1996年の電気通信法 (Telecommunications Act of 1996) は90年のデコーダ回路法を拡張したもので、2002年7月1日までにデジタルテレビ受信機にも同様の要件を課した[13]。2010年1月1日時点で、米国のあらゆるテレビ番組配信業者にはビデオ番組にスペイン語のクローズドキャプションを提供することが義務付けられている。
21世紀の通信とビデオアクセシビリティ法 (Twenty-First Century Communications and Video Accessibility Act of 2010) が2010年7月に米国国下院で可決された[14]。同じ名前の類似法案S.3304が同年8月5日に米国上院で、9月28日に下院で可決され、10月8日に発効された。この法律はATSC方式のセットトップボックスリモコンにクローズドキャプションの出力オン・オフ切り替えボタンを一部義務化している。また同法は、インターネット上で再配信されるテレビ番組にもキャプションを提供するよう放送局に義務付けている[15]。
2014年2月20日、FCCはクローズドキャプションの精度、タイミング、漏れのなさ、配置に関する品質基準の導入を満場一致で承認した[16]。 米国方式のクローズドキャプションは日本語表示の問題もあり、日本の地上波とBS放送における採用例は少ない。CS放送ではスカパー!の標準画質放送で、英語のみだが米国方式のクローズドキャプションがスターチャンネルなどで採用されている。米国方式のクローズドキャプションを採用したビデオソフトは多数販売されており、英語学習として利用されている。 日本の地上波・BS放送で採用されている、米国方式ではない日本語キャプションについては「文字多重放送」を参照。 クローズドキャプションは、聴覚障害者や難聴者の理解補助を目的に作られたものである。また、母国語以外の言語を習得(聞き取りと会話)する人向けのツールや、音声が聞き取りづらかったり意図的に音を消した環境でのツールとしても使用されている。キャプションはまた、音声と一緒に番組の台本を読みたいだけの視聴者にも使用されている。 米国立キャプション研究所(NCI)は、キャプション入切デコーダーが組み込まれて米国のテレビの標準機能になる前の1980年代後半から1990年代初頭まで、外国語または第二言語としての英語学習者が米国におけるデコーダー購入の最大層だと指摘した。このことは母国語が英語ではない人達がクローズドキャプション最大の視聴者層だという事を示唆している。イギリスでは、750万人がテレビ字幕(クローズドキャプション)を使用しており、うち600万人は聴覚障害を持っていない[17]。 クローズドキャプションは、バーやレストランなど周囲の騒音で聞こえない場合や、複数のテレビが異なる番組を表示している場所でも使用される。加えて、オンラインビデオは様々な機械的アルゴリズムによって音声内容のデジタル処理を介した処理がなされ、結果としてエラーの連鎖が起こったりもする[注釈 4]。動画データが本当に正確に転送された場合はクローズドキャプションが有用な目的を果たすようになる[18][19][20]。 一部のテレビでは、音声をミュートした(無音)時にキャプションが自動的にオンになるよう設定可能である。 生放送番組では、番組のサウンドトラックを構成する発話が、人間のオペレーター(発話から文字への記録者)によってステノタイプやステノマスク たまに台本が事前入手可能なケースがあり、その場合のキャプションは編集された後に番組内で単純表示される。事前に準備済みの内容と生放送の内容が混在するニュース速報などの番組では、技術の組み合わせを活用する。 事前収録済みの番組、コマーシャル、ホームビデオの場合、事前に音声が文字起こしされてキャプションの配置や時間配分が調整される。世界各国のアナログテレビ放送様式(デジタル移行前までの採用も含む) あらゆるNTSCプログラムでは、キャプションが可視区間のすぐ上となる垂直帰線区間の21番目(line21)に「エンコード」される。ATSC(米国式デジタルテレビ)プログラムではビデオ内に3編がエンコードされ、うち2つは下位互換の"line21"キャプションで、3番目はEIA-708 EIA-608
日本での利用状況
有用性
テレビとビデオ