クローン・トルーパー
[Wikipedia|▼Menu]
また、DC-17ハンド・ブラスター・ピストルを使用するクローンも多く、特に階級の高いクローン兵やARCトルーパーは2丁拳銃として使用する傾向にあった。これは、遺伝子ホストのジャンゴの影響が大きい。また、腰のベルトには手榴弾や対ドロイド用の電磁パルス・グレネード、高所に登る際に使用するブラスター取り付け式のアセンション・ケーブル、近接格闘時に使用する折り畳み式のタクティカルナイフが装備されていた。

防護服としては、コムリンクや呼吸補助装置が内蔵された白いヘルメットをかぶり、黒い温度調整ボディ・ローブの上に、それぞれの体形に合った20ピースの白い装甲服を着用している。クローン大戦初期には、装甲服のペインティングによって階級が表されており、下から順に、緑が軍曹(サージェント、分隊長)、青が中尉(ルテナント、小隊長)、赤が大尉(キャプテン、中隊長)、黄が中佐(コマンダー、大隊長)であった。しかし戦争が長期化するにつれ、ペインティングによる階級制度は廃止となる。装甲服に施されたペインティングは所属部隊を表すようになり、さらに装甲服などの標準装備も改良され、様々なクローン・トルーパーの兵科や特色ある装甲服の部隊が創設された。代表的な部隊としてはクローン・キャプテン・レックスが指揮する、装甲服の随所に青い装飾の施された「第501大隊[注釈 1][注釈 2]」、首都惑星コルサントの防衛・治安維持を主任務とし、時にはパルパティーンの警護を行う赤いペインティングの施された、クローン・コマンダー・サイアの指揮する「ショック・トルーパー」等がある。

装甲服は、クローン戦争初期には「フェイズIクローン・トルーパー・アーマー」が使用された。カミーノで製造されたこの装甲服はジャンゴ・フェットが身に着けていたマンダロリアン・アーマを参考に設計されており、宇宙空間において一定時間の戦闘を可能にする生命維持装置のほか、コンピューター内蔵のT字型バイザー、通信装置、重力発生装置、通信妨害装置が内蔵されており、装甲も頑丈に作られていた。また、腰のベルトには弾薬や手榴弾、電磁パルス・グレネード、アセンション・ケーブル、折り畳み式のタクティカルナイフのほかに、軍用双眼鏡や携帯用非常食なども備わっていた。しかし、カミーノの職人たちは人間工学を熟知しておらず、着心地や重さの面で欠点を持つアーマーでもあった。そのため、クローンたちの間では「ボディ・バケツ」と揶揄されることも多かった。

戦争中期になると、試作品のARC・トルーパー・アーマーより得られたデータをもとに設計された「フェイズIIクローン・トルーパー・アーマー」が誕生し、すべてのクローンが身に着けるようになる。この装甲服は人間工学をもとに設計されており、軽量化や多種多様なカスタマイズが可能な点などフェーズIの欠点の多くを改善した。しかし、軽量化に伴い生命維持システムが外されたため、宇宙空間では外付けの呼吸装置を装着しないと短時間しか真空空間に耐えられない欠点も生まれた。しかし、任務に応じて外付けの装置でカバーできる点から、この点を加味してもクローンたちの間で高い信頼と評価を得たアーマーであったが、キャプテン・レックスのように頑丈なフェーズIの設計を評価しているクローンもおり、レックスはフェイズIの装甲服を分解し、大部分をフェーズIIに溶接した改良型装甲服を使用している。後のストームトルーパーは、クローン・アーマーをもとに設計されたストームトルーパー・アーマーを身に着けているが、視野が狭くなるヘルメットや着心地など多くの性能でクローン・アーマーより劣る性能となっており、レックスはストーム・アーマーを「クローン・アーマーに遠く及ばない劣化品」と評している。

