クリンゴン人
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死者を弔う際にも酒と歌は欠かせない(『DS9』第157話「今一度あの雄姿を」においてはこの弔いの歌がエンディングに用いられている)。その一方、茶道(毒を飲む)や成人の儀式、成人から一定期間を経過したことを祝う儀式(同左)など儀礼的な“静”の文化も持つ。バトラフを用いた武術大会があるようで、ウォーフはそこで優勝している。

愛憎や歴史的英雄をストレートに歌い上げるオペラをはじめとする歌はクリンゴン文化の精髄ともいえる存在である。歌は「勝利の歌」、「カルハヤへの道」の儀式のひとつにおいて歌われる歌、ダハールマスター・コールに捧げられた名誉ある戦死を祝した歌など儀式にも欠かせない。勝利の歌は「バースライト(後編)」において、「天に火が点り 戦いが始まった」と一部の訳がトクの口から語られ「バダー、トゥボー」から始まる一節がクリンゴンたちによって歌われた。ウォーフはこのクリンゴンのオペラを愛好し、ノーグに所有する音楽ソフトの調整を依頼した。
料理

クリンゴン料理は新鮮な素材をワイルドに調理した物が多く、新鮮さと繊細な風味に乏しい連邦艦のフードレプリケーター使用を好まない。狩りの獲物をそのまま食卓に投げ出し食することすらある。地球人には性があり食べられないものもあり、レプリケーターでは生き物や毒は生成できないこともあり、クリンゴン料理を振舞う店は珍しがられる。店主は料理とともにオペラも聞かせてくれる。

ターグ(targh) :クリンゴン人の間で一般的な家畜。ちょうど地球人にとってのに当たる存在であり、狩猟対象でもあるが愛玩動物としても飼われている。形状は地球産のによく似ており、鼻面には角があり背中にはとげが並んでいる。性質は獰猛。食糧貯蔵庫には生きたまま繋がれている事もある。肉の他、ターグの心臓は食用にも供される。


ガフ(ghargh):大型のミミズ踊り食いするのがもっとも美味。ガフには50種類以上あるらしいが、他種族が違いを見抜くのは難しい。DS9のジャッジア・ダックス大尉はトリル人ながらもガフを好んでいた。


ロケグの血のパイ (ro'qegh'Iwchab) :を通した料理。

ブラッドワイン('Iw HIq):飲みすぎるとクリンゴン人ですら酔いつぶれる極めて強い酒。何を発酵させたものかは不明。大勢で大きな樽からジョッキで豪快に汲んで飲み合うが、ボトルに入ったものもある。酒にはこのほかファイアワインなどがある。


ラクタジーノ (ra'taj) :クリンゴンのコーヒー。地球人に好まれており、DS9U.S.S.ディファイアントのフードレプリケーターにもレシピが登録されている。


クラダ・レッグ(krada'legs):牛串のように肉(何の肉かは不明)を串焼きにした料理。但し、劇中で登場した物はゴーン人が連邦の宇宙基地で提供していた物である為、クリンゴンのレシピと同様かは不明。

クリンゴン語

劇中で彼らが使用するクリンゴン語は架空言語として完成度が高く、熱心なスタートレックファンはクリンゴン語での会話が可能である。発音は戦闘種族らしくアクセントが荒々しく、挨拶の語は直訳すると「何が欲しい?」という意味になるなど表現も極端である。よく使われる語に「カプラ(成功を祈る)」などがある。

教養のあるクリンゴン人の将校などは英語も話す。部下に聞かれたくない話をする際に英語を使用する士官も存在する。
クリンゴン帝国
政治

クリンゴンは帝国制を敷く封建的国家であるが、「帝国」の名に反し皇帝はいない。宰相を頂点とするクリンゴン最高評議会及び元老院が政治・軍事に及ぶ帝国の方針の全てを決める。先の虚言や臆病など、国家や評議会などの名誉を著しく傷つけた者には制裁が加えられる。しかし、有力な一族に対しては十分に機能しないことも多々ある。

