1945年8月の第二次世界大戦の終結に伴い、軍役から戻ったクイーン・エリザベスは、ジョン・ブラウン(John Brown)造船所で内外装を大幅に改修され、ようやく旅客船として北大西洋航路に投入された。「クイーン・エリザベス」は「クイーン・メリー」とともに、サウサンプトンからシェルブールを経由しニューヨークまでの路線を、20年以上にわたって運航された。
しかし1950年代に入ると、ダグラス DC-6やロッキード コンステレーションなどの大型旅客機が大西洋横断路線に就航した。さらに1958年には、大型ジェット旅客機のボーイング707が就航し、ロンドン - ニューヨーク間を6時間程度で結ぶとともに、運賃も低下した。1960年代に入ると、「クイーン・エリザベス」をはじめとする北大西洋航路定期船の乗客は急激に減り、採算性は低下した。ビクトリアハーバーに放置されたクイーン・エリザベス
2隻の“クイーン”を維持するための燃料費・人件費は、キュナード社にとって重荷になった。キュナードは両方の船を1969年に退役させ、初代より小型で経済的な「クイーン・エリザベス2」(QE2)を使用した。
最期の経営する東方海外貨櫃航運公司に転売された。香港の造船所で洋上大学への改造が行われていたが、1972年1月9日に原因不明の火災を起こし、消火活動の影響により転覆した。当時、円谷エンタープライズが寄航誘致を行い、日本でのクルーズが計画されてポスター等も完成していたが、上記事情により中止された[2]。その残骸は2年あまりビクトリア・ハーバーに放置されていたが、『007/黄金銃を持つ男』のロケが行われた後、1974年から1975年にかけて解体された。
なお2010年には、クイーン・エリザベス2の後継となる3代目「クイーン・エリザベス」が就航した。
脚注
注釈^ 1952年、長女・エリザベスの即位により王太后になった。
出典^ a b ⇒http://www.ayrshirescotland.com/ships/ships/042queenelizabeth.html
^ 円谷皐『怪獣:ウルトラマンが育てた円谷商法』世紀社出版〈世紀社101シリーズ〉、1972年。 [要ページ番号]
外部リンク
⇒RMS Queen Elizabeth story and picture
⇒Maritimematters.com: The ELIZABETH in Florida
記録
先代
クイーン・メリー世界最大の客船
1940?1968年次代
フランス
表
話
1900年以前
ブリタニア(1840)
アビッシニア(1870)
セルビア(1881)
エトルリア(1884)
アンブリア(1884)
カンパニア(1892)
ルカニア(1893)
イヴァーニア(初代)(1899)
1901 - 1910年
カルパチア(1903)
カルマニア(1905)
カロニア(初代)(1905)