銀河元老院最高議長が司令官を務める「共和国軍」は、共和国地上軍と宇宙軍からなる。地上軍には3,200,000ユニットのクローン・トルーパーが所属し、10個星系軍からなる通常軍と特別軍からなっている。通常軍と特別軍はそれぞれ別の戦闘序列により編成されている。星系軍はジェダイの最高将軍1名が指揮する2個のセクター軍(方面軍)からなっており、総兵力は327,680人である。セクター軍はジェダイの高位将軍1名が指揮し、4個のコープスによって構成されている(総勢163,840人)。コープス(軍団)はクローン・マーシャル・コマンダー(クローン・コマンダーの最上位階級)及びジェダイの将軍各1名が率い、4個レギオンからなっている(総勢40,960人)。レギオン[要曖昧さ回避]はシニア・クローン・コマンダー及びジェダイの将軍各1名が指揮し、4個レジメントからなっている(総勢10,240人)。レジメント(連隊)はクローン・コマンダーが指揮し、4個バタリオンからなる(総勢2,560人)。バタリオン(大隊)はクローン・トルーパー・メージャー(少佐)1名が率い、4個カンパニーからなる(総勢640人)。カンパニー(中隊)は大尉(キャプテン)1名が指揮する4個小隊からなる(総勢160人)。プラトーン(小隊) は中尉(ルテナント)1名が指揮する4個分隊からなる(総勢40人)。分隊は軍曹(サージェント)1名が率いる9人のクローン・トルーパーからなる。

特別軍はARCトルーパー等、独立心の強いクローン・トルーパーたちで構成されており、彼らはジェダイ抜きの特殊作戦に投入されていた。編成は特別作戦ブリゲード(SO BDE)を最上とし、ジオノーシスの戦いの1年後までに10個のバタリオンで創設され、ジェダイの高位将軍アーリガン・ゼイが指揮する20のコマンドー・グループ(総勢10,000名)で構成されている。コマンドー・グループはバーダン・ジャシクや後にはエテイン・ター=マカンのようにジェダイの将軍が指揮を執っており、5個カンパニーからなる(総勢500名)。カンパニーは5個トループ(総勢100名)からなり、トループは5個分隊(総勢20名)からなり、分隊は4名の兵士からなる。 軍の編成はクローン大戦を通じてほとんどが変化しておらず、後の銀河帝国へとそのまま引き継がれている。
ストーム・トルーパーとクローン・トルーパーの違い詳細は「ストームトルーパー (スター・ウォーズ)」を参照

ディズニーの買収劇後に新たに制定されたカノン(正史)の設定では、クローン・トルーパーとストームトルーパーは別の存在であり、クローン軍はクローン戦争終結後ほどなくして解散・退役、ストーム・トルーパーは徴兵や帝国アカデミーを卒業した非クローンの人間の男女で構成されている設定となっている[4][5]。ただし、帝国軍内においても一般的には認知されていないほど少数ではあるが、銀河内乱(エピソード4)以降も軍部に在籍していたジャンゴのクローンの存在が確認されている描写もある。

レジェンズ(非正規)では当初、ストーム・トルーパーの中身はクローン人間であるという表記がなされており、媒体ごとに設定のばらつきも見られた。作品の中にはストーム・トルーパーはクローンと人間の混合部隊であり、特にベイダー配下の部隊はクローンのみで構成されている設定も存在した[6]。ディズニー買収後に設定が一新された現在は、クローン大戦当時のジャンゴ・フェットのクローンは全員退役している設定に変更され、映画公開当時、クローンとして設定集に紹介されたストーム・トルーパーは一般的な人間男性、または女性に設定が変更されている。

例として、「エピソード4」にてデス・スターでハン・ソロたちによってストーム・トルーパーに変装するために気絶させられた「TK-421」は、2002年発売の「Star Wars Trading Card Game」にてクローンと紹介されていた。しかしディズニー買収後のカノン設定では一般的な人間男性として紹介されており、2017年に発売された著書『ある視点から見た物語』(原題:From a Certain Point of View)では高級将校と同性愛の関係だったこと、ハン・ソロに装甲服を奪われる際に殺害されていたことが明かされている[7]。また、ジャンゴ・フェットやクローンの癖である『ドアに頭をぶつける』シーンで有名な「エピソード4」のストーム・トルーパーも一般的な人間男性に設定が変更され、著書『ある視点から見た物語』ではタトゥイーンでベン・ケノービにマインドトリックをかけられたTD-110と同一人物であることが明かされている。また、ドアに頭をぶつけた理由は「何故、タトゥイーンで老人を調べもせずに行かせてしまったのか」について思案していたという理由に変更された。彼は銀河内乱を生き残り、30年後にはファースト・オーダーの指揮官の一人となっている[7]

