クリスマス
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これはユリウス暦の12月25日が、21世紀現在、グレゴリオ暦1月7日に当たるからである[注 4][34][35]後述)。また例外的に、アルメニア使徒教会では教会暦上の1月6日に祝われる(前述)。
日付の区切り

キリスト教に先立つユダヤ教の暦、古代ローマの暦、およびこれらを引き継いだ教会暦では、現代の常用時とは異なり、日没日界(一日の境目)としている[36]。このため、教会暦ではクリスマス(降誕日)は「12月24日(常用時)の日没から12月25日(常用時)の日没まで」である。また24日(常用時)の日没から24日(常用時)の24時すなわち25日(常用時)の0時(正子)までが「クリスマス・イヴ」である(クリスマス・イヴ#日付)。12月25日(常用時)の日没以降は、12月26日(教会暦)である。

伝統的には、クリスマス・イヴの夕刻?晩には「晩課」(「晩祷」、「夕の礼拝」などとも)を行って降誕の喜びの先取りとし、羊飼いが天使から降誕のみ告げを受けたとされる夜中[37](古来は12月25日の0時前後)には「深夜ミサ(英語版)」あるいは「徹夜祷」などと呼ばれるミサ/聖餐式(西方教会)・奉神礼(東方教会)を行う。そして、25日の午前には改めて降誕を祝うミサ/聖餐式/聖体礼儀を行う。
期間
西方教会聖堂に飾られた「降誕場面」(フランス

西方教会では、「降誕節」(ラテン語: Tempus Nativitatis、英語: Christmas season、Christmas days)は12月24日の日没から始まり、1月6日に「東方の三博士の来訪」を記念する公現祭(顕現日、エピファニー)を祝って[注 5]、これを以て降誕節が終わる。より正確にはエピファニーの前日1月5日の日没「十二夜」までが降誕節で、「クリスマスの12日」(英語: Twelve Days of Christmas)と呼ばれる。あるいは、現代のカトリック教会では、「主(しゅ)の洗礼」を記念する公現祭後の主日日曜日[注 6]までを降誕節とする[41][42]

そして降誕節の期間中、降誕日から数えて8日目にあたる1月1日は、「イエスの命名・割礼[注 7]を記念する「イエスの聖名の祝日(英語版)」[注 8]として祝われる。あるいは、現在のカトリック教会では1月1日を「神の母聖マリアの祭日(英語版)」として祝い、併せてイエスの命名も記念される[38][注 9]

また、12月24日の4週間前(11月27日から12月3日の間)の主日から始まるアドベント(待降節/降臨節)をクリスマスの準備期間として祝う。

多くの聖堂(教会堂)の内部あるいは戸口際で、アドベントからエピファニーまでの間、キリスト降誕時の情景を表した模型「降誕場面」(イタリア語: Presepio、プレゼピオ/フランス語: Creche、クレーシュ/英語: Crib、クリブ)が飾られ、それを見て人々はその出来事に想いを馳せる。
東方教会

東方教会のうち、ギリシャ正教とも呼ばれる東方正教会では、エルサレム総主教庁ロシア正教会セルビア正教会ウクライナ正教会グルジア正教会など、そして東方諸教会非カルケドン派正教会に分類されるコプト正教会[45]などは、ユリウス暦(正教では「旧暦」と呼ばれる)の12月25日(21世紀現在、グレゴリオ暦1月7日にあたる)に降誕祭を祝うが、いわゆるギリシャ正教のうち、コンスタンティノープル総主教庁ギリシャ正教会ブルガリア正教会ルーマニア正教会などでは、修正ユリウス暦(正教では「新暦」と呼ばれる)の12月25日(21世紀現在、グレゴリオ暦の同日にあたる)に執り行う[46]非カルケドン派正教会に分類されるアルメニア使徒教会では、教会暦上の1月6日に行う(前述)。

正教会では、降誕祭と、「主の洗礼」を記念する「神現祭」(降誕祭の12日後、ユ暦1月6日/グ暦1月19日に行われる)とは奉神礼として一連のものであり、構造は同じである。降誕祭の祭前期には「聖列祖の主日」で原祖アダム以来のキリストの肉に縁る先祖を[47]、「聖世祖の主日」では神の祖父母イオアキムアンナら歴代の義者を記念する[48]。そして降誕祭の期間中の1月1日(ユリウス暦の1月1日は、21世紀現在、グレゴリオ暦1月14日にあたる)には、「主の割礼祭」を祝う。

誤解されがちなこととして、「東方教会ではエピファニーの日[注 10]に降誕を祝う」と言われることがある。年月を経るごとにユリウス暦は、本来の太陽年とそれに近いグレゴリオ暦からずれが生じて、20世紀?21世紀の今[注 4]たまたまユリウス暦12月25日がグレゴリオ暦1月7日(グ暦1月6日はユ暦12月24日:クリスマス・イヴ)になっているだけであり、ユリウス暦とグレゴリオ暦の違いはあれど、あくまで12月25日が降誕日なのである。ただし、1つ例外としては、アルメニア使徒教会では1月6日に降誕祭と神現祭を同時に祝う風習がある(前述)。
名称
教会における名称

東方正教会ギリシャ正教)では、正式なフルネームとしては「主神(しゅ-かみ)我が救世主イイスス・ハリストスの降誕祭」[50][注 11]英語: “The Nativity of our Lord God and Savior Jesus Christ”[51]ロシア語: “Рождество Господа Бога и Спаса нашего Иисуса Христа”[52])などと呼ばれる。

西方教会(おもにローマ・カトリック教会)では、ラテン語: “Festum Nativitatis Domini nostri Jesu Christi”[53][注 12](私たちの主(しゅ)イエス・キリストの降誕祭)、それを短縮した: “Festum Nativitatis Domini”[54](主の降誕祭)、あるいは特に「降誕日」を指して、: “Dies Natalis Jesu Christi”[55][注 13](イエス・キリストの降誕日)などと呼ばれる。


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