ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
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2020年1月31日までにオレゴン州ポートランドのシャドーマシーンのオフィスで撮影が開始された[14][26]。撮影は2022年夏まで行われ、一部のシーンはメキシコ人の人材育成のため、デル・トロがグアダラハラに所有するセントロ・インターナショナル・アニメーション(CIA)で2019年から製作された。撮影セットや小道具、キャラクターの衣装はデル・トロの実写作品で見られるように歴史的・現実的にデザインされており、建物を曲線で描くほか、伸ばしたり傾斜させる表現などの様式化をせず、ストップモーションと実写を織り交ぜた表現スタイルで映画のテーマを支える方針が採用された。また、アニメーターには人形にくしゃみ、恥じらいや恐怖で目を泳がせるなどの「ミステイク」を起こして通常のアニメ作品では表現されないキャラクターが思考する姿を描くことで、キャストが自然な演技をできるように指示した[14]。ヴォルペ伯爵のカーニバルを表現するために、エンダーレとデイヴィスは『ナイトメア・アリー』を撮影する際に集めた資料を参考にしている。『ナイトメア・アリー』は1930年代のカーニバルが登場し、デイヴィスもコンセプトアーティストとして参加していた。同作はアメリカ中西部を舞台としており、ヨーロッパを舞台とする『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』のカーニバルとは重なる部分があり、双方のカーニバルは荒廃した姿で描かれている。また、『ナイトメア・アリー』でブラッドリー・クーパー演じるスタントン・カーライルがカーニバルに到着するシーンは、ヴォルペ伯爵のカーニバルの描写に影響を与えている[31]。死後の世界とエンディングシーンのアニメーションは、グアダラハラのスタジオ・エル・ターラー・デ・チュチョが手掛けた[32]
視覚効果

視覚効果はムービング・ピクチャー・カンパニーが担当している。デル・トロはヴァニティ・フェアから取材を受けた際に「私はこれまでの人生において、一貫してディズニーへの憧れと最大級の愛情を公言してきましたが、それによってディズニー版から遠ざかろうとする衝動に駆られるのです。ディズニー版『ピノキオ』はディズニー・アニメーションの頂点の作品だと思っています。最も美しい手描きの2Dアニメーションなのです」と語っており、ディズニーアニメ版とは異なる解釈で『ピノッキオの冒険』を映像化するために舞台セットやキャラクターの質感など、細部まで華美な作りに仕上げている[16]
音楽詳細は「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ (サウンドトラック)(英語版)」を参照

2012年8月23日にニック・ケイヴが映画音楽の作曲を手掛けることが発表されたが[33]、2020年にアレクサンドル・デスプラが後任として作曲を手掛けることが発表され、同年1月8日から映画音楽と楽曲の作曲・作詞作業が開始された[2]。デスプラがデル・トロ監督作品に参加するのは『シェイプ・オブ・ウォーター』以来2作目となる[2]
公開メキシコ国立映画センターで開催された「メキシコの木でできたピノッキオ展」

2018年11月、Netflixは『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』を2021年に公開する方針を発表した[34]。しかし、2021年1月にNetflixのCEOテッド・サランドス(英語版)は「アニメ映画の公開を年間6作品とする」という方針に基づき、同作の公開が2022年に延期となる可能性について言及した[35]。同年12月にデル・トロは公開時期が2022年の最終四半期になると明かしている[36]。2022年1月にはプロローグが公開され、公開時期が同年12月であることが発表された[37]

2022年10月15日に開催されたロンドン映画祭でプレミア上映が行われ[38][39]、11月5日にはAFIフェストでもプレミア上映が行われた[40]。同月9日から一部の映画館で上映された後、12月9日からNetflixでストリーミング配信が始まった[41][42]。2022年12月4日から2023年1月4日にかけて、ニューヨーク近代美術館のデブラ&レオン・ブラック・ファミリー・フィルムセンターでも上映された[43]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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