴールデン・アロー賞終了後のイメキャラは、グラドルから若手女優へとシフトしている。つまり2012年度はグラドル勢で孤軍奮闘していた吉木りさが、2013年度はそのエロティックなキャラクターが広く話題となり、女性ファッション誌にも出演機会があった壇蜜が落選しているのである。

AKB48および姉妹グループのメンバーは、2009年頃以降の雑誌グラビアを席巻していた時期でも、選出者がいなかった。

2010年代中盤には「カバーガール大賞」として、事実上復活している。
プロジェクト・コンテスト例

ミス・アップ(ワニブックス『UP to boy』、1986年-1999年)※一時期中断

ミスiD(講談社、2013年-)

ミスマガジン(講談社『週刊少年マガジン』『週刊ヤングマガジン』合同、2001年-2011年、2018年-)

サキドルエースSURVIVAL(週刊ヤングジャンプ、2012年-)

ゲンセキ (グラビア)(週刊ヤングジャンプ、2015年-2017年)

グラビアJAPAN集英社『週刊プレイボーイ』・『週刊ヤングジャンプ』合同、2009年-2011年)

全国女子高生制服コレクション(制コレ)(『週刊ヤングジャンプ』、1992年-2008年、2014年、2018年、2020年)

ミス週プレ(『週刊プレイボーイ』、2005年-2006年)


ミスアクション双葉社漫画アクション』、1987年-2017年)※一時期中断


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