ギリシア語(ギリシアご)(希: Ελληνικ?[elini?ka]、または 希: Ελληνικ? γλ?σσα[elini?ki ??losa] ( 音声ファイル))は、インド・ヨーロッパ語族ヘレニック語派(ギリシア語派)に属する言語。単独でヘレニック語派(ギリシア語派)を形成する。ギリシャ共和国やキプロス共和国、イスタンブールのギリシャ人(ギリシャじん)居住区などで使用されており、話者は約1200万人[1][2]。また、ラテン語とともに学名や各分野の専門用語にも使用されている。漢字に転写し希臘語、さらにそれを省略し希語などと記される[注釈 1]。東地中海(ひがしちちゅうかい)諸地域における共通言語の一つとして3000年以上もの間、日常言語、あるいは文学作品や公式記録、外交文書の言語として重要な役割を果たしている。 ギリシア語は、インド・ヨーロッパ語族の中で最も古くから記録されている言語であり、その歴史は3400年にわたる[3]。ギリシア文字で記されるようになったのは、ギリシアでは紀元前9世紀、キプロスでは紀元前4世紀以後のことである。それ以前では、紀元前2千年紀半ばには線文字Bが、紀元前1千年紀前半にはキプロス文字が、それぞれ使われていた。 ギリシア語は今日においても、人類史上最も強い影響力を持った文明の言語、あるいは3千年間継承されてきた史上最も偉大な文学を生んだ言語のひとつとみなされ、広く尊敬の念を集めている。その語彙は学術用語として英語をはじめとする欧米諸言語に多数借用されており、英語の語彙のうちの12%がギリシア語由来であると推定される[2]。ギリシア語はまた、『新約聖書』原典を記すのに用いられた言語でもある。ヘレニズム時代には東地中海世界の通商語として広まり、中世には東ローマ帝国領の大半にあたる広大な地域(中東・北アフリカ・東南ヨーロッパ・アナトリア半島)に波及した。 ギリシア語の語彙はヨーロッパの諸言語に広く借用されている。特に英語においては、数学(mathematics)・天文学(astronomy)・民主主義(democracy)・哲学(philosophy)・修辞学(rhetoric)・俳優(thespian)・陸上競技(athletics)・劇場(theater)などのほか、ギリシア語の単語やその要素は新たな造語の元にもなっている。
概要
使用地域
公用語として使用している国
ギリシャ
キプロス(トルコ語と併用)
その他に使用されている地域
イスタンブールのギリシア人居住区
アルバニア南部
南イタリア(マグナ・グラエキア)の一部の特定の村落
北マケドニア南部
ブルガリア中央・南部
欧米諸言語への影響