クリケット
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2023年10月、第141回IOC総会がインドのムンバイで開催され、ロサンゼルスオリンピックで実施されることが正式に決定した[28]。ロサンゼルス大会組織委員会のディレクターであるカンプリアーニは、クリケットについてのプレゼンテーションをIOC総会で行い、「世界中に推定25億人のファンがいる世界で2番目に人気のあるスポーツを歓迎できることに興奮している」と語った[50]
ルール
概略

123456789101112

1審判
2ウィケット
3ノンストライカー・バッター(打者)
4ボウラー(投手)

5ボール
6ピッチ
7ポッピングクリース
8ストライカー・バッター(打者)

9ウィケット
10ウィケットキーパー(捕手)
11フィールダー(野手)
12リターンクリース


典型的なクリケット場

クリケットのルールは、国際競技連盟のICCとイギリスで1787年に設立されたメリルボーン・クリケット・クラブ(MCC)が協議して決めている。競技規則となるクリケット法: Laws of Cricket)は、1744年に作成され、1788年以降は幾度かの改正を重ねながら、現在に至るまでまでMCCが管理している[51]。2023年現在の最新版は2017年コード第3版である[51]。ICCは3形式(テストODIT20)の国際大会のルールや規制を定めている[52]

ゲームは、各11人で構成される2チームがコイントスで先攻と後攻を決め、攻撃側と守備側に交互に分かれて対戦する。プレイフィールドの中央にピッチと呼ばれる縦長の場所があり、20.12メートル離れたその両端に高さ約71センチメートルの3本の杭(スタンプ)とそれを上部で繋ぐ梁(ベイル)で構成されるウィケットと呼ばれる柱状のものが刺さっている。

守備側はボールを投げるボウラー(投手)、それを受けるウィケットキーパー(捕手)、その他の9人はフィールダー(野手)としてプレイフィールド各所に配置する。

攻撃側は1番から11番まで打順を決め、1番打者と2番打者がバットを持ちプロテクターをつけて各ウィケットの手前で配置につき、3番打者以降はベンチで成り行きを見守る。片方の打者がアウトになったら、アウトになった打者と交代で順番に従ってフィールドに入り打撃を行う。フィールドに出ている打者2人をバッターといい、ボウラーと対峙する方のバッターをストライカー、ストライカーの反対側でランナーとなるバッターをノンストライカーという。以前は男子バッターをバッツマン、女子バッターをバッツウーマンと呼んでいたが、ICCやMCCはジェンダー平等の観点によって、性別を問わず公式にバッターと呼ぶことに変更した[53][54]

ボウラーは片側のウィケットの後方から助走をつけて、肘を伸ばし、もう片側のウィケット目掛けてワンバウンドさせるようにして投球する。それに対してバッターは、アウトにならないようにバットを用いてそれをブロックしたり、ラン(得点)するためにボールを遠くまで打つ。打つ方向は360度どの方向に打っても良い。

バッターがボウラーの投球を打った後、2人のバッター(ストライカーとノンストライカー)それぞれ相方側のウィケットの方向まで走り、双方がウィケットの前に引いてある安全線(ポッピングクリース)に到達すると1ランが入る。バッターが打球を遠くまで打ったときは1往復、1往復半、2往復などしても良く、それぞれ2ラン、3ラン、4ランなどと得点が入る。また、プレイフィールドの境界(バウンダリー)を超えてボールが飛んでいった場合は、走らなくても規定の得点が入る。ゴロでバウンダリーを越えた場合は4ラン、飛球であれば6ランである。バッターは、走ってもアウトになりそうだと判断した場合は走らなくて良く、またアウトにならない限り投球を見送ってもよい。一人のバッターが1イニングで100ラン以上を獲得することをセンチュリーといい、バッターとして大変な名誉とみなされる。また、50ラン以上はハーフセンチュリーという。ウィケットは高さ71.12cmの3本のスタンプとその上に置かれている長さ10.95cmの2つのベイルで構成される

バッターがアウトになるのは、
ボウルド (Bowled)
ボウラーによって投げられたボールがウィケットに当たる
コート (Caught)
バッターが打った飛球をグラウンドに着く前にキャッチされる
ランアウト (Run out)
バッターの体やバットの一部がポッピングクリースの後側に位置していない時に、相手チームによって正しくウィケットが倒される

などの場合である。詳細は#アウト節を参照のこと。アウトになったバッターは次の打順のバッターと交替する。クリケットでは、アウトにならない限りいつまで打っていてもよく、逆にアウトになったらその試合ではもう打つことはできない。

ボウラーが6球投球することを1オーバーといい、オーバーになるとボウラーは交替し(2オーバー連続して投げることはできない)、反対側のウィケットから次のボウラーが投球する。ODI形式やT20形式では1人のボウラーは総オーバーの5分の1までしか投球できないため、ODI形式では10オーバー(60球)、T20形式では4オーバー(24球)が上限である。1チームにボウラーは最低5人は必要である。

攻撃側が10人アウトになるか、ODI形式なら50オーバー、T20形式なら20オーバーを完了した時点でイニング終了となり、攻守交替する。先攻後攻それぞれ1イニングずつ攻撃し、ランの多い方が勝利チームとなる。両者の力関係にもよるが、クリケット・ワールドカップルールでは1イニング200-300ラン程度入り、試合時間は食事の休憩を含めると7時間以上かかる長丁場である。T20形式は3時間程度で試合が終了し、イニング途中に飲水タイムはあるが、食事の休憩はない[52]
チーム構成

クリケットのチームは11人で構成される。試合中に1人までは交代が認められているが、この交代は怪我などの理由による交代のみで、基本的には最初から最後まで同じ11人でプレーする。交代する場合は、相手の主将の同意が必要である。また交代で入った選手には、ボウリング等に制約があり、他の競技のようにまわりの選手と同様のプレーは行えない。クリケットでは試合中に監督が指示できず、主将(キャプテン)の指示に従う。そのため、キャプテンシーも重要な試合の勝敗を決める要因となる。クリケット法第1条によると、主将は常にプレーがクリケットのフェアプレー精神とルールの範囲内で行われることを保証する責任を負っている[51]

戦術的には、3?4名ほどのボウラー、3名ほどのバッター、3?4名ほどのオールラウンダーに1人のウィケットキーパーでチームを構成する。オールラウンダーはバッターとボウラーの両方で卓越した選手である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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