日本では伝統的にコガネグモなどを戦わせる遊びが子供たちの間にあり、「蜘蛛合戦」と呼んだ。多くの地域で廃れてしまったが、現在でも町を挙げて取り組んでいるところもある。詳細は「加治木くも合戦」を参照
最近ではオオツチグモ科のクモ(通称タランチュラ)が飼育用として販売されるなど、ペットとしての地位を獲得している。その他のクモもペットとして輸入されており、珍しい種類もみられる。
食用としてのクモカンボジアのクモのフライ
日本では一般的でないが、クモを食用する国はあり、中国ではジグモの巣が漢方薬とされる[11]。インドシナ半島、ミャンマーから中国南部では食用にしているといわれる。カンボジアでは、現在でもクモを油で揚げたクモのフライが食されることもある[12]。クモの種はいわゆるタランチュラであった。味についてはエビに近いとか卵黄のようだとか馬鈴薯の味だとか沢蟹のようだといわれ、今ひとつ判然としない。他にオオジョロウグモもこの地域では食されるという[要出典]。
南米では大型のゴライアストリクイグモが好んで食用にされ、食後にはその鋭い牙を爪楊枝代わりに使うという。また、オーストラリアやアフリカでも大型のクモを食べる習慣があるという[13]。
日本においては1980年代のサバイバル/探検ブームの時期に、クモを生で食するとチョコレートの味がして手軽な非常食になるという情報が広まったが、「昆虫料理を楽しむ」によればそのような味はしないとのことである。なお、野生のクモを生食することは寄生虫・細菌・ウィルスなどの病原体への感染リスクがあり[14]、推奨される行為ではない。 クモは、身近な生物であり形態や習性が特徴的である。一例として、益虫であるにもかかわらず、外観から誤解されたり嫌われたりすることが多い。肉食性であるにもかかわらず、天敵も多く臆病で草食的な性格である点等があげられる。このため古来世界各国において、人間に対し吉凶善悪両面にわたり様々な印象を与えており、擬人化されることも数多い。 蜘蛛を関連したサブカルチャー作品には、不気味な外見や肉食性、一部の種が持つ毒から恐怖の対象として登場する作品と、農業害虫を食べることから「悪を討つ」善玉として描かれる物の、両方が存在する。
文化的側面
呼称表現
雌雄別々の漢字が割り当てられているのは、クモが日常的になじみのある生物である上、上記の通り雌雄の区別が比較的たやすいことによる。日本においてもこの熟語が伝来して古来日常的に定着して使用されているが、現代においては音読みで「チジュ」と読むことはほとんどなく、大和言葉に置き換えて「くも」と訓読みすることがほとんどである。
伝承・民俗
クモは糸を紡ぐ事から、機織を連想させるエピソードが見られる。
日本には、古来クモを見ることによって縁起をかつぐ風習が存在する。代表的なのは、いわゆる「朝蜘蛛」「夜蜘蛛」という概念であり、「朝にクモを見ると縁起が良く、夜にクモを見ると縁起が悪い」とするものである。ただ地方によって様々な違いがあり、例えば九州地方の一部ではクモを「コブ」と呼称するため、夜のクモは「夜コブ(「よろこぶ」を連想させる)」であり、縁起が良いものとされる。
絡新婦(女郎蜘蛛、ジョロウグモ)は、その外観から、細身で華やかな花魁を連想して命名されたものである。
ギリシャ神話におけるアラクネの物語。
古代日本で、大和朝廷に抵抗した異族として『日本書紀』などに記された土蜘蛛。
タランチュラ:ヨーロッパの伝説上の毒蜘蛛で、噛まれると踊り狂うといい、その際の音楽がタランテラとなった。
現代におけるサブカルチャー
洋の東西を問わず、怪奇・ホラー作品によく登場する。小説ではH.H.エーヴェルスや遠藤周作の『蜘蛛』、漫画では楳図かずお『紅ぐも』等である。