8世紀頃、キリスト教の聖歌であるグレゴリオ聖歌が誕生し、9世紀頃にはグレゴリオ聖歌がネウマ譜で記譜されるようになった[5]。これが中世西洋音楽の始まりである。11世紀頃にはオルガヌムと呼ばれる多声音楽が生まれ、12世紀後半頃からはサン・マルシャル楽派やノートルダム楽派によってさらに発展した[6]。15世紀にはブルゴーニュ公国でブルゴーニュ楽派、ついでフランドル楽派が成立し、ルネサンス音楽が確立された[7]。16世紀には本格的な器楽音楽の発達[8]、オペラの誕生が起こり[9]、宮廷の音楽が栄えた(バロック音楽)。バロック音楽の代表的な作曲家としては、ヨハン・ゼバスティアン・バッハとゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが挙げられる[10]。これ以前の音楽を初期音楽とよぶことが多い。
その後1720年頃になると民衆にも現在「クラシック音楽」と呼ばれているような芸術音楽が広まり、古典派音楽とよばれる「形式」や「和声」に重点をおいた音楽に発展した。1720年代から1780年代までは前古典派と呼ばれる作曲家群の活動が続き[11]、1780年代から1820年ごろにかけてフランツ・ヨーゼフ・ハイドン、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの3人によるウィーン古典派の活動によって古典派音楽は最盛期を迎えた[12]。またこの頃から一般的に音楽が芸術として見られるようになる。
19世紀に入ると「表現」に重点を置いたロマン派音楽に移行し[13]、まずフランツ・シューベルト、次いでロベルト・シューマン、フェリックス・メンデルスゾーン、フレデリック・ショパンといった作曲家が盛んに作曲を行った[14]。19世紀半ばにはフランツ・リスト、リヒャルト・ワーグナー、ヨハネス・ブラームス、アントン・ブルックナーらが現れ[15]、各国の民謡や民族音楽の要素を取り入れた国民楽派も生まれる[16]。