グラビアアイドル
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かつて、得てしてこうしたグラビアのモデルとなっていたのは、20歳を過ぎたグラビアモデルなどもいたのであるが、実際に現役の小学生から高校生らがグラビアタレントとなって、披露している場合が多い。
年齢層の拡大

一般的に、グラビアタレントのキャリアは短いとされてきた。1970年代から2000年代初頭にかけてのグラビアタレントは、早ければ10代、遅くても大学卒業相当(22 - 23歳)の年齢でグラビアを卒業することがほとんどだった。

しかし、2000年代以降はその限りでなく、従来には見られなかった30歳を過ぎてもグラビアから撤退せずに第一線で活躍し続けるタレントが増えてきた。その流れを作ったと言えるのがほしのあきで、彼女は10代でファッション雑誌の専属モデルとしてデビューし、2001年頃からグラビアの仕事を始める。そして、20代後半に差し掛かった2000年代後半になると、これまで少なかった「年長グラビアアイドル」の草分け的存在として話題になる。

グラビアアイドルとして活動するタレントの年齢層は、上は30代以上から下は10代前半までと、幅広くなっていく。

上限については優木まおみなどのように大学を卒業してから、あるいは井上和香壇蜜などのように社会人を経験した後に芸能界デビューする者も多く見受けられるようになったためである。

熊田曜子磯山さやかの活躍が、グラビアタレントとしての平均寿命を飛躍的に上げることになり、本人の意欲とプロポーション維持を怠らなければグラビアでも活躍できる、とする認識が広く生まれ、この後多くの高年齢グラビアタレントが活躍の場を広げる。

1967年生まれの桜井美春が41歳にしてグラビアタレントとしてデビュー、「ほしのあきを超えた、最年長グラドル」として話題となった。また、2010年には1965年生まれで、1990年代レースクイーンなどで活躍した岡本夏生が44歳にしてグラビアタレントとしての活動を再開したことも話題になった。

2020年代には熊切あさ美が再ブレイク。これを機に華彩なな小柳歩戸田れい平塚奈菜あべみほ沢地優佳、更には中島史恵といった美熟女グラドルが大量に活躍している[12]

下限については、1990年代以降注目されるようになった、小学生から中学生の子役女優を指した「チャイドル」や「ジュニアアイドル」が、度々水着でグラビアを飾っており、小池里奈紗綾など、その流れを汲んだタレントのグラビアは根強い人気を維持している。

しかし、中には10歳に満たない小学生がグラビアデビューを飾る例も出てきており、しばしば児童ポルノに該当するとの指摘がなされるなど、批判の対象になる事例も少なくない(ジュニアアイドル#DVD撮影・発売における逮捕も参照)。低年齢化の流れは2014年の児童ポルノ法改正を受け、アマゾン、DMMなどが自主規制により、被写体が成人の作品のみの取り扱いとなったため、批判は収まっていった。
グラビアアイドルの傾向

一般的にグラビアタレント活動は、ひとつには芸能界において知名度向上を図るためのステップの1つと捉えられており、ある一定ラインの年齢を過ぎたり、テレビドラマ映画においてヒロインなどの重要な役に起用され、人気に火が付いたのをきっかけに女優歌手ファッションモデルなどへの転身が計られ、自然とグラビア界からフェードアウトしていくのが通例である。もうひとつはもともとが女優や声優、女性歌手、ファッションモデルなどで、グラビアタレント的活動をしている状態がある。

グラビアアイドルの倉持由香は下積みイメージがあるのは「稼げるのは一握り」「収入源が限られている」ことが主原因と記述[13]。花形である雑誌仕事よりも下積み仕事と思われる撮影会やイベントが主要な収入になると筆致している[13]
キャンペーンガール系

