いずれのシリーズにおいても、「U.S.S.エンタープライズNCC-1701のカーク船長の前任の船長」という立場は共通している。ただし『まんが宇宙大作戦』(TAS)にてロバート・エイプリル
(英語版)提督の登場により、パイクは2代目に位置付けられた。エイプリル提督はSNWにも登場する。一方、リブート版ではエイプリルの登場がないことからエンタープライズの初代船長となっている[注 4]。各々の登場作品から自身の生い立ちを窺い知ることが出来、出身は現在でいうところのカリフォルニア州モハヴェ(英語版)で、父親は科学教師である[7]。また、モハヴェの実家ではかつて2頭の馬(タンゴとメアリー・ルー)を飼育していたこともあり、少年時代から乗馬に親しんでいる[7]。艦隊士官になった切っ掛けはアレクサンダー・マーカスからのスカウトによるもので、艦隊アカデミー在学中は(天体物理学以外の)全教科で優秀な成績を収め[7]、卒業後すぐにテストパイロットの任務に就いている[7]。
年齢は不詳。TOSではカークと同世代だと語られている。[注 5]一方でリブート版劇場版では20歳ほどのカーク士官候補生に対しすでに50歳程度の壮年であり、カークとは親子ほど年が離れている。SNWでは35?40歳ほどと思われ、20代カーク大尉よりひとまわりほど年長に描かれる。
劇中描写
ドラマシリーズ(プライム・タイムライン)詳細は「プライム・タイムライン」を参照
作品中での具体的な描写はないものの、U.S.S.エンタープライズの船長に就任したのは2250年から2251年までの何れかの期間とされ、ジェームス・T・カークに指揮権を委譲するまでに、5年間の宇宙探査任務を2度行うと公式には設定付けられている[9][10]。最終階級は先任大佐(英語版)。
歪んだ楽園「en:The Cage (Star Trek: The Original Series)」も参照
2254年、U.S.S.エンタープライズはヴェガ・コロニー[11]へ向かう途中、タロス4号星[12]からの救難信号を受信する。しかし生存者の確認が得られなかったため、指揮官のパイクはその信号を無視し、負傷者の治療を優先させるべくコロニーへの進路維持を命じる。その2週間前、上陸したライジェル7号星で原住民(ケイラー人[13])の襲撃に遭い、上陸班のうち3人が死亡、7人が負傷するという事態が生じたためである。パイクはライジェル事件の責任を重く受け止め、フィリップ・ボイス医療主任[14]との会話の際には艦隊からの引退を仄めかし、指揮官としての自信を失いつつある旨を語っている。
救難信号から生存者の確認が取れたとの報告を受け、パイクは進路変更を命じる。発信元は18年前に消息を絶った地球の測量船S.S.コロンビア[15]と判明し、上陸班を組んでタロス4号星へ転送降下する。上陸班一行は、キャンプ生活を続けながら生存していた乗員たちと遭遇し、救出の歓迎を受けるが、その生存者の一人にヴィーナという若い女性がおり、パイクはその美貌に魅せられる。
ヴィーナに促されて岩山の一角に来たパイクは、地底から現れたタロス人によって不意に拉致され、動物園のごとき施設に監禁されてしまう。肥大した頭部を持つタロス人と対峙したパイクは、彼らがテレパシー能力に長け、救難信号もヴィーナ以外の生存者も、エンタープライズを誘い込むための幻影だったと知る。