クレムリンの枢機卿
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クレメンテ・ウラシーミロヴィッチ・ヴァトーゥーチン:フィリトフの調査とその後の尋問を担当するKGB大佐。

アンドレイ・イリイッチ・ナルモノフ:ソビエト連邦共産党書記長

セルゲイ・ゴロフコ:KGB諜報員であり、軍縮交渉におけるライアンの相手。のちにゴロフコはライアンに父の名をとった「イワン・エメトビッチ」と名付ける。これは「エメットの息子、ジョン」と訳される。

ゲンナジー・イオーシフォヴィッチ・ボンダレンコ:ソビエト陸軍通信部隊の大佐。フィリトフが施設を評価するために「輝く星」に彼を派遣する際にその技術的専門知識を活用する。

アラン・グレゴリー:陸軍少佐。「ティークリッパー」を拠点とする米国最高の戦略防衛構想科学者。

射手(いて):ソビエトの空爆で家族を失った後、ゲリラのリーダーになるアフガニスタン系の元数学教師。彼の名前は、ソビエトSA-7とアメリカのスティンガー地対空ミサイルの名手であることから名付けられた。

キャンディス・ロング博士(キャンディ):補償光学の専門家、グレゴリー少佐の婚約者。

ビアトリス・タウシグ博士(ビー):ティークリッパーの光物理学者であり、KGB諜報員のターニャ・ビシャーリナが管理するKGB諜報員(コードネーム「リヴィア」)。不幸にも同僚のロング博士と恋に落ちたレズビアン。

ターニャ・ビシャーリナ:タウシグを支配し、最終的にグレゴリーを誘拐する女性KGB工作員(秘匿名「アン」)。その後、 FBI人質救出チームがグレゴリーを救出したときに狙撃銃で殺された。

エドワード(エド)・フォーリ:CIAのモスクワ支局長であり、大使館の報道官を装っている。フィリトフの作戦要員であり、逮捕後にソビエト連邦から追放された。

メアリー・パット・フォーリ:CIA工作員であり、エドワード・フォーリの妻。フィリトフの作戦要員であり、フォーリが「外交官の地位に相応しからぬ行為」で逮捕されたあと彼女も国外に出た。

バートロメオ・マンキューソ:ロサンゼルス級原子力潜水艦 USSダラス艦長

マルコ・ラミウス:ソビエト弾道ミサイル潜水艦 レッド・オクトーバーの元艦長。レッド・オクトーバーは、小説の中では装備が剥ぎ取られ、後に自沈したように見える。現在、潜水艦の知識と指導力を活かし、マーク・ラムジーとして米国海軍とCIAに勤務している。

ジョン・クラーク:ソビエト連邦からゲラシモフの妻と娘を連れ出すCIA工作員

アーサー・ムーア:CIA長官

ジェームズ・グリーア:CIA情報担当副長官

ロバート(ボブ)・リッター:CIA作戦担当副長官

テーマ

「クレムリンの枢機卿」は「教皇暗殺」(2002)までの、クランシーの伝統的なスパイ小説の主要な例と考えられている。それには「スパイ活動に必要なノウハウの細部までこだわり、この危険な職業に就いている人たちを探求する、ほぼフェティシスト的な注意が払われている」が挙げられる。さらに、本書が執筆されたのは、ソビエト連邦の共産主義が衰退し始めた、世界史の重要な時期と歴史家たちが考えている、ソビエト首相ミハイル・ゴルバチョフの統治時代である。クランシーは、ゴルバチョフのようなソビエト政府の改革者によって、米国との関係の転換を確立しやすくなるという彼の見解に賛同しており、それは3年後のソビエト連邦崩壊によって可能になった。

本書はまた、ソビエトがアフガニスタンを占領し、また弾道戦略核兵器による攻撃から米国を防衛することを目的とするミサイル防衛システム「戦略防衛構想」が提案された時期に書かれたものである。それらは両方とも小説で取り上げられた。また、フィリトフとラミウスの祖国への反逆の動機の類似性など、以前の小説「レッド・オクトーバーを追え」(1984年)で描かれた要素も引き継がれている[2]
評価

本書は1,277,000部の上製本を売り上げ、その年のベストセラー小説となり[3]好評を博した。米国の書評誌であるカーカス・レビューは、この本を「以前のクランシーの作品よりもテクノブラザーに頼らず、サブプロットで溢れ、それらのほとんどが面白い。たっぷりのアクション、お涙頂戴もなし」と称賛した[4]ニューヨーク・タイムズに掲載されたロバート・レカチマンの書評では、彼は「ジャック・ライアンシリーズの中で間違いなく最高」と称賛し、次のように付け加えている。「彼の散文は職人のようなものに勝るものではないが(結局のところ、このジャンルは多くの新進気鋭のフローベールたちを惹きつけるものではない)、題名の諜報員「枢機卿」の正体を暴くというのは、私が今まで出会ったことのないスパイの技術を駆使した洗練された仕事だろう」[5]ボブ・ウッドワードワシントン・ポストのレビューで、この本について「クランシーの『レッド・オクトーバーを追え』に匹敵し、『レッド・ストーム作戦発動』を凌駕し、『愛国者のゲーム』より遥かに勝る」「素晴らしいスパイ小説」とした[6]


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