ギブソン・レスポール
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そして、その組み合わせはそれ以後のブルース・ロックハードロックサウンドに不可欠なものとなった[注釈 4]。この時期、ピーター・グリーンマイク・ブルームフィールドミック・テイラーなどが、相次いでレスポールを使い始めた。

ロック・ギタリスト達による再評価を受けて、レスポールの需要が再び高まると、ギブソンはポールと再契約の上、1968年にスタンダード(ゴールドトップ塗装、P-90ピックアップ搭載モデル)、カスタムの両モデルを再発した。[注釈 5]しかし1969年以降、「デラックス」や「プロフェッショナル」「レコーディング」などの新しいシリーズを発売したものの、SGモデルが定着した以外は商業的には不成功に終わっている。
ECLとノーリン時代.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}1969 Standard (refinished)1974 Custom SunburstNorlin時代のクロスバンディング、マルチピースボディの端に見られるパンケーキのようなレイヤー「:en:Chicago Musical Instruments」も参照

1969年、ギブソンの親会社(シカゴ楽器)がコングロマリットECLに買収された。ギブソンは、1974年にNorlin Musical Instrumentsの子会社になるまで、CMI(Chicago Musical Instruments)の管理下にあり、これらの所有権の変更は、「Norlin Era」と呼ばれることが多く、当時のギブソン製品の品質が低下、レスポールも仕様が変更され、ネックの破損を減らすためにヘッドの付け根裏側にボリュートの膨らみが追加された。ネックの材はワンピースのマホガニーからスリーピースのメイプルに変更され、ボディも、メイプルトップを貼ったワンピースマホガニーから、複数のメイプルトップ+マホガニーの複数のスラブに変更された。これは「マルチピース」構造と呼ばれ、「パンケーキ」ボディと呼ばれることもある。「パンケーキボディ」という表現は、実際には、マホガニーの2つのスラブの間にメイプルの薄い層を挟み、メイプルトップで作ったボディを指す。メイプルの粒はマホガニーの粒に対して90度に配置され、「パンケーキ」ギターの端を見ると、層のようなものがはっきりと見える。この製法は「クロスバンディング」とも呼ばれ、安価で容易に入手できる薄いマホガニーを消費するために行われ、1977年までこの仕様で生産された。

この時代に、ギブソンはレスポールレコーディングなどの新しいモデルの試みを始め、たがその複雑な電子回路のため、一般のギタリストには不評だった。他の目立たない変更には、オプションのメイプル指板(1976年)、ピックアップキャビティのシールド、およびABR1 Tune-o-maticブリッジより大きいナッシュビルブリッジへの変更等があったが、1970年代、レスポールの大系は、S-1、ソネックス、L6-S、およびクラシックなレスポールの派生ではない他のギブソンモデルに組み込まれた。
ジミー・ペイジ登場によるレスポール人気レッド・ツェッペリンでレスポールスタンダードを弾くジミー・ペイジ

1970年代に入るとレッド・ツェッペリンジミー・ペイジがメイン機材をテレキャスターからレスポールに持ち替え、レスポールの人気をさらに高めた。長いストラップで腰よりも低い位置で、58年製のバーストを弾く姿は、当時のギターキッズたちに「レスポールは低い位置で弾くもの」という流行を生んだ。[注釈 6]他にもポール・コゾフやピーター・グリーン、ミック・ロンソンエース・フレーリー 、ミック・テイラー、ディッキー・ベッツなどの名立たるギタリスト達がレスポールを愛用した。
次世代ギタリスト登場による人気再燃レスポール人気復活の立役者となったスラッシュ

1970年代後半のフュージョン・ブーム、さらに1980年代LAメタルシーンなどではトレモロ・ユニットを搭載したストラトキャスター・タイプのギターが席巻し、レスポールはほとんどみられなかったが[注釈 7]、1980年代後半に入って、ガンズ・アンド・ローゼズスラッシュオジー・オズボーン・バンドのザック・ワイルドなどがレスポールをメインギターで使用しだし、その太く艶やかな音色とワイルドなプレイによって、レスポール人気は再熱する。

