グアテマラ
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

IMFによると、2020年のグアテマラの名目GDPは776億ドル、1人あたりでは4,317ドルである[2]

グアテマラの治安は世界で159番目である。2013年には5,252人が殺害され、メキシコからの麻薬組織の流入、ギャング団の跳梁などにより、治安は深刻な状況にある[20]
鉱業「グアテマラの鉱業(英語版)」を参照

2009年時点の原油生産量は110万トン、天然ガスは0.43千兆ジュールにとどまっているが、これは油田炭田が未開発なためである。金属鉱物資源はニッケルが中核であるが、鉄は1万トン、ニッケルはほとんど採掘されておらず、金が若干生産されている。
国民マヤ系住民詳細は「グアテマラの人口統計(英語版)」を参照

貧困問題が恒常化しており、国民の生活水準は全体に低い。平均寿命は72歳。識字率は69.3%、人口の10%が国民全体の所得の47%を占める一方、国民の52%が貧困層に属する。

都市部と農村部の貧困差も大きく、地方農村では、貧困層が76%に達する。国民の大多数を占めるマヤ族など先住民は、概して零細な小規模農業に従事し、また多くはスペイン語の読み書き能力を持たないため、ほかの職業に就く機会も少ない。
民族

グアテマラの民族は、60.7%は非先住民族として分類されており、その内訳はラディーノが51%(Ladino、ヨーロッパ系と先住民族の混血およびスペイン語を母語とする先住民族)およびヨーロッパ系が8%となっている。マヤ先住民族が41.3%(内訳はキチェ 9.1%、カクチケル族 8.4%、マム(Mam)7.9%、ケクチ(Q'eqchi')6.3%、その他のマヤ系民族10.6%)、先住民族のシンカ(Xinca)が0.22%、アフリカ人と先住民族の混血のガリフナ(Garifuna)が0.04%である(2002年センサス)。

先住民はおもにマヤ系住民が多数を占め、人種的に先住民でも非先住民的な生活様式(スペイン語の使用)を行う先住民はラディーノ(非先住民)と呼ばれ、メスティーソと同様に扱われる。白人系住民は植民地時代以来からのスペイン人の子孫がもっとも多いが、19世紀にプランテーション農業のためにヨーロッパから移民が導入され、ドイツ人フランス人イタリア人スイス人ギリシャ人などが、アジアからもアラブ人シリア人レバノン人パレスチナ人)、トルコ人ユダヤ人中国人日本人などが導入された。アラブ人の多くが商業に従事しており、商業で得た資金がアラブのテロ組織に送金されているとも言われている。なお、グアテマラはラテンアメリカで最初に日本人が移民した国である。

近年はグアテマラ人の近隣諸国への出稼ぎや移民も多く、アメリカ合衆国メキシコカナダベリーズなどに多くのグアテマラ人が居住している。特にアメリカ合衆国には約150万人以上のグアテマラ人が居住しているが、ほとんどが不法移民であり、毎年合衆国からは約3万人、メキシコからも約3万人が強制送還されている。
言語グアテマラの言語分布地図「グアテマラの言語(英語版)」を参照

言語はスペイン語公用語とされており、国民の6割程度が使用している。残りの4割は先住民族の言語を使用する。地方では特に21種類のマヤ系言語が用いられているほか、シンカ語アラワク語族ガリフナ語など、非マヤ系言語も用いられている。DECRETO NUMERO 19-2003によれば、23種類の言語がグアテマラの国語として認められている。
宗教「グアテマラの宗教(英語版)」を参照

宗教は、国民の3人に2人がローマ・カトリック教徒でもっとも多い。しかし、近年ではプロテスタント信者の人口の伸びが著しく、特に福音派の牧師であるエフライン・リオス・モント将軍政権下で顕著であった。グアテマラ人の3分の1はプロテスタント信者で、福音派ペンテコステ運動派が特に多い。少数ながら、ユダヤ教徒ムスリム(ユダヤ人は1万人以上、アラブ人は約500人ほど)も居住している。

ゲリラとグアテマラ政府の間で締結された1996年の平和条約により、先住民族の文化が保護されるようになって以来、伝統的なマヤ民族の宗教も復興の勢いを見せており、グアテマラ政府はすべてのマヤ遺跡で宗教儀式を行えるように祭壇を整備する条例を制定している。

各宗教の信者数の割合
国勢調査年ローマ・カトリックプロテスタント無宗教その他
(1940)97.0%2.0%0.3%0.7%
(1978)80.3%17.4%1.4%0.9%
(1980)76.9%19.1%3.0%1.0%
(1982)72.4%22.2%4.4%1.0%
(1986)62.5%30.0%6.2%1.3%
(1991)65.0%21.0%12.0%2.0%
(2001)58.3%25.2%14.2%2.3%
(2006)56.9%30.7%10.2%2.2%
(2010)47.3%38.7%11.6%2.4%

教育「グアテマラの教育(英語版)」を参照

2002年のセンサスによれば、15歳以上の国民の識字率は69.1%である[21]

おもな高等教育機関としては、サン・カルロス・デ・グアテマラ大学(1676)やフランシスコ・マロキン大学(1971)などの名が挙げられる。
治安

1960年から36年間続いた内戦によって25万人が犠牲になったグアテマラでは、一般の犯罪や暴力団による殺人で2008年には6,232人が死亡している。また、誘拐では400人以上が誘拐された。2011年には毎日平均14人が殺害され、犯罪を犯しても98%の犯人は処罰されないとされた[22]

グアテマラの抱える最大の問題は治安問題、麻薬密輸、司法権の機能不全、政府の無策、腐敗、社会的不平等、人権侵害である。治安問題はコロン政権になってもまったく無策であり、毎日、テレビ・ニュースで殺人事件が報道されている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:98 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef