1984年には第254飛行隊が解体され、クフィルC1はイスラエル空軍からは退役となり、アメリカ海軍・海兵隊にリースされF-21 ライオンとして運用された[5]。またC2を運用していた第113飛行隊も解隊された[2]。1986年には第109飛行隊が解隊され[3]、1987年には第101飛行隊が運用機種をF-16D Block30に更新した[1]。この時点でクフィルの運用を続けていた部隊は第144飛行隊と第149飛行隊の2個飛行隊であった。1991年には第149飛行隊が解散し、最後に残っていた第144飛行隊は1994年頃に運用機種をF-16A/Bに更新した[4]。
前述のように、クフィル1(クフィルC1)は4個飛行隊、クフィルC2は5個飛行隊で運用されたことになるが、これらの飛行隊のうち、クフィルC7への更新が確認されているのは最後まで運用を続けた第144飛行隊のみである。
退役した機体は未だ多数が保管状態にあるとされ、一部はレストアと改修を受け海外保有国に輸出されている。 輸出も行われたが、アメリカによるJ79の再輸出許可が大幅に遅れたため少数の国にしか輸出されなかった。その中でアメリカ海軍・海兵隊はF-16Nが導入されるまでの間、F-21 ライオンの名称でクフィルをリースし、仮想敵機として運用した。アメリカ軍が外国製戦闘機を採用したのは第一次世界大戦時以来のことであり、その性能はMiG-21をよくシミュレートできると好評だったという。 2014年4月3日にIAIのジョセフ・ワイスCEOが明らかにしたところによると、IAIはクフィルの再生産を開始しており、販売のための活動も行っているという。受注についての詳しい発表はないが、アルゼンチンからの受注があったことは認めている。
輸出
実戦(スペイン語版
スリランカ内戦では、スリランカ空軍機がウクライナから輸入したMiG-27と共にタミル・イーラム解放の虎に対する対地攻撃に従事した。
形式・派生型
クフィルC1
初期型。当初はカナード翼を装備していなかったためクフィル1と呼ばれた。
F-21A
アメリカ海軍・海兵隊が仮想敵機としてリースしたクフィルC1に用いた名称。愛称はライオン(Lion)。
クフィルC2
主生産型。
クフィルTC2
クフィルC2の複座練習機型。機首が延長され、前方視界を確保するため垂れ下がった形状になっている。
クフィルRC2
クフィルC2の偵察機型。機首が延長され偵察用カメラ機材を搭載している。
クフィルC7
クフィルC2の改良型。エンジンに数分間だけ出力を5%増加させられる「コンバット・プラス」改修を施し、コックピットにはHOTAS概念を導入。電子機器も更新され、ハードポイントは2箇所増設された。イスラエル空軍機は最終的にC7仕様機に統一された他、コロンビアのクフィルC2もC7仕様に改修された。また、スリランカも追加発注により数機を配備している。
クフィルTC7
クフィルC7の複座型。
クフィルC10
アップグレード型。クフィル2000とも呼ばれ、南アフリカ共和国のチーターCによく似た形状をしている。レーダーをEL/M-2032へ換装し、アクティブ・レーダー・ホーミング誘導式ミサイルの運用が可能になった他、コックピットもグラスコックピット化された。エクアドルのクフィルC2が1999年よりクフィルCEの名称でC10仕様に改修されている。コロンビアのクフィルC2も同仕様に改修されたが、一部はレーダーを換装せず対地攻撃に最適化されたクフィルC12仕様になっている。
クフィルTC10
クフィルC10の複座型。
初期型のクフィル1
クフィルTC2 (複座練習機型)
クフィルRC2 (偵察機型)
アメリカ海軍のF-21A (クフィルC1)
コロンビア空軍のクフィルC10
コロンビア空軍のクフィルTC10
仕様 (クフィルC2)三面図
出典: en:IAI Kfir
諸元
乗員: 1
全長: 15.65m (51ft 4.25in)
全高: 4.55m (14ft 11.5in)
翼幅: 8.21m(26ft 11.5in)
翼面積: 34.80m2 (374.60ft2)
空虚重量: 7,285kg (16,060lb)
運用時重量: 10,415kg (22,961lb)
有効搭載量: 6,065kg (13,343lb)
最大離陸重量: 14,670kg (32,340lb)
動力: J79-J1E ターボジェット(アフターバーナー有)
ドライ推力: 52.89kN (11,890lbf) × 1
アフターバーナー使用時推力: 83.40kN (18,750lbf) × 1
性能
最大速度: 2,440km/h (1,317kt)
戦闘行動半径: 770km (416nm)