1986年1月、ギブソンは再び所有権を変更し、さまざまなレスポールモデルの製造を開始した。
ギブソン・カスタムショップの設置

1970年代にはオリジナルのバーストとはかなり異なる仕様で生産されていた、レスポールであるが、1980年にはオリジナルに相当程度近づけた「80」や「エリート80」などの高級モデルが登場。1980年代中期になると、スタンダード・モデルがやはりオリジナルのバーストに近い仕様となった。1986年、ヴィンテージモデルに対する高い需要に応えるため、ギブソンは社内に設置された高級品専門工房「カスタムショップ」部門を設立。当初は初期のレスポールの正確な複製と単発モデルの製作を開始、また、1990年代に入ると、よりオリジナルのバーストに近いシリーズ「ヒストリック・コレクション」の生産が始まった。

2015年よりGIBSON USAの大半のモデルにオートチューニングシステムGibson G-FORCEを採用。2016年まで。

2017年の時点でギブソンは、機能や電子機器、仕上げが異なるバリエーションを提供している。たとえば、最新のスタンダードは、より幅広い音を提供するスプリットコイルピックアップを搭載しており、トラディショナルモデルは1950年代から1980年代のより基本的な機能を提供し、クラシックモデルはさらに他の機能を有する。スペシャルモデルとスタジオモデルには、より基本的なレベルに仕上げてあり、これらは異なる価格帯でギブソンUSAより販売されている。消費者の需要により、現代のデジタルエレクトロニクスを搭載したタイプから、1952年から1960年のクラシックなリイシューモデルまで、幅広い選択肢で定番で入手可能である。
バリエーション
レスポール・ゴールドトップ (Les Paul Goldtop)(1952?1958、1968-現在)1953?55 Goldtop stopbar bridge仕様

初めてレスポールが誕生した1952年から1958年までに生産されたモデル。当時は単にレスポール・モデルと呼ばれ、後にゴールドトップと区別の為に呼ばれる名称の通り、ボディトップのメイプル材にレスポール本人の指示で金色の塗装(ゴールド・フィニッシュ)が施されている。1952年初頭のレスポールにはシリアル番号は発行されておらず、一部では「LPモデルのプロトタイプ」と見なされていた。しかし、1952年の後半、レスポールにはシリアル番号が発行され、バインディングされた指板も付いた。これらの初期モデルの一部の設計仕様はさまざまだった。ゴールドトップレスポールの重量と色調の特徴は、主にマホガニーとメイプルの構造によるものだった。

ブリッジは1952 - 53年製モデルにはトラピーズ・ブリッジが採用されたが、1953 - 55年製モデルはスタッド・ブリッジ(ストップ・テイルピース)に代わられた。この機構は、事前にイントネーションされたブリッジとテールピースを、リアピックアップのすぐ後ろにある2つのスタッドと組み合わせたものであるが、ただし、オクターブチューニングと弦高の調整機能は制限されていた。1955年後期以降のモデルはストップ・テイルピースとチューン・O・マチック・ブリッジへと変更され、ギターの上部に直接取り付けられた独立したブリッジとテールピースで構成され、簡単にオクターブチューニングや弦高が調整可能なブリッジとサステインキャリーテールピースを組み合わせた。それ以来、この機構はほとんどのレスポールを始め、他社の模倣を含めたギブソン系ギターで使用されている。ヘッドのチューナーはKluson製。

ピックアップは1956年製モデルまではP-90。初期の一部には、クリーム色のプラスチックカバーではなく、黒のピックアップが取り付けられた。1957年製モデルはP.A.Fハムバッキング)に変更された。

1958年後期のモデルからは、ボディトップの塗装にサンバースト・フィニッシュが施されたレスポール・スタンダードへと引き継がれた。

現在、これらのモデルはヒストリック・コレクション・シリーズとして、カスタムショップで定番扱いで再生産されている。
レスポール・カスタム (Les Paul Custom)(1954?1960、1968?現在)1974年製レスポール・カスタム詳細は「ギブソン・レスポール・カスタム」を参照

ギブソン・レスポールの高級仕様バリエーション機種。
レスポール・スタンダード (Les Paul Standard)(1958?1960、1976?現在)Gibson Custom 50th Anniversary 1959 Les Paul Standard (2009)

1958年には、以前のゴールドトップモデルと区別するために、新しいレスポールは「レスポール・スタンダード」と呼ばれた。PAFハムバッカーピックアップ、メイプルトップ、ストップテールピースまたはビグスビートレモロテールピースを備えたチューンオマティックブリッジなど、1957ゴールドトップのほとんどの仕様が新しいモデルに引き継がれた。


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