クリス・ロック
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1993年に『サタデー・ナイト・ライブ』を降板した後は、ジム・キャリーの出演で知られるFOXのコント番組『イン・リビング・カラー』への出演などを経て映画の仕事に集中するが、自身が脚本・製作したモキュメンタリー映画『CB4』が成功しなかったことを受け、再びスタンダップ・コメディの分野に注力する。

HBOで放送された1994年のコメディ特番『Big Ass Jokes』や、「ニガズ対ブラックピープル」を含む1996年の番組『Bring the Pain』などが高い評価を得て、それぞれでエミー賞を受賞する。コメディ・セントラルの政治番組『Politically Incorrect』ではコメンテーターを務め、再度エミー賞にノミネートされた。1997年にはHBOで冠番組『The Chris Rock Show』がスタートしたほか、MTV Video Music Awardsのホストにも起用された。1999年のHBO特番『Bigger & Blancker』や、2003年にワシントンD.C.で行われたライヴ『Never Scared』を収録したコメディアルバムは第48回グラミー賞において最優秀コメディ・アルバム賞を受賞。2005年の第77回アカデミー賞で司会を務めた際にはその発言が物議を醸したが、タイム誌エンターテインメント・ウィークリーには「The funniest man in America(アメリカで最も面白い男)」と評されてもいる。

2016年、第88回アカデミー賞で2度目の司会を務めた[1]
問題発言

2016年、第88回アカデミー賞授賞式で「アジア人は数学が得意」といったステレオタイプを強調した寸劇を披露した(プレゼンターを務めたサシャ・バロン・コーエンも「アジア人は勤勉で性器が小さい」といった内容を含むジョークを披露していた)。これに対し、アジア系アカデミー会員たちがアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーに抗議の手紙を送った。映画芸術科学アカデミーはこれに対し、「アカデミーは懸念を知らせてくださったことに感謝するとともに、どんな要素であっても授賞式が侮辱的なものになってしまったことを遺憾に思っています。今後の授賞式では、もっとそれぞれの文化に配慮できるよう、全力を尽くします」とコメントした[2]
第94回アカデミー賞授賞式でのトラブル「第94回アカデミー賞#平手打ち騒動」および「ウィル・スミスの平手打ち事件」も参照

2022年の第94回アカデミー賞授賞式では、女優ジェイダ・ピンケット・スミスの短い髪形について、ジェイダが顔をしかめるような侮辱的なジョークを飛ばし(ジェイダは脱毛症と診断されたことを2018年に告白していた)、その夫でクリスと長年の友人でもあるウィル・スミス平手で殴打された[3][4][5]

ロサンゼルス・タイムズによると、騒動が起きた際、クリスの弟のケニーはブルックリンを走る電車に乗っており、ネット上に出回った動画を通して事件を知ったとしている[6]。また、ウィル・スミスとクリス・ロックは1990年代からの知り合いで、「騒動前までは非常に良い関係だった」と語った[7]

アカデミー側は、式典中にクリス・ロックをステージ上で平手打ちした後、ウィル・スミスが会場から去ることを拒否したことを明らかにした[8]。同日夜、ロサンゼルス市警察はスミスを逮捕する準備をしていたが、クリス・ロックは断固として告訴を望まなかった[9]

クリス・ロックは同日の授賞式で司会を務めたワンダ・サイクスに対し、授賞式後のアフターパーティーで開口一番に謝罪[10]。「あなたたちが主役になるはずの夜だった。あなたと(共同司会者の)エイミー(・シューマー)、レジーナ(・ホール)は素晴らしい仕事をしていた。それが、このような形になってしまって申し訳ない」と述べたという[11]


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