クリスマス
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近年では日本でもドイツ風のクリスマスマーケットが催されることがある[72][73][74]。(「#商工業」も参照)
ナチス・ドイツ時代貧しい人へのクリスマス・プレゼント(1935年)詳細は「ナチス・ドイツにおけるクリスマス」を参照

ナチス・ドイツにおけるクリスマスは、ナチ党のイデオロギーと整合させるための努力の賜物であった。ユダヤの出自を持つ、ユダヤ人の救世主イエスの誕生を記念する行事であるクリスマスは、ナチスの人種主義と折り合いをつけるのが困難な催しであった。そのため、1933年から1945年まで政府当局は民間行事としてのクリスマスからそうした宗教的側面を排除し、キリスト教の出現以前から催されてきたゲルマン人伝統の祝祭(ユール)であることを強調しようとした。その流れの中で賛美歌の歌詞やクリスマスの飾り付けは世俗化されたが、教会や家庭における祝われ方は本来のキリスト教的な様式のままであった。
イタリア

イタリアのほとんどの地域では、プレゼントを持って来るのは魔女ベファーナとされる。

この節の加筆が望まれています。

北欧「ユール」も参照

スカンディナヴィア諸国を中心とする北欧のクリスマスは「ユール」と呼ばれ、12月13日聖ルチア祭から始まる。古代ゲルマン人冬至祭の影響を色濃く残しており、ユール・ゴート(ユールブック)と呼ばれる、ワラで作ったヤギを飾ること、妖精がプレゼントを持って来てくれることなど、独自の習慣が見られる。また、クリスマスの時期は真冬であるため、小鳥たちがついばめるように、ユールネックというの穂束を立てる習慣もある[75]
ポーランド詳細は「ポーランドのクリスマス」を参照

ポーランドのクリスマスはキリスト教世界の多くの国と同じく、もっとも大きな年間行事の一つである。クリスマスの儀式は古代から何世紀にもかけ徐々に発展してきた。カトリック教会によるポーランドのキリスト教化が行われる中で、一部の非キリスト教の古い宗教的な習慣が結びつき、その後、地域の伝承や様々な民俗文化と相互に影響を与えながら広まった。クリスマス・イヴの日には装飾され光るクリスマスツリーが居間に飾られ、また大抵は教会の外や公共スペースにおかれる[76]。ポーランドにおいて、クリスマスは「Bo?e Narodzenie」(ボジェ・ナロゼニェ、神の誕生)と呼ばれる[77]
ロシアモスクワ聖ワシリイ大聖堂元日詳細は「ロシアのクリスマス」を参照

正教会圏に含まれるロシアでは、クリスマスは俗称「冬祭り」(「Зимние фестивали」[注 17])、サンタクロースは「マロース爺さん」(ロシア語で、マロースは「吹雪」の意味)と呼ばれており、スネグーラチカ(雪娘)を連れているとされる。ロシア正教会セルビア正教会など、ユリウス暦を使う正教会の降誕祭は、1月7日(ユリウス暦での12月25日)である(前述)。そのため、グレゴリオ暦大晦日?元日は(1918年2月14日に改暦以降)クリスマスの前祝い的な位置付けとなっている。

ロシア正教会では「Христос Рождается!」「Славите (Его)!」[注 18](「ハリストス生まる!」[注 11]「(彼を)崇め讃(ほ)めよ!」[78][注 11])が教会におけるクリスマスの挨拶である(「生まる!」と声を掛けられたら「崇め讃めよ!」と返す)。世俗的には、 「С Рождеством (Христовым)!」[注 19](「(ハリストスの)降誕と共に」)という挨拶がよく用いられる[79]

ソビエト連邦時代のロシアでは、クリスマスは伝統的な祭りとして禁止こそされなかったものの政府側は良い顔を見せず、キリスト教的な考えを壊そうとするソビエト共産党の意向に沿ったものにするなど、政治色の強いものとなっていた。特にヨシフ・スターリンの時代では、クリスマスがスターリンの誕生日の四日前ということもあり、クリスマスツリーにスターリンの写真をつるすといったことも行われた。子供は、サンタクロースに手紙を書く代わりにクレムリンに平和への感謝を記した手紙を書くように強いられた[80]宗教弾圧が行われていたソビエト社会主義共和国連邦は、表向き大々的に降誕祭が祝われることはなかったが、ソビエト連邦の崩壊後の旧ソ連諸国では、再び降誕祭が大々的に祝われるようになった。
ルーマニア詳細は「ルーマニアのクリスマス」を参照

正教徒が多数派を占めるルーマニアだが、ルーマニア正教会では修正ユリウス暦を採用しているため、21世紀現在は西方教会と同日の12月24日?25日に祝われる主要な年次の祝祭である。クリスマスの祝賀はルーマニアのキリスト教化後に導入されたが、社会主義時代 (1948年 - 1989年) には宗教、イエス・キリスト、教会の概念は禁止された。民主化ともにルーマニアのクリスマスは再開され、よりお祭り色を強めた。クリスマスの祝祭シーズンは11月30日の使徒聖アンデレの日から始まり、1月7日の洗礼者ヨハネの祭日に終わる。この期間に祝われる主要な祝祭日として、12月1日の統一記念日、聖ニコラオスの日、聖イグナティオスの日、クリスマス・イヴ、クリスマス当日、聖ステファノの日、主の割礼祭大晦日?元日)、神現祭がある。
イスラエル・パレスチナベツレヘム聖誕教会前の広場

ユダヤ教イスラム教が多数派のイスラエルパレスチナだが、パレスチナ人アラビア語話者)やアルメニア人などのキリスト教徒も古くから住んでいる。キリスト降誕の地とされるベツレヘムや、聖墳墓教会が建つエルサレム旧市街オリーブ山などが含まれる東エルサレムは、パレスチナ自治政府パレスチナ国)の領域である。またイスラエル直轄地にも、ナザレガリラヤ湖畔が含まれるガリラヤ地方などは、やはりキリスト教徒が多く住む。

聖誕教会などがある聖地ベツレヘムでは、クリスマスの祝祭は3つの異なる期間に執り行われている。


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