クリスマス
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

1948年(昭和23年)7月20日に「国民の祝日に関する法律」が施行され、大正天皇祭は休日から外されたが[注 21]、以降もクリスマスは年中行事として定着し、行事も盛大に行われるようになった。また、12月23日生まれである明仁が皇位にあった平成年間には、クリスマス・イヴが天皇誕生日振替休日となる年もあった(1990年2001年2007年2012年2018年)。

ショッピングセンターでは、早いところは11月上旬からクリスマスツリーが飾られ、クリスマスセールが行われる。店内にはクリスマスソングが流れ、洋菓子店ではクリスマスケーキが販売される。街中ではイルミネーションとして街路樹に豆電球2000年代後半?2010年代以降は主にLED)が飾り付けられる。庭のある家庭では、庭木や家屋に電飾を施すこともある。商業施設などの場合、12月24日のクリスマス・イヴに、イベントを開くことがある。

日本では12月26日になると、クリスマスの飾りが一転して門松などの正月飾りに付け替えられたり、小売店などでも正月準備用や大掃除用商品の陳列・販売が中心となる、神社仏閣への初詣の宣伝が流れる、BGMも『お正月』が流れるのが特徴である。これは「クリスマス」を神聖な宗教行事としてではなく、商業行事としてみなすために起こる状況である[注 22]1月1日の「カウントダウンイベント」が盛んになる12月31日深夜まで、イルミネーションがそのままにされている場合もある。

日本でもクリスマスは大きなイベントとして定着したが、やはり本場のキリスト教圏と比べるとその規模は小さいという指摘もある。2014年に旅行サイトのスカイスキャナーが発表した「宗教的あるいは個人的、思想的な理由などでクリスマスを祝う習慣がなく、クリスマスの大騒ぎを避けたいと思っている」人に勧める「クリスマスを避けるために行く国トップ10」のランキングでは、イスラム国家サウジアラビアアルジェリアイランや、上座部仏教国のタイ社会主義国家の中国北朝鮮などを押さえ、日本が1位となっている[95]。「サンタをたまに見かけるかもしれないが、日本はクリスマスが祝日でなく、12月25日も人々は普段通り仕事をする」ためである[95]

フライドチキンでクリスマスを祝う風潮は日本ケンタッキー・フライド・チキンによるマーケティングで定着した日本独自のものであり、海外では「キリストの降誕祭を安価なファーストフードで祝うのは如何なものか」という見方が主流である[96][97]
個々の場合
教会日本のキリスト教教会(日本基督教団甲南教会)のクリスマス讃美礼拝、2010年

キリスト教教会は多くの場合、キリスト教徒・またその教派の信徒であるか否かを問わず門戸を開いており、信徒でない人もクリスマスの礼拝に出席することが可能である。日本各地の、正教会晩祷聖体礼儀や、カトリック教会ミサ聖公会前夕礼拝・降誕日聖餐式に、信徒でなくても参祷することができる[注 23]。またプロテスタントの諸教会でも、非信徒の参祷を歓迎しているところが多い(各教会堂の掲示板に「クリスチャンでない方もお気軽にどうぞ」と掲示が出る)[注 24]
神社仏閣

神社仏閣でも「クリスマス御朱印」などの企画が開催されることがある[98]マリア観音を祀る岐阜県の専養寺はクリスマスを祝っている[99]
家庭日本のクリスマスケーキ

日本人男女を対象とした2006年平成18年)の統計調査によると、クリスマスは誰と過ごすか、との質問に対し「家族」との答えが約6割と圧倒的多数を占め、またクリスマスの過ごし方は「家でのんびりする」が群を抜いて1位(66%)となるなど、日本人がクリスマスを家庭で過ごす傾向が明らかになった[100]。また子供たちにとってはサンタクロースがプレゼントを持って来てくれる嬉しい日である。
独身者

家族と過ごす人、恋人と過ごす人、友人と過ごす人、家で独りで過ごす人など、クリスマスの過ごし方は様々である[101]

しかし、1930年代から、パートナーのいる人にとっては着飾ってパートナーと一緒に過ごしたり、プレゼントを贈ったりする日となっている。1931年(昭和6年)には、パートナーのいない"不幸な青年たち〔ママ〕独身者には方々のレストランが「一円均一」のクリスマスディナーを売り出すなどして歓迎した、とも報じられた[102](現在の相場に換算すると約3,000円。例えば、朝日新聞朝刊購読料が昭和6年で約1円の時代)。

2005年(平成17年)11月に行われた1都3県の20?39歳の独身男女計474名のインターネット利用者を対象とした調査では調査対象者の約7割が「クリスマスは恋人と過ごしたい」と考えていると回答した[101]

2006年(平成18年)、インターネットリサーチ会社、DIMSDRIVE『クリスマスの過ごし方』に関するアンケートでは、30歳代女性の43.5%が「自宅でパーティーなどをする」と回答している[103]

これらの風潮について批判もあり、イタリアの「ベネルディ」誌は2010年12月24日、『クリスマスの東京 愛を祝う』と題した記事で、“人口の僅かしかキリスト教徒が居ないのに、多くの人がプレゼントを交換しあうほか、男女の愛の祭りとなっている”と評した[104][注 25]。多くの日本人は、宗教行事としてイベントを行ってはいない。「クリスマス・イヴ#過ごし方」および「クリぼっち」も参照
教育機関

クリスマス行事は幼稚園保育所小学校などでも行われることがある(通常冬休みの直前に行うため、12月24・25日ではないことがほとんどである)。祈りを伴った正式の形で行われるのはいわゆる“ミッション系”に限られている。
スポーツの場合

クリスマスに大一番がある時には、どの大会でも聖夜決戦と呼ばれることがある。中央競馬有馬記念(グランプリ)がクリスマスに行われる場合はクリスマス・グランプリといわれることがある。
関連文化
文学・演劇米国長老派教会での降誕劇

クリスマスを題材にした文学で著名なものとして、19世紀イギリスの小説家ディケンズの中編小説『クリスマス・キャロル』がある[105]。守銭奴スクルージ(英語版)がクリスマスに悔い改める話で、1843年に発表され大成功を収めた[106]。この小説はハリウッドとイギリスの映画会社によるクリスマス映画の中で20世紀において最も多く映画化された物語となった[107]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:227 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef