ギブソン・レスポール
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[注釈 6]他にもポール・コゾフやピーター・グリーン、ミック・ロンソンエース・フレーリー 、ミック・テイラー、ディッキー・ベッツなどの名立たるギタリスト達がレスポールを愛用した。
次世代ギタリスト登場による人気再燃レスポール人気復活の立役者となったスラッシュ

1970年代後半のフュージョン・ブーム、さらに1980年代LAメタルシーンなどではトレモロ・ユニットを搭載したストラトキャスター・タイプのギターが席巻し、レスポールはほとんどみられなかったが[注釈 7]、1980年代後半に入って、ガンズ・アンド・ローゼズスラッシュオジー・オズボーン・バンドのザック・ワイルドなどがレスポールをメインギターで使用しだし、その太く艶やかな音色とワイルドなプレイによって、レスポール人気は再熱する。

1986年1月、ギブソンは再び所有権を変更し、さまざまなレスポールモデルの製造を開始した。
ギブソン・カスタムショップの設置

1970年代にはオリジナルのバーストとはかなり異なる仕様で生産されていた、レスポールであるが、1980年にはオリジナルに相当程度近づけた「80」や「エリート80」などの高級モデルが登場。1980年代中期になると、スタンダード・モデルがやはりオリジナルのバーストに近い仕様となった。1986年、ヴィンテージモデルに対する高い需要に応えるため、ギブソンは社内に設置された高級品専門工房「カスタムショップ」部門を設立。当初は初期のレスポールの正確な複製と単発モデルの製作を開始、また、1990年代に入ると、よりオリジナルのバーストに近いシリーズ「ヒストリック・コレクション」の生産が始まった。

2015年よりGIBSON USAの大半のモデルにオートチューニングシステムGibson G-FORCEを採用。2016年まで。

2017年の時点でギブソンは、機能や電子機器、仕上げが異なるバリエーションを提供している。たとえば、最新のスタンダードは、より幅広い音を提供するスプリットコイルピックアップを搭載しており、トラディショナルモデルは1950年代から1980年代のより基本的な機能を提供し、クラシックモデルはさらに他の機能を有する。スペシャルモデルとスタジオモデルには、より基本的なレベルに仕上げてあり、これらは異なる価格帯でギブソンUSAより販売されている。消費者の需要により、現代のデジタルエレクトロニクスを搭載したタイプから、1952年から1960年のクラシックなリイシューモデルまