正教会では、降誕祭と、「主の洗礼」を記念する「神現祭」(降誕祭の12日後、ユ暦1月6日/グ暦1月19日に行われる)とは奉神礼として一連のものであり、構造は同じである。降誕祭の祭前期には「聖列祖の主日」で原祖アダム以来のキリストの肉に縁る先祖を[47]、「聖世祖の主日」では神の祖父母イオアキムとアンナら歴代の義者を記念する[48]。そして降誕祭の期間中の1月1日(ユリウス暦の1月1日は、21世紀現在、グレゴリオ暦1月14日にあたる)には、「主の割礼祭」を祝う。
誤解されがちなこととして、「東方教会ではエピファニーの日[注 10]に降誕を祝う」と言われることがある。年月を経るごとにユリウス暦は、本来の太陽年とそれに近いグレゴリオ暦からずれが生じて、20世紀?21世紀の今[注 4]たまたまユリウス暦12月25日がグレゴリオ暦1月7日(グ暦1月6日はユ暦12月24日:クリスマス・イヴ)になっているだけであり、ユリウス暦とグレゴリオ暦の違いはあれど、あくまで12月25日が降誕日なのである。ただし、1つ例外としては、アルメニア使徒教会では1月6日に降誕祭と神現祭を同時に祝う風習がある(前述)。 東方正教会(ギリシャ正教)では、正式なフルネームとしては「主神(しゅ-かみ)我が救世主イイスス・ハリストスの降誕祭」[50][注 11](英語: “The Nativity of our Lord God and Savior Jesus Christ”[51]、ロシア語: “Рождество Господа Бога и Спаса нашего Иисуса Христа”[52])などと呼ばれる。 西方教会(おもにローマ・カトリック教会)では、ラテン語: “Festum Nativitatis Domini nostri Jesu Christi”[53][注 12](私たちの主(しゅ)イエス・キリストの降誕祭)、それを短縮した羅: “Festum Nativitatis Domini”[54](主の降誕祭)、あるいは特に「降誕日」を指して、羅: “Dies Natalis Jesu Christi”[55][注 13](イエス・キリストの降誕日)などと呼ばれる。 日本語での当祭の呼び方には、英語の"Christmas"に由来する「クリスマス」の他に、「降誕祭」、「降誕日」、「聖誕祭」、「聖夜」などがある。 ヨーロッパ各国語では、「キリストの誕生」あるいは、"キリストの" にあたる部分を省略した「誕生」を指す言葉(転訛含む)で当祭を指す例がよく見られる。以下の表において「誕生」は、日本語におけるキリスト教用語の「降誕」と書き表す。 「クリスマス」にあたるヨーロッパ各国語言語表記由来発音
名称
教会における名称
各国語と語源
国際音声記号音声ファイル片仮名音写[* 1]
ギリシア語Χριστο?γενναキリストの降誕[x?i?stu?ena]
ラテン語Christi Natalis[?kristi na?ta?lis][* 3]クリスティ・ナターリス
アルメニア語????? ??????聖なる降誕[su?p? t?s??nund][* 4]スルプ・ツァヌンド
イタリア語Natale降誕[na?ta?le] 音声[ヘルプ/ファイル]ナターレ
フランス語Noel[n??l]ノエル
スペイン語Navidad[naβi?da(d)] 音声[ヘルプ/ファイル]ナビダー
([naβi?daθ][* 5])(ナビダース[* 5])
イベリアポルトガル語Natal[n??ta?]ナタ(ー)ル
ブラジルポルトガル語[na?taw]ナタ(ー)ウ
ロシア語Рождество[r??d??st?vo] 音声[ヘルプ/ファイル]ラジュディストヴォー
グルジア語????[??ba]ショバ
ポーランド語Bo?e Narodzenie神の降誕[?b??? ?n?ar??d?z????] 音声[ヘルプ/ファイル]ボージェ・ナロゼーニャ
英語Christmasキリストのミサ[?kr?sm?s] 音声[ヘルプ/ファイル]クリスマス
オランダ語Kerstmis[?k?rs(t)m?s] 音声[ヘルプ/ファイル]ケルストゥミス