クワイエット・プレイス
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やがて、2人は15ページの覚書を書き上げた[7]

2016年1月、ベックとウッズは覚書を元に長編映画の脚本を書き始めた[8]。その完成稿がクラシンスキーの手に渡ったのは7月のことであった[9]。彼の妻であるエミリー・ブラントが妊娠していたこともあって、クラシンスキーは子供を怪物から守る親というアイデアに興味を惹かれたのだという[10]。ブラントの勧めもあって、クラシンスキーはメガホンを取ることになった[9]2017年3月、本作の映画化権を獲得したパラマウント映画がクラシンスキーの起用を正式に発表した。その際、彼は脚本のリライトも行うことになった[11]。脚本の完成稿を読んだブラントが是非出演したいと申し出たため、彼女が主演に起用されることとなった[11]

リーガン役に起用されたミリセント・シモンズは聾者であった。このことに関してクラシンスキーは「私は耳が聞こえる女優さんに聾者の役を演じてもらいたくないのです。理由はいくつかありますが、最大の理由は、聾者の女優は私の聾者に関する知識と彼/彼女が置かれる状況に対する理解を十数倍深めてくれるからです。」と語っている[10]。なお、シモンズは撮影現場でアメリカ手話のレクチャーを行った[12]。 また、マーカス役にノア・ジュープを起用するに当たって、クラシンスキーはジュープが出演した『サバービコン 仮面を被った街』(2017年公開)を鑑賞したのだという[10]

本作の製作は2017年5月から12月にかけて行われた。撮影のほとんどはニューヨーク州ダッチェス郡アルスター郡で行われた。撮影にあたって、製作サイドは地元の農家に約20トンのトウモロコシの栽培を依頼した[13]。物語の設定の関係で、スタッフは撮影時に極力音を立てないように心がけ、意図された音のみが収録されるように心がけていた。ポスト・プロダクションの過程で、撮影時に収録された音を増幅する処理が行われた。なお、本作にはミュージカルの古典の楽曲が使用されている。このことに関してクラシンスキーは「観客の皆様に違和感を覚えて欲しくないのです。本作を実験的なサイレント映画だと思ってもらいたくないのです。」と語っている[14]

ホラー映画に馴染みが薄かったクラシンスキーは、本作の演出を手掛けるにあたって『ドント・ブリーズ』や『ゲット・アウト』、『ジョーズ』を参照した。また、クラシンスキーは本作が親子の物語であるだけではなく、アメリカの政治に対する風刺にもなっていると語っている。つまり、今そこにある危機を解決しようとするどころか、それから目を背けたり、逆に便乗したりする人々が存在することを風刺しているのだという[15]

当初、プロデューサー陣は本作の手話でのやり取りに一切の字幕を付与しないつもりだったが、ストーリー上重要なシーン(リーとリーガンが人工内耳について話すシーン)を字幕なしで理解するのはほぼ不可能だと気付かされた。そのシーンだけ字幕を付けると不自然になるため、手話でのやり取り全てに字幕を付けることになった[16]
マーケティング・公開

2017年11月、パラマウント映画は本作のファースト・トレイラーを公開した[17]。2018年2月4日、第52回スーパーボウルの放送中に30秒間のCMが流れた[18]。同番組の放送中、他にも7作品の予告編が放送されたが、本作は他の作品ほどSNS上で注目を集められず、YouTubeでの再生数も伸び悩んだ[19][20]。12日、クラシンスキーが出演した『エレンの部屋』において、完全版の予告編が放送された[21]

2018年3月9日、本作はサウス・バイ・サウスウエストでプレミアを迎えた[22]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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