クライマックスシリーズ
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現称となった2010年以降も、新聞等では旧称と同じく第1ステージと表記されることがある。
ファイナルステージ(旧称:第2ステージ)

「ファイナルステージ」(新聞等では、「最終ステージ」の表記も)ではリーグ優勝球団とファーストステージの勝者が、リーグ優勝球団の本拠地で6試合制で対戦する。リーグ優勝球団にはレギュラーシーズンの成績を反映し、1勝のアドバンテージが与えられる。このアドバンテージによる1勝を含め先に4勝した球団を「クライマックスシリーズ優勝球団」とし、日本選手権シリーズの出場権を得る。敗者になった球団はファイナルステージ敗退となりシーズンが終わる。ファーストステージ同様、引き分けて同じ勝ち数になった場合はリーグ優勝球団がクライマックスシリーズ優勝となる[3]

前述の通り、2020年のパ・リーグは2チームのみの参加であったため、ファイナルステージに相当する試合のみの開催となり(ステージの名称はつかなかった[4])、アドバンテージ1勝を含めて先に3勝した球団がクライマックスシリーズ優勝となった[5]

1位球団の五分以上または負け越しのいずれかが決定した時点で終了し、残りの試合は行わない(実例として2008年セ・リーグ第2ステージの巨人対中日がある。第3試合に引き分けが生じ、第4試合で巨人が3勝目(アドバンテージ1含む)を挙げ、残り2試合に中日が連勝しても3勝3敗1分のタイにしかならないため、巨人のステージ突破が決まった)。

ただし初年度の2007年は、前述のアドバンテージを与えない条件下で5試合制(3戦先勝)で対戦した。プレーオフ制度を先行導入していたパ・リーグ側はアドバンテージ制の導入を提案していたが、セ・リーグ側が興行面を理由に消極的だった為、導入は見送られていた。当初は「当面アドバンテージは採用しない」としていたが、その年のセ・リーグ第2ステージで中日がレギュラーシーズン優勝の巨人に3連勝したことをきっかけに、アドバンテージ「復活」(セ・リーグの場合は「新設」)となったという経緯がある。

前述のようにクライマックスシリーズ優勝球団は日本選手権シリーズの出場権を得ることになるが、パ・リーグはレギュラーシーズンの順位に関わらず毎年優勝が決まると胴上げが行われているのに対し、セ・リーグは過去にレギュラーシーズン2・3位の球団が優勝した場合(2007年・2014年・2017年)ではいずれの年度でも胴上げが行われたことがない。
主催

NPB(日本野球機構)の主催となる日本シリーズと異なり、主催はレギュラーシーズン同様にホームチームである。そのため、テレビ中継も基本的にレギュラーシーズンの中継を行っている放送局(BS・CS放送など、球団制作映像を全試合放送する放送局)が実施する。他に、BSなどでの無料放送が実施される場合がある(特にパ・リーグはNHK BS1での放送が多い)。また地域によっては地上波での中継も実施される。放映権も参照。

チケットについても同様にホームチームが発売する。試合が中止になった時のチケットの取り扱いについては、レギュラーシーズン同様「開催日に対して有効」とする場合と、日本シリーズ同様「第○戦に対して有効」とする場合の両方がある。雨天等により中止となった場合、前者の場合は払い戻しとなり、後者の場合は有効日繰り下げとなる。同日に中止が発生した2019年のファイナルステージでは、リーグによって扱いが異なったため注意喚起が行われた[6]。またリーグ内で必ずしも統一されているわけではないことにも注意が必要である(例えば、2022年に1stを主催するDeNAが「第〇戦有効」としていたのに対し、同年のFinalを主催するヤクルトは「開催日有効」としていた)。

チケットの価格は(球団によって違いはあるが)レギュラーシーズンより高めになるケースがほとんどだが、西武のみ安価に設定されることが多い。

試合開始前の中止決定権は主催球団には無い(後述)。
中止・ノーゲーム及び振替試合

開催日程には予備日が設けられ、悪天候等で中止・ノーゲームとなった場合は原則として翌日以降に順延される。ただし、予備日を含めた日程で全試合を開催できなかった場合には、予備日以降の順延は行わずに開催打ち切りとなり、その時点の勝敗でステージ勝者を決定する。勝利数が同数の場合は、レギュラーシーズン上位チームがステージ勝者となる。中止の有無がステージの勝敗に関わるため、レギュラーシーズン終盤同様[注 2]試合開始前までは各リーグの責任者が中止決定権を持つ。試合開始後はどの試合とも同じく審判団が判断する。

パ・リーグでは2試合以上の試合が中止・順延となり、予備日最終日の1日前までに決着がつかない場合はダブルヘッダーを行う場合がある(ただし勝敗によっては1試合目のみで終わる)。2013年のファイナルステージ[7]では、中止試合が発生した[8]ことで初めて開催の可能性が生じたものの中止はその1試合のみだったため予備日前にステージ勝利チームが決定した[注 3]