映像作品では『スターウォーズ 反乱者たち シーズン2』にて、クローン・トルーパーは『エピソード4』より5年前の時点では全員退役済みになっていることが明かされる。

他の違いとして、クローン・トルーパーは軍務中でもヘルメットを取ることを許可されており、作中でも素顔を晒しているシーンが多い。また、それぞれが髪形や装甲服をカスタマイズしており、認識番号ではなく名前で呼ばれることを好んでいた。そして、お互いのことを「兄弟」と呼び、仲間の命を救うために命を懸ける一面も描かれている。訓練の過程でも負傷兵を置き去りにした班は即失格となり訓練中止となるほど、クローン同士の絆は強固であった。一方で、ストーム・トルーパーは軍務中にヘルメットを取ることは許可されておらず、装甲服も基本的に統一されていたほか、アカデミー入学以降は軍務に就いて以降も名前ではなく認識番号で呼ばれていた。また、アカデミーの厳格な訓練により、個性を排除して仲間の犠牲も厭わず戦い続けるようプログラムされた。このように、同じ遺伝子を持ち、一見して個性のないように見えるクローン・トルーパーが個性を求めた一方で、ストーム・トルーパーたちは人間でありながら個性を廃したドロイドに近い存在として描かれることもある。

また、装甲服に関してもクローン兵のレックスはストーム・トルーパーのアーマーの脆弱性を指摘しており、「クローン・アーマーとは比較にならない粗悪品」と評している。クローンとストーム・トルーパーは訓練課程にも違いがあり、クローンは生まれてから成人するまでの10年間を訓練に費やすほか、その訓練教官をマンダロリアンを中心とした傭兵たちが務めていた。一方で、ストーム・トルーパーは一般からの志願・徴兵制のため訓練期間は短く、帝国アカデミーにて専門の軍事教官から訓練を受ける一般的なスタイルがとられていた。これは、クローン軍を製造したカミーノアンが軍事知識に乏しかったことからクローンの元となったジャンゴ・フェットが紹介したことが訓練の傭兵起用に繋がっている。
歴史
誕生

エピソード1』におけるナブーの戦いにてシスの暗黒卿が密かに復活・暗躍していたという事実に対し、ジェダイ・マスターサイフォ=ディアスはこの“見えざる脅威”から銀河共和国を守るために、辺境の惑星カミーノの銀河有数のクローニング技術を持つカミーノ人にクローン軍の製造を密かに発注した。当時ジェダイ騎士団と一定の距離を取っていたサイフォ=ディアスは、極秘にこの計画を進めることを決意し、銀河元老院最高議長のシーヴ・パルパティーンにのみこの計画を打ち明けた。だがサイフォ=ディアスはその後、親友であったはずのドゥークー伯爵に、彼がシスの暗黒卿となるための証明を兼ねて殺害されてしまう[8]。しかし、計画は続行し「ティラナス」なる人物の斡旋で“銀河最強の賞金稼ぎ”と言われたジャンゴ・フェットから遺伝子提供を受け、それを元にクローンは製造されたのである。この「ティラナス」なる人物の正体はシスの暗黒卿となり授かったドゥークー伯爵の新たな名「ダース・ティラナス」のことであった。

パドメ・アミダラ議員暗殺未遂事件の首謀者を追跡していたオビ=ワン・ケノービは事件究明のために訪れたカミーノで偶然にもクローン軍団の存在を発見し、報告を受けた銀河共和国とジェダイ・オーダーには衝撃が走った。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:199 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef