昆虫や多足類などの陸生節足動物と同じく、クモガタ類も一般に「虫」と扱われる動物であるが、昆虫とは別系統である。
形態
クモの体
(1) 脚、(2) 前体、(3) 後体
サソリの体
緑:前体、黄とピンク(1-7、M1-M5):後体、T:尾節
ナミケダニ(ダニ類)、体節の区別は外見上から見られない
体は数多くの体節からなり、順に前体と後体という2つの合体節にまとめられる。前体と後体の間はくびれるものとくびれないものがある[9]。くびれるものでは後体第1節由来の腹柄によって両者は繋がり[注釈 3]、くびれないものでも両者の区画は明確なものが多い[注釈 4]が、ダニではほとんどが極めて強く密着し、境目が判別しにくい[9]。
前体サソリモドキの背甲(紫色ハイライト)
前体(prosoma)は先節と直後6節の体節(第1-6体節)を含む合体節である[9]。機能的に頭胸部(cephalothorax)とも呼ばれるが、由来としては頭胸部(頭部と胸部の集合)ではなく、他の節足動物の頭部そのものに該当する頭部融合節である(鋏角類#他の節足動物の頭胸部との違いも参照)[10][11][12][9]。
通常、前体全ての体節は著しく癒合し、背面の外骨格(背板 tergite)は単一の背甲(carapace, prosomal dorsal shield, peltidium)である。ただし、第5-6体節が分節した群もいくつかある[注釈 5][9]。腹面の外骨格、いわゆる腹板(sternite, sternum, 胸板とも)は種類により分節があったりなかったり[注釈 6]するが、腹面がほぼ触肢と脚の基節に占められ、腹板が観察しにくいほど退化した群もある[注釈 7][9]。背甲に備わる眼は通常では中眼と側眼由来の数対の単眼であり、その有無と配置は分類群によって異なる(後述)。
クモの前体(1)、鋏角(C)、触肢(B)と脚(A)
分節した前体と巨大な鋏角をもつヒヨケムシ
サソリのはさみ型の触肢
鎌型の触肢と感覚用の第1脚をもつウデムシ
鋏角、触肢と脚クモの触肢と歩脚の肢節構成(前?節を除く)サソリの歩脚腿節(左)、膝節(右上)と脛節(右下)。