クルアーン
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イヌは7-176節、18-18,22節に言及がある[20]

蜘蛛は第29章の章題とされている。
構成

ウスマーン版のクルアーンは、全てで114の章(スーラ)からなり、スーラは節(アーヤ)に分かれている。各章はムハンマドに下されたひとつひとつの啓示であるが、長短は非常に大きなばらつきがあり、もっとも短い第108章「潤沢」には3節しかなく、もっとも長い第2章「牝牛」は286節ある。また、章の分け方とは別に、読誦するときに一度に読む目安となる分量ごとに全体を30等に分割したジュズウという巻に分かれており、ラマダーン月などに、1日に1巻ずつ読誦すると1ヶ月で全てを読誦できるようになっている。

章の構成は、第1章「開扉」を例外として、概して長い章から短い章へ向かう方針で編纂されており、時系列はばらばら。しかし、後代のウラマー(イスラームの学者の総称)らの研究によりおおよその推測がなされるようになった。そこでクルアーンの章を時期別に大きく三つに区分することができる。第1期はムハンマドが初めてアッラーフの啓示を受けてからの初期段階、第2期は大衆への伝道を進め、メッカにおける迫害が厳しくなった時期、第3段階はヒジュラ(ムハンマドがメッカの迫害を逃れてメディナへ移ったこと)以降の啓示である。

それぞれの特色を述べると、第1期は啓示が押し並べて短い。この時期はムハンマド自身がイスラームの境地を見出そうとしているときであり、信奉者もごく少数の身内が主であった。初めてアッラーフの言葉を聞いた当初のものとされるクルアーンの記述を見ると、ムハンマドのアッラーフの言葉へ対する畏怖の念が強く出ているのが興味深い。啓示も神の創造と世界の終末を厳かに語り、アッラーフの権威付けを行っている。そして詩的で力強い。

第2期の特徴としては、約80章もの啓示が下り、分量が多いことと、内容が説話的であるということである。ただし、旧約聖書新約聖書に比べると、クルアーンはストーリー性を重視していないきらいがあり、かなり端折ったりしている。この頃になると一般大衆の信奉者が増え、危機感を持ったクライシュ族による迫害が始まる。ここで改めてイスラームの正当性を主張し、ムスリムの結束を呼びかけているのである。

第3期の特徴としては、一章あたりの啓示が長いこと。内容としては法制的で、イスラーム社会の規律についてしきりに述べている。クライシュ族の迫害を逃れ、メディナに逃れると、クライシュ族や現地のユダヤ教徒との対抗の必要上、イスラームの共同体であるウンマがここで形成される。そこで信徒の生活に深く介入し、きわめて政治的な啓示が述べられているのである。
目次(章別)詳細は「スーラ (クルアーン)」を参照body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper{margin-top:0.3em}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ul,body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ol{margin-top:0}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper--small-font{font-size:90%}
開端(アル・ファーティハ)

雌牛(アル・バカラ)

イムラーン家(アーリ・イムラーン)

婦人(アン・ニサーア)

食卓(アル・マーイダ)

家畜(アル・アンアーム)

高壁(アル・アアラーフ)

戦利品(アル・アンファール)

悔悟(アッ・タウバ)

ユーヌス

フード

ユースフ

雷電(アッ・ラアド)

イブラーヒーム

アル・ヒジュル

蜜蜂(アン・ナフル)

夜の旅(アル・イスラー)

洞窟(アル・カハフ)

マルヤム

ター・ハー

預言者(アル・アンビヤーゥ)

巡礼(アル・ハッジ)

信者たち(アル・ムウミヌーン)

御光(アン・ヌール)

識別(アル・フルカーン)

詩人たち(アッ・シュアラーゥ)

蟻(アン・ナムル)

物語(アル・カサス)

蜘蛛(アル・アンカブート)

ビザンチン(アッ・ルーム)

ルクマーン

アッ・サジダ

部族連合(アル・アハザーブ)

サバア

創造者(ファーティル)

ヤー・スィーン

整列者(アッ・サーッファート)

サード

集団(アッ・ズマル)

ガーフィル

フッスィラ

相談(アッ・シューラー)

金の装飾(アッ・ズフルフ)

煙霧(アッ・ドハーン)

跪く時(アル・ジャーシヤ)

砂丘(アル・アハカーフ)

ムハンマド

勝利(アル・ファトフ)

部屋(アル・フジュラート)

カーフ

撒き散らすもの(アッ・ザーリヤート)

山(アッ・トール)

星(アン・ナジュム)

月(アル・カマル)

慈悲あまねく御方(アッ・ラハマーン)

出来事(アル・ワーキア)

鉄(アル・ハディード)

抗弁する女(アル・ムジャーダラ)

集合(アル・ハシュル)

試問される女(アル・ムンタヒナ)

戦列(アッ・サッフ)

合同礼拝(アル・ジュムア)

偽信者たち(アル・ムナーフィクーン)

騙し合い(アル・タガーブン)

離婚(アッ・タラーク)

禁止(アッ・タハリーム)

大権(アル・ムルク)

筆(アル・カラム)

真実(アル・ハーッカ)

階段(アル・マアーリジュ)

ヌーフ

幽精(アル・ジン)

衣を纏う者(アル・ムッザンミル)

包る者(アル・ムッダッスィル)


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