クリスマス
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キリスト教では、イエスの正確な誕生日を知ることよりも、神が人類のを償うために人の姿でこの世に現れたことを信じることが、クリスマスを祝う最大の目的であると考えられている[18][19][20]

各国でクリスマスに関連する祝いの習慣には、キリスト教以前、キリスト教、世俗的なテーマや起源が混在している[21]。現代の一般的な習慣としては、プレゼントを贈る、アドベントカレンダーアドベントリースを完成させる、クリスマス音楽やキャロルを演奏する、キリスト降誕劇を見る、クリスマスカードを交換する、教会の礼拝、特別食、クリスマスツリー、クリスマスライト、キリスト降誕シーン、ガーランド、リース、ヤドリギ、ヒイラギなど様々なクリスマスの飾り付けをする、などが挙げられる。さらに、サンタクロース、ファーザー・クリスマス、聖ニコラスクリストキントなど、クリスマスシーズンに子供たちに贈り物をする人物と密接に関連し、しばしば交換される人物がおり、それぞれ独自の伝統と言い伝えを持っている[22]。プレゼントを贈るという行為や、その他多くのクリスマス行事は、経済活動の活発化を伴うため、小売業者や企業にとって重要なイベントであり、重要な販売期間となっている。過去数世紀にわたり、クリスマスは世界の多くの地域で経済効果を着実に高めてきた。
位置付け

新約聖書にはキリストの降誕については、『ルカによる福音書』第2章10節および『マタイによる福音書』第1章18節 - 第2章18節に記述があるものの、いずれも誕生日を特定する記述は無い。

クリスマスが行なわれる日は、あくまでも「降誕を記念する祭日」と位置付けられているのであって、前述したように聖書にはイエスの誕生日を記述する内容が存在しないことから「イエス・キリストの誕生日」とされているわけではない[23]。イエス・キリストが降誕した日がいつにあたるのかについては、古代からキリスト教内でも様々な説がある(例えば3世紀の初め頃には、アレクサンドリアのクレメンス5月20日と推測していた)[4]

また、キリスト教で最も重要な祭と位置づけられるのはこの祭ではなく、復活祭(イースター/パスハ)とされている[24][25][26][27]
起源
日付の候補と決定

325年5月の第1ニカイア公会議において、キリストの降誕を祝う日について議論された。日付の候補は、おもなものだけでも、1月6日、2月2日、3月25日、3月28日、4月2日、4月19日、4月29日、5月20日、11月8日、11月17日、11月18日、12月25日があった[28][29]

このうち、古代共和政ローマ時代の「ローマ暦」において冬至の日とされていた12月25日が、「降誕を祝う日」として次第に定着していった[注 2]。12月25日に降誕祭を行う風習は、遅くとも354年[30]には西方教会で始まり、4世紀末には東方教会の多くにも広まった[31]

古代ローマの宗教のひとつミトラ教では、12月25日は「不滅の太陽が生まれる日」とされ、太陽神ミトラスを祝う冬至の祭であり、これから派生してローマ神話の太陽神ソル・インウィクトゥスの祭ともされていた。これが降誕祭の日付決定に影響したのではないかとも推察されている[注 3]
古式を守るアルメニアの降誕祭「リトル・クリスマス」も参照

12月25日を降誕祭とする風習が定着する以前には、アルメニアギリシアなどで1月6日説が採用されており[32]、また、「キリストの降誕」の記念と同時に「キリストの洗礼」(ヨルダン川洗礼者ヨハネから洗礼を受けたこと)の記念を祝っていた[31]

現在でもアルメニア使徒教会東方諸教会非カルケドン派正教会に分類される)においては、教会暦上の1月6日(アルメニア本国などではグレゴリオ暦を使用、エルサレムのアルメニア総主教区においてはユリウス暦を使用するためグレゴリオ暦の1月19日にあたる。「世界のクリスマス」:「#イスラエル・パレスチナ」も参照)に、「キリストの降誕」の記念(降誕祭)と同時に「キリストの洗礼」の記念(神現祭)が祝われる[31]。1月6日はアルメニア共和国の法定祝日となっている[33]
教会暦における日付・期間.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この項目ではを扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。教会暦におけるクリスマスの日付。黄色が12月24日、緑色が12月25日を表す。常用時とは異なり、教会暦の日界は日没であるため、24日(常用時)の日没から25日(常用時)の日没までが12月25日、即ちクリスマスである
日付
西方教会

「降誕日」は、西方教会に含まれるカトリック聖公会などでは毎年グレゴリオ暦の12月25日に祝われる。
東方教会

東方教会のうちユリウス暦教会暦として使用する教会では、グレゴリオ暦の1月7日に祝われる。これはユリウス暦の12月25日が、21世紀現在、グレゴリオ暦1月7日に当たるからである[注 4][34][35]後述)。また例外的に、アルメニア使徒教会では教会暦上の1月6日に祝われる(前述)。
日付の区切り

キリスト教に先立つユダヤ教の暦、古代ローマの暦、およびこれらを引き継いだ教会暦では、現代の常用時とは異なり、日没日界(一日の境目)としている[36]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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