一応諜報部も存在するが、ロミュランのタルシアーやカーデシアのオブシディアン・オーダーと比べると、民族性からか非常に小規模なもので、特に組織名も無い。
宰相

宰相は最高評議会の評議員から選任される、政治・軍事両面における帝国の最高指導者である。その権限は強大であり、対立する一族の領地の没収などを独断で決定できるほどである。任期についての規定はなく、終身在位制である。クリンゴンの民族性から、多くの場合暗殺・決闘の敗北などによる前任者の死亡によって交代する。またその際、内戦が発生することも少なくない。なお、日本語吹替えでは、「総裁」と訳されている。
評議員

評議員は有力な一族から選ばれる。士官学校入学を希望する者に対する承認を行うなどの権限を有する。
歴史

クリンゴン帝国は地球暦で9世紀頃、独裁者モローを倒した英雄カーレスによって建国される。14世紀頃には異星人種族ハーク(Hur'q, クリンゴン語でよそ者の意味)の侵略を受け、カーレスの剣が奪われる。2069年から2369年まで皇帝は空位となり、宰相が最高評議会を束ねて帝国を統治した。地球人と初めて接触したのは22世紀であり、2151年に地球人が初めて訪れる。23世紀には惑星連邦と激しい対立状態にある。DISでは2256年に連邦との戦争が勃発するが、2257年に母星クロノス地下に仕掛けたハイドロ爆弾の起爆装置を渡されたルレルが帝国を統一する。TOS「クリンゴン帝国の侵略」においては連邦との和平交渉が決裂し、両国は全面戦争の危機に突入する。が、神にも等しい超絶的な力を持つオルガニア人の介入により半強制的に和平条約を結ばされ、以後は冷戦状態で小競り合いが続く。だが2293年にプラクシスの大爆発により甚大な環境破壊を被り、国力の低下を懸念した時の宰相ゴルコン (ghorqon) によって連邦との和平が図られる。ゴルコンは反対派に暗殺されるが、最終的に和平協定は成立する(映画6作目『スタートレックVI 未知の世界』)。その後、両国は平和裡に共存する。2369年、初代皇帝カーレスへの信仰を守る僧侶たちによって、秘密裏にカーレスのクローンが作られる。彼は最終的に皇帝として認められるが、実権は最高評議会と宰相が持ち続けている。ドミニオン戦争においてはガウロン宰相の無謀な作戦によって大きな被害を受け、国力が低下する(ガウロン自身も戦死)。セクション31のルーサー・スローンによると「復興に十年を要する」状態となる。ドミニオン戦争終盤、マートク家のウォーフがガウロンの作戦に抗議して決闘で倒し、マートク将軍を宰相の地位につける。ウォーフは戦後、駐クロノス連邦大使に就任する。『ENT』では、2554年に惑星連邦へ加盟することになっている。
支配下の星

クロノス(
クリンゴン語: Qo'noS、英語: Kronos)
帝国本星であり、クリンゴン帝国の中枢。『スター・トレック イントゥ・ダークネス』では「Kronos」表記が用いられている。地殻に空洞が多く、全長750mのU.S.S.ディスカバリーNCC-1031もすっぽり隠れることができる巨大な洞窟も点在する。22世紀にエンタープライズNX-01のジョナサン・アーチャー船長が訪れて以降、100年に渡って地球人が降り立つことはなく、23世紀においては連邦内ではその詳細がほとんど分かっていない。『スタートレック:ディスカバリー』14、15話でフィリッパ・ジョージャウ船長率いるU.S.S.ディスカバリーNCC-1031がクロノスに侵入する。24世紀においてはクリンゴン帝国と惑星連邦は同盟関係にあり、ピカード艦長は何度かクロノスを訪問している。

プラクシス (pIraQIS)
クロノスの衛星。劇場版第6作ではプラクシスが過剰な採掘によって爆発崩壊、クリンゴン帝国が窮地に陥る場面から始まる。

キトマー(クリンゴン語: QI'tomer、英語: Khitomer)


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