グッド・シェパード
[Wikipedia|▼Menu]
あるパーティー中に、エドワード・ジュニアは父とヘイズとアレンが来るべきピッグス湾侵攻について話すのを耳にする。エドワードは息子がそれを聞いたことに気づき、口外しないことが極めて重要であると言い渡す。マーガレットはエドワードに別れを告げる。

1961年、テープ録音を詳細に分析した結果、CIA分析官は写真がベルギー領コンゴのレオポルドヴィルで撮影されたのではないかと考えた。自らそこへ赴いたエドワードは、息子が借りているアパートを見つけ、テープに映っていた男が息子であることを知る。そこへ「ユリシーズ」が登場し、エドワード・ジュニアが恋人のソ連工作員ミリアムにピッグス湾侵攻について漏らしている未編集の録音を聞かせる。 「ユリシーズ」は、エドワードが二重スパイになるならばエドワード・ジュニアを守ると申し出る。エドワードは息子を問い詰めるが、息子はミリアムがスパイであることを信じず、彼女に結婚を申し込む。

エドワードは、ミロノフが本当は二重スパイであり、アーチ・カミングスが彼の共謀者であるという証拠を発見する。カミングスはモスクワに逃亡する一方、ミロノフはFBIに逮捕され、ほぼ確実に死ぬことになる。エドワードは「ユリシーズ」と会い、彼の申し出を断る。2人はエドワード・ジュニアを心から愛するミリアムは双方にとって脅威であることに暗黙のうちに同意する。ミリアムは故郷から結婚式の会場となる教会へ向かう途中、飛行機から投げ出されて殺される。エドワードは息子にミリアムの死を知らせ、自分はそれに関係していないと言うが、ミリアムが妊娠していたと知り動揺する。

エドワードは新しいCIA本部でヘイズと会い、ロビーの聖書の碑文に気付く。「そしてあなたは真実を知り、真実はあなたを自由にするであろう(ヨハネ8:32)」。ムラックが、フィリップ・アレンが長年横領してきたことを告発し、アレンは辞任し、大統領はヘイズを新長官に任命した。 ヘイズはエドワードを初代防諜部長に任命する。

