音楽チャートにクラシック音楽のアイテムがめったに登場しないことからもわかるとおり、クラシックファンの数はポピュラー音楽ファンに比べて圧倒的に少ない。しかし、いくつかの成功例がある。
ラ・フォル・ジュルネ
1995年にフランスのナントで始まったイヴェント。短時間・低価格のコンサートを多数開催し、初心者でも聴きやすくした。この試みは他国にも拡大し、日本でも「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 「熱狂の日」音楽祭」の名で2005年の東京を皮切りに行われている。
アダージョ・カラヤン
1995年発売。ヘルベルト・フォン・カラヤンの演奏の中からゆったりかつ叙情的な作品または楽章を集めたコンピレーションアルバム。全世界500万枚のセールスを上げた[19]。
小澤征爾&ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート2002
小澤征爾指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートのCDが100万枚を超えるヒットとなった[20]。
ベスト・クラシック100
2005年発売。有名曲の聴きどころだけを集めたコンピレーションアルバム。70万枚を超えるセールスを上げた[21]。
「のだめオーケストラ」LIVE!
2006年発売。音楽大学を舞台とした漫画(のちにアニメ及びドラマ化)「のだめカンタービレ」に登場するクラシック曲を収録。オリコン週間チャートで最高6位、2006年年間チャートで74位を記録した。
Classic fm
イギリスのクラシック音楽専門の民間FM放送局[22]。1992年に放送を開始した。現在では、FM放送以外にデジタル衛星テレビ、ケーブルテレビ、デジタルラジオ放送を行うほか、ストリーミング放送やポッドキャスト配信も行っている。よく知られた小品を数多く取り上げる。大作は編集して短くする。交響曲等は一番ポピュラーな楽章だけを選んで放送する。リクエストで人気投票を行い、ヒットチャートのように紹介するなどの、ポピュラー音楽の商業放送では常套手段となっている手法を導入している。
Classic Manager-クラシックマネージャー [23]
著作権保護期間が経過したクラシック音楽を無料鑑賞できるアプリケーションサービス。ジャンル別で自動再生される機能や自分だけのオリジナルアルバムを作成できたり、作成したアルバムを共有して楽しめるなどクラシック音楽愛好家の中で密かに話題となっているサービスである。無料鑑賞可能な音源は7万7801個にもおよび、初心者でも利用できるように自動再生機能に力を入れている。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 作曲家の三宅榛名は「今もクラシックの作曲家はいますか?」という質問に対し、「「クラシックの作曲家」とよばれる作曲家は、正確にいうと今現在は、いません。21世紀のクラシックの作曲家は、ふつう、「現代音楽の作曲家」とよばれています」という見解を示している。(三宅榛名『音楽が好きだ! (4) クラシックってなんだろう?』ポプラ社、1994年 p.31。)
出典^ 直訳は「古典音楽(こてんおんがく)」である
^ クラシック音楽 大辞林 第三版