興行的成功の背景には公開前の巧みな宣伝戦略がある。2007年夏の初報では、『1-18-08』の仮タイトルで自由の女神像の頭部が破壊されたショッキングなビジュアルを発表。その後も内容や作品名などの情報規制を徹底しつつ、事件との関連を匂わせる架空の企業や環境保護団体のサイトを立ち上げたほか、YouTubeに架空のニュース映像を投稿するなど、謎めいたプロモーションで作品への好奇心を煽った。
日本公開前にはPRの一環として首が破壊された自由の女神像が「来日」し、東京お台場の自由の女神像の近くに建てられた[8]。 大ヒットを受けマット・リーヴスが引き続き監督を務める続編の制作も決定していたが[9]、2008年6月25日にCollider
続編及び関連作品
厳密には続編でないが、第2作として本作のタイトルと流れを受け継いだ『10 クローバーフィールド・レーン』が2016年に公開されている。また、2017年2月の全米公開を目指し前日譚にあたる第3作の制作も進められていた[11][12][13]が、予算超過と度重なる公開延期の末にパラマウント映画は劇場作品としての配給を断念。後にNetflixが配給権を獲得し、2018年2月4日から『クローバーフィールド・パラドックス』のタイトルで独占配信されることとなった。
その後、ネット上を中心に『オーヴァーロード』がクローバーフィールド・ユニバース(英語版)の第4作になるとの噂も流れた[14]が、J・J・エイブラムスは2018年4月にラスベガスで開催されたシネマコンにおいて噂を否定した上[15][16]で、本作の直接的な続編が企画段階にあることを発表[16]。2021年1月には脚本家のジョー・バートン(英語版)[17]、2022年9月にはババク・アンヴァリ(英語版)監督の参加がそれぞれ報じられた[18]一方で、過去三作との繋がりがどのようになるかは不明なままとされている[18]。
ゴジラとの関連
映画冒頭にバッド・ロボット・プロダクションズのロゴが現れる場面で怪獣の足音らしきものが聞こえるが、1954年公開の1作目『ゴジラ』でも東宝のロゴが出ている際に同様の演出がある。
ニューヨークはトライスター版『GODZILLA』の舞台でもあり、劇中で怪獣が破壊するブルックリン橋は同作のゴジラが息絶える場所でもある。また、核兵器を暗示させるマークが登場する、通常兵器が全然効かない怪獣に寄生虫のようなものが大量に付着しているなど、ゴジラを彷彿とさせるシーンが細かく存在する。
本編に隠し映像として、往年の米製怪獣映画[注 2]の映像が使用されている。エイブラムスはゴジラの映像も使うつもりだったが、版権の問題で断念した。
伊福部昭が手掛けたゴジラ映画の曲を彷彿とさせるエンドクレジット音楽『ROAR!』[注 3]は、マイケル・ジアッチーノによって作曲された。ジアッチーノ自身もゴジラ映画の大ファンであり[6]、本作の制作決定時には自ら劇伴担当に名乗りを上げる程の意気込みを見せていたが[6]、監督のリーヴスから劇中で背景音楽を使用しない方針を知らされ[6]、酷く落胆したという[6]。その後、本作を従来の怪獣映画と同様の方式で制作すると仮定して作られた楽曲がエンディングロールで使用される運びとなり[6]、晴れてゴジラシリーズへのオマージュを捧げる形となった[6]。