一方、セ・リーグではダブルヘッダーは実施していない[9]台風の接近が予測された2014年のファーストステージにおいても、パ・リーグでは実施の可能性があったものの[10]セ・リーグでは実施予定がなかった。このため仮に2位チームが第1戦に勝利しその後2日間中止になった場合には、予備日の試合を行うことなくステージ勝利が決定する可能性もあった[11](結果的には台風接近前に開催した2試合でステージ勝利チームが決まったため、試合を消化せずに打ち切りとなる事態は回避された)。2017年にも天候不良でセ・リーグファーストステージの開催が危ぶまれ、2位チームが第1戦に勝利した後の第2戦はグラウンドが水浸しの中で強行。「泥試合」と称された試合は物議を醸した[12]。2017年の事例を受けて2018年の日程のあり方が検討されたが「上位の優位性を保つ」などの理由で変更せずに実施することとなった[13][14]
選手登録

出場できる選手は当該シーズンの8月31日時点で出場球団に支配下選手登録され、且つCS開催時点においても引き続き出場球団に支配下登録されていることが条件となる。レギュラーシーズン同様、29人以内[注 4]出場選手登録された選手の中から25人以内[注 5]のベンチ入り選手が出場でき、登録抹消となった選手は10日間再登録できない。なお、この規定はレギュラーシーズンから継続して適用される。期間前に改めて白紙から登録されるわけではなく、レギュラーシーズン終了からCS開幕までの間に出場選手登録を抹消された場合、CSが開幕しても抹消日から10日経過しないと再登録できない。2017年より導入された引退試合特例制度を用いて出場選手登録し、抹消された選手は本シリーズには出場できない。
全選手の出場登録抹消

2011年より、レギュラーシーズンの全日程終了後、CSの初試合まで10日以上空く場合は、自動的に全選手が出場選手登録を抹消される。ただし、再登録時の全選手にその間のFA権関係での登録日数と追加参稼報酬(1軍最低年俸の1,500万円に満たない場合に、登録日数に応じて1,500万円を上限に加算する額)が認められる。これは2010年のレギュラーシーズン全日程終了後に中日ドラゴンズが全選手の出場選手登録を抹消したことを受けて2011年にルールとして明文化したもので、この中日の事例についても遡って適用される[15]

全選手の出場選手登録が抹消された例年度球団リーグ順位終了日抹消日参加ステージCS初戦
2010年中日セ110月2日10月3日ファイナル10月20日
2011年日本ハムパ210月18日10月19日ファースト10月29日
西武パ3
中日セ110月20日10月21日ファイナル11月2日
ソフトバンクパ110月22日10月23日ファイナル11月3日
2014年ソフトバンクパ110月2日10月3日ファイナル10月15日
2016年日本ハムパ19月30日10月1日ファイナル10月12日
広島セ110月1日10月2日ファイナル10月12日
2017年広島セ110月1日10月2日ファイナル10月18日
2018年西武パ110月6日10月7日ファイナル10月17日
2019年西武パ19月26日9月27日ファイナル10月9日
巨人セ19月28日9月29日ファイナル10月9日
2021年巨人セ310月24日10月25日ファースト11月6日
阪神セ210月26日10月27日ファースト11月6日
オリックスパ110月25日10月26日ファイナル11月10日
2023年広島セ210月1日10月2日ファースト10月14日
阪神セ110月4日10月5日ファイナル10月18日


2021年のオリックスは全日程終了時点でも順位が確定していなかったが、2位でファーストステージ(11月6日)からの場合でも10日以上空くため規定が適用された。

予告先発

予告先発は、2007年から2017年まではパ・リーグでのみ実施され、セ・リーグは実施されていなかった。2018年より両リーグとも予告先発が実施された。

ただしパ・リーグでは第2戦以降の予告先発の発表はレギュラーシーズンとは異なり当日の試合終了後となる(翌日にも試合が行われる場合のみ)。このため、翌日の先発候補投手を複数名準備させておき当日の勝敗に応じて翌日の先発を決めるといった戦略も可能となる。

一方のセ・リーグでは第2戦以降の予告先発の発表は、レギュラーシーズンと同様に当日の試合開始までに既に行っている。これは当日の試合結果次第で打ち切りとなり、行われない可能性のある試合であっても発表される(実際に、2023年のセ・リーグファーストステージでは第2戦終了で打ち切りとなったものの、試合開始前の時点で既に第3戦の予告先発が発表されていた[16])。
延長・引き分け

延長戦のイニング制限はセ・パともにレギュラーシーズンと同じ12回と定められており、12回を終えても同点の場合は引き分け試合となるが、引き分けが生じても再試合は行わない。引き分けを含め、ステージ勝者が確定した場合には残りの試合を開催しない。

また、セ・リーグでは2013年より、パ・リーグでは2015年より、勝つか引き分けで上位チームのステージ勝利が確定する試合[注 6]では、12回表終了または12回裏途中[注 7]で同点となった時点で試合を打ち切り、コールドゲームとする事に改正された[17][18]


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