キャンペーンガールは水着姿でポスターなどの広告媒体に掲載されることが多く、グラビアタレントとは非常に融和性があり、一大供給源となっている。

水着グラビアタレントの元祖はアグネス・ラム(CMモデルとしてブレイク)など、日本人女性と比べると優れたプロポーションを持つ外国人女性なども挙げられる。キャンペーンガールではないものの、その後も「グラビア界の黒船」と言われたリア・ディゾンや、「無国籍の9頭身美女」のキャッチフレーズで注目されたCicaなど、様々な外国人女性が一定の人気を得ている。

令和時代以降、コンプライアンス的問題から水着グラビアでの企業広告こそ減少傾向にあるが、一般公開の展示会ではグラビアアイドルがコンパニオンやイメージモデルとして起用されることも多い。アニメ、ビデオゲーム系イベントでは登場キャラクターに扮したコスプレイヤーが登用されることも多く、こういった活動は公式コスプレイヤーと称される[14]
女優系

芸能界で活躍している女優・タレントの中にも、以前はグラビア活動も展開していた人物は決して少なくない。例えば、セミヌードの項にあるとおり1970年代から1980年代にかけ、俳優業を行っていた女優らが雑誌の他にテレビCM、商品(おもには酒類)販売促進用のカレンダーやポスターなどの広告媒体などでグラビア活動を実戦していた。1990年代以降も仲間由紀恵深田恭子加藤あい井川遥綾瀬はるか長澤まさみなどのほか、2010年代の有村架純吉岡里帆などは、グラビア活動をこなしつつ俳優業も行っていた。その後、彼女らは出演作品に恵まれたこともあり、女優として大成する。

一方で、もともと女優をしながら、セクシャルな写真集などを刊行するなどで、グラビア活動を並行して展開する傾向も多く見られる。

#通常ファッションの通り、グラビアは何も水着やヌードだけには止まっておらず、通常ファッションによるグラビアも展開されている。

かつては広末涼子矢田亜希子上戸彩らが、この路線で売り出されて成功しているが、同時にファンの落胆を招いている側面もある。しかし、その副産物的現象として、水着グラビアを見せること自体が極めて稀となったそれらのタレントの水着などが掲載された雑誌や写真集テレホンカードなどは、現在においても中古市場で高値で取引されている。

特撮ヒーロー番組分野においては、かつては一般ドラマより格下とみられたこともあり、その後の役に恵まれず、ヒロインや敵役を務めた女優が、後にヌードグラビアなどを発表することが多く見られる傾向はあった。2002年に放送された特撮テレビドラマ忍風戦隊ハリケンジャー』に出演していた長澤奈央山本梓、『仮面ライダー龍騎』に出演していた森下千里らがビジュアル面から人気となってグラビアに取り上げられ、「特撮ヒロイン(悪役も含む)からグラビア」の現在も続く路線が生まれた。以後、『スーパー戦隊シリーズ』からは木下あゆ美逢沢りな高梨臨大久保桜子らが、『平成仮面ライダーシリーズ』からは加藤美佳秋山奈々白鳥百合子松本若菜馬場ふみからが、グラビアタレントとしても活躍し、ブレークのきっかけを掴んでいる。

さとう珠緒桃月なしこのように当該作品に出演する以前からグラビアで活動していたタレントも多いほか、中村知世杉本有美、元アイドリング!!!メンバーの森田涼花にわみきほ秋山莉奈内田理央などは、すでにグラビアタレントとして地位を確立していた。あくまで子供番組であることからレギュラー出演時はグラビア活動を控える傾向もあったが、2020年以降は週刊プレイボーイが仮面ライダーヒロインコラボ号を出すなど、雑誌側、番組側ともに積極的に関与するようになっている[15]
タレント系

お色気要因としてバラエティ番組に起用されることも多く、1980年代以降はリアクションなどを求められるバラエティアイドル(バラドル)として活躍する者もいた。

優香小池栄子眞鍋かをりMEGUMI中川翔子若槻千夏らのような1990年代、2000年代を代表的するグラビアアイドルらは、グラビア界を離れた後も女優業や司会業、コメンテーター、果てはお笑いタレント並みのコントまでこなせる幅広い適応能力が評価されて、人気タレントになっていった。


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