ショッピングセンターでは、早いところは11月上旬からクリスマスツリーが飾られ、クリスマスセールが行われる。店内にはクリスマスソングが流れ、洋菓子店ではクリスマスケーキが販売される。街中ではイルミネーションとして街路樹に豆電球(2000年代後半?2010年代以降は主にLED)が飾り付けられる。庭のある家庭では、庭木や家屋に電飾を施すこともある。商業施設などの場合、12月24日のクリスマス・イヴに、イベントを開くことがある。
日本では12月26日になると、クリスマスの飾りが一転して門松などの正月飾りに付け替えられたり、小売店などでも正月準備用や大掃除用商品の陳列・販売が中心となる、神社仏閣への初詣の宣伝が流れる、BGMも『お正月』が流れるのが特徴である。これは「クリスマス」を神聖な宗教行事としてではなく、商業行事としてみなすために起こる状況である[注 22]。1月1日の「カウントダウンイベント」が盛んになる12月31日深夜まで、イルミネーションがそのままにされている場合もある。
日本でもクリスマスは大きなイベントとして定着したが、やはり本場のキリスト教圏と比べるとその規模は小さいという指摘もある。2014年に旅行サイトのスカイスキャナーが発表した「宗教的あるいは個人的、思想的な理由などでクリスマスを祝う習慣がなく、クリスマスの大騒ぎを避けたいと思っている」人に勧める「クリスマスを避けるために行く国トップ10」のランキングでは、イスラム国家のサウジアラビア、アルジェリア、イランや、上座部仏教国のタイ、社会主義国家の中国や北朝鮮などを押さえ、日本が1位となっている[95]。「サンタをたまに見かけるかもしれないが、日本はクリスマスが祝日でなく、12月25日も人々は普段通り仕事をする」ためである[95]。
フライドチキンでクリスマスを祝う風潮は日本ケンタッキー・フライド・チキンによるマーケティングで定着した日本独自のものであり、海外では「キリストの降誕祭を安価なファーストフードで祝うのは如何なものか」という見方が主流である[96][97]。
個々の場合
教会日本のキリスト教教会(日本基督教団甲南教会)のクリスマス讃美礼拝、2010年
キリスト教の教会は多くの場合、キリスト教徒・またその教派の信徒であるか否かを問わず門戸を開いており、信徒でない人もクリスマスの礼拝に出席することが可能である。日本各地の、正教会の晩祷・聖体礼儀や、カトリック教会のミサ、聖公会の前夕礼拝・降誕日聖餐式に、信徒でなくても参祷することができる[注 23]。またプロテスタントの諸教会でも、非信徒の参祷を歓迎しているところが多い(各教会堂の掲示板に「クリスチャンでない方もお気軽にどうぞ」と掲示が出る)[注 24]。 神社仏閣でも「クリスマス御朱印」などの企画が開催されることがある[98]。マリア観音を祀る岐阜県の専養寺はクリスマスを祝っている[99]。 日本人男女を対象とした2006年(平成18年)の統計調査によると、クリスマスは誰と過ごすか、との質問に対し「家族」との答えが約6割と圧倒的多数を占め、またクリスマスの過ごし方は「家でのんびりする」が群を抜いて1位(66%)となるなど、日本人がクリスマスを家庭で過ごす傾向が明らかになった[100]。また子供たちにとってはサンタクロースがプレゼントを持って来てくれる嬉しい日である。 家族と過ごす人、恋人と過ごす人、友人と過ごす人、家で独りで過ごす人など、クリスマスの過ごし方は様々である[101]。 しかし、1930年代から、パートナーのいる人にとっては着飾ってパートナーと一緒に過ごしたり、プレゼントを贈ったりする日となっている。1931年(昭和6年)には、パートナーのいない"不幸な青年たち〔ママ〕独身者には方々のレストランが「一円均一」のクリスマスディナーを売り出すなどして歓迎した、とも報じられた[102](現在の相場に換算すると約3,000円。例えば、朝日新聞朝刊購読料が昭和6年で約1円の時代)。 2005年(平成17年)11月に行われた1都3県の20?39歳の独身男女計474名のインターネット利用者を対象とした調査では調査対象者の約7割が「クリスマスは恋人と過ごしたい」と考えていると回答した[101]。 2006年(平成18年)、インターネットリサーチ会社、DIMSDRIVE『クリスマスの過ごし方』に関するアンケートでは、30歳代女性の43.5%が「自宅でパーティーなどをする」と回答している[103]。 これらの風潮について批判もあり、イタリアの「ベネルディ」誌は2010年12月24日、『クリスマスの東京 愛を祝う』と題した記事で、“人口の僅かしかキリスト教徒が居ないのに、多くの人がプレゼントを交換しあうほか、男女の愛の祭りとなっている”と評した[104][注 25]。多くの日本人は、宗教行事としてイベントを行ってはいない。「クリスマス・イヴ#過ごし方」および「クリぼっち」も参照 クリスマス行事は幼稚園・保育所・小学校などでも行われることがある(通常冬休みの直前に行うため、12月24・25日ではないことがほとんどである)。祈りを伴った正式の形で行われるのはいわゆる“ミッション系”に限られている。 クリスマスに大一番がある時には、どの大会でも聖夜決戦と呼ばれることがある。中央競馬の有馬記念(グランプリ)がクリスマスに行われる場合はクリスマス・グランプリといわれることがある。 クリスマスを題材にした文学で著名なものとして、19世紀イギリスの小説家ディケンズの中編小説『クリスマス・キャロル』がある[105]。守銭奴スクルージ
神社仏閣
家庭日本のクリスマスケーキ
独身者
教育機関
スポーツの場合
関連文化
文学・演劇米国の長老派教会での降誕劇