のぼりべつクマ牧場によると、野生のヒグマは12月から翌年4月頃まで冬眠するとしている[48]。
東京農業大学の山崎晃司教授によると、ツキノワグマは11月‐翌年4月頃まで冬眠するとしている[44]。
覚醒は、オス、単独メス、子連れメスの順に冬眠から目覚める[40]。
ただ、すべてのクマが冬眠するわけではなく、一時中断する場合もある[44]。冬眠できない理由として、冬眠をこなせる栄養状態でなく冬でも餌を探すため[49]、暖冬で気温が高い[50]、動物園のように冬でも餌が得られる[51]などが上げられる。 成獣の雌は7-8か月の妊娠期間を経て、約1-4子(平均で約2子)を出産する。冬ごもりを行う種は冬ごもり中に幼獣を産む[5][6]。春から夏の間を繁殖シーズンとするが、すぐ妊娠するわけではなく出産時期などをコントロールするため受精卵を発生休止
繁殖と子殺し
1歳半から2歳半になる夏ごろまで、母親から食べ物などの生き方の教育を受けてから親離れする。メス熊は母親から近い場所にいるが、オス熊は母親から遠く離れる傾向があり、その時期に人里にくる場合がある[26]。
一部の種では、オスがメスの発情を促すために子殺し(英語版)を行う[54][55][56]。一部の子熊連れの母熊は、オス熊を避けるために人間の生息域近くに移動する場合がある[57][58]。
非常に稀にではあるが、人間の子供をさらって野生児として育てるという報告がある[59][60](Barenmadchen von Krupina(ドイツ語版))。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
人間との関係
出典検索?: "クマ"
アメリカ合衆国アラスカ州デナリ国立公園にある立ち入り禁止・クマ出没注意の看板
クマによる被害と回避「熊害」および「熊狩り(英語版)」も参照
クマによる農作物被害、山林被害、畜産被害、人身被害などが深刻な問題となっている[61]。
1980年代後半に、モンタナ大学の学生が修士論文の研究でクマよけスプレー(英語版)を開発した[62][63]。2008年の研究では、クマよけスプレー所持者がクマに遭遇して、無傷であった割合は98%であった[63]。
ナショナルジオグラフィックでは、クマに襲われない方法として「興味を持たれる匂いを発さない。クマよけスプレーを携帯する。危険なエリアは他の人や犬などの集団で行動する。走って逃げ切ることは不可能なため、ゆっくりと警戒しながら離れるか、うつ伏せとなり重要な臓器を守り、首の後ろで手を組み、膝を折り曲げるのが被害を抑える。」としている[64]。
日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長は、「ばったり出くわしたら、地面に伏せて首をガードし、1撃目を食らわないのが大事」「死んだふりは効果がある」と述べている[65]。
また、鎌や鉈などの目立つものを振り回したり、大きな音がなるものを鳴らしたり、大声で助けを求めるのも良いとする研究者も複数いる[66][65]。 動物園やサーカス、保護施設などで飼育される。また、各国で個人の飼育例があるが、国によっては飼育が禁止されている(例:中華人民共和国野生動物保護法
農作物被害
コメ、トウモロコシ類、ムギ、スイカ、ニンジン、モモ、リンゴ、ナシなどの農作物が被害にあうことがある[61]。長野県では、トウモロコシはツキノワグマを引き寄せるとしており、対策として電気柵が効果的であるとしている[67]。
農業以外での被害
林業では、人工林などへのクマハギ、クマとの遭遇。狩猟では、くくり罠にかかった獲物の横取りと、獲物を土饅頭にしてクマが周囲を警戒するため狩猟者が近寄れなくなり良好な罠の設置場所の制限を受ける[68]。
人身被害
クマ鈴。裏磐梯ビジターセンターにて。生息地で出遭わないようにするには、鈴を鳴らす、時々手を叩く、時々掛け声をあげる、ラジカセなどで大きな音を出すなどしながら存在を早期にクマに知らせることである[69]。2016年度(平成28年度)の日本におけるヒグマ/ツキノワグマによる被害者数は105人に上り、内4人が命を落としている。環境省は、クマ被害の増加を踏まえ、「クマ類の出没に係る適切な対応について(依頼)」[70][71]を発出し、「立入り制限や捕獲対策等の迅速な対応」「ヒトとクマのあつれき解消に向けた取組」などの対策を示しているものの、具体的解決策は見いだせていない。一方統計的な観点から見ると、熊による日本の年間死者は平成29年で1名、令和元年で1名。平成20年以降最も多い年が上記の4名である[72]。クマに襲われて岩手医科大学に運ばれた50例では90%が顔面に被害を受けていた。そのすべての例で予防的抗菌薬が投与され、創部感染発生率は20%であった[73]。
捕獲・捕殺・放獣・追い払い
1991年から広島県で、防除スプレーなどによる忌避条件付けを行ってから野に返す学習放獣(移動放獣)が行われている(1990-93年の広島での追跡調査で、23個体のうち11頭が捕獲地点へ回帰で回帰率48%、2頭が果樹へ被害を出した。1998-2000年の岩手県の調査では、12個体のツキノワグマのうち5個体が回帰し、12km以上離れた地点で放獣すると回帰率が低下した。2004‐2006 年に兵庫県で行われた追跡調査では、42個体のうち回帰率が20%であった。)[74]。追い払いは花火・爆竹、ゴム弾などが使用される[74]。また、追い払う訓練を行ったカレリアン・ベア・ドッグなどのクマ対策犬(ベアドッグ)を運用する場合もある[75][76]。住居集合地域等における麻酔銃猟は、クマ類のような大型の獣類に対しては、効果が表れるまで時間がかかり、撃たれたことで興奮して反撃や暴れて周囲に被害者などを出す恐れがあることから原則許可されない[77]。17世紀のドイツでは、狩猟でクマを減らすのが難しかったことから罠となる小屋Barenfang(ドイツ語版)が設置された。
飼育例
日本においては、動物の愛護及び管理に関する法律が令和2年(2020年)6月1日に改正されたおりに、特定動物として愛玩目的等での飼育・許可のない飼育は禁止された(第二十五条の二(特定動物の飼養及び保管の禁止))[81][82]。
動物園では、傷病個体や授乳期の哺乳類などを受け入れる場合があるが、収容スペースがあることが重要である(受け入れすぎると余剰動物となり飼育できず処分することとなる)。また、人間に慣れてしまい自然に帰すこともできなくなるため、一生を保護施設や動物園で面倒をみることとなる[83]。
クマ関連の施設・エリア・組織「クマ保護区一覧(英語版)」も参照
クマ牧場 - 熊の動物園
サホロリゾート ベア・マウンテン - 熊のサファリパーク
ホッキョクグマ刑務所(英語版) - ホッキョクグマの一時収容施設。野に返される前の調査では、体重測定、口元に入れ墨を入れ、歯を1本抜かれ、耳にタグが付けられる[84]。
熊農場 ‐ 中国などのアジアで行われる薬用の胆汁(熊胆)を採取するための畜産場。