エドワードはついに父親の遺書を読むことを決心し、父が疑われていたとおりの裏切者であったことが判明する。エドワードは家族に許しを請い、息子に礼儀正しく誠実に生きるよう勧める。エドワードは父の遺書を燃やしてしまう。映画は、エドワードが新しい防諜部門のオフィスに移る準備をしているところで終わる。
登場人物
エドワード・ウィルソン
演 -
マット・デイモン、日本語吹替 - 宮本充本映画の主人公。イェール大学に在籍し、エリートの秘密結社スカル・アンド・ボーンズに入会する。敵国のスパイの疑いがあった教授を調査したことから、OSSにリクルートされ、諜報員の道を進むことになる。戦後もCIAに勤務し、敵国からは“マザー”のコードネームで恐れられた、優秀な諜報員。映画のCIAテクニカル・アドバイザーであるミルト・ヘアデン、脚本のエリック・ロスによれば、モデルは実在のCIA諜報員であるジェームズ・アングルトンやリチャード・ビッセル(英語版)などの複合的イメージに、オリジナル要素を組み合わせているという。
マーガレット・ラッセル・ウィルソン“クローバー”
演 - アンジェリーナ・ジョリー、日本語吹替 - 湯屋敦子ラッセル上院議員の娘でジョンの妹。エドワードの妻となる。
ビル・サリヴァン将軍
演 - ロバート・デ・ニーロ、日本語吹替 - 小川真司エドワードをOSS、CIAにリクルートした老将軍。モデルは「アメリカ情報活動の父」と呼ばれたウィリアム・ドノバン
エドワード・ウィルソン・ジュニア
演 - エディ・レッドメインエドワードとクローバーの間に生まれた子。やがて父と同じCIAに勤めることになる。
ローラ
演 - タミー・ブランチャード(英語版)エドワードのイェール大学時代の交際相手。難聴のため片耳に補聴器をつけている。エドワードがクローバーを妊娠させてしまったことで、2人の仲は破局を迎える。
リチャード・ヘイズ
演 - リー・ペイススカル・アンド・ボーンズのメンバーで、CIAでのエドワードの上司。アレン引退後、CIA長官に。
ラッセル上院議員
演 - キア・デュリアジョンとクローバーの父。スカル&ボーンズのOB。
フィリップ・アレン
演 - ウィリアム・ハート、日本語吹替 - 菅生隆之エドワードのスカル&ボーンズの先輩で、CIA長官。ピッグス湾侵攻作戦失敗の原因となったCIA内部での情報漏れについて、エドワードに疑いの目を向ける。
レイ・ブロッコ
演 - ジョン・タトゥーロ、日本語吹替 - 水野龍司エドワードの部下。OSS出身。
サム・ミュラック
演 - アレック・ボールドウィン、日本語吹替 - 田中正彦FBI捜査官。学生時代のエドワードに、フレデリックス教授の調査を依頼する。エドワードがCIAに入局した後も、彼への協力を続ける。
フレデリックス教授
演 - マイケル・ガンボン、日本語吹替 - 稲垣隆史イェール大学でのエドワードの指導教官。エドワードの調査により退官に追い込まれるが、後に英国の諜報員としてエドワードを再び指導する。
アーチ・カミングス
演 - ビリー・クラダップ、日本語吹替 - 川本克彦エドワードがロンドンで知り合った英国の諜報部員。MI6所属。ヴァレンティン・ミロノフに『ユリシーズ』の初版本を送る。
ハンナ・シラー
演 - マルティナ・ゲデックベルリン赴任時のエドワードの部下。通訳担当のドイツ人。
ヴァレンティン・A・ミロノフ
演 - ジョン・セッションズ(英語版)アメリカに亡命した元KGB士官。同姓同名の亡命希望者が出現し、エドワードに疑惑を与える。
スタス・シヤンコ“ユリシーズ”
演 - オレグ・ステファン(英語版)KGBの大物諜報員で、エドワード最大のライバル。
ジョゼフ・パルミ
演 - ジョー・ペシキューバのマフィアで、反カストロ派。CIAのビッグス湾侵攻作戦に協力。
トリビア

エリック・ロスによる脚本は9年前に完成しており、監督をフランシス・フォード・コッポラが務めることになっていたが、紆余曲折を経て、デ・ニーロにその役がまわった。ちなみにコッポラは本作に製作総指揮として名を連ねている。

エドワード・ウィルソンを演じることに興味を持っていたレオナルド・ディカプリオにデ・ニーロはその役をオファーしたが、撮影を予定していた2004年秋には『ディパーテッド』の撮影が入っていたため、ウィルソン役はマット・デイモンに渡った。

ジョー・ペシ演じるジョゼフ・パルミは、サム・ジアンカーナがモデルになっている。

現在日本でインテリジェンス(諜報活動)についての積極的な評論活動を行っている論客・手嶋龍一佐藤優の両名が、この映画を賞賛している。なお、手嶋は映画のパンフレットに、佐藤は映画のホームページに、それぞれ解説を寄稿している。

この種の小説・映画については、一切の論評を行わないことを常としているCIAが、本映画については事実(あるいはCIAが「事実」としているもの)との違いを分析し公表している[2]
評価

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは174件のレビューで支持率は56%、平均点は6.20/10となった[3]Metacriticでは33件のレビューを基に加重平均値が61/100となった[4]
脚注^ a b “The Good Shepherd (2006)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年2月12日閲覧。
^ The Good Shepherd Intelligence in Recent Public Media, A movie directed by Robert DeNiro; screenplay by Eric Roth. Universal Pictures. 2006 Center for the Study of Intelligence, CIA(英語)
^ .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}"The Good Shepherd". Rotten Tomatoes (英語). Fandango Media. 2023年1月19日閲覧。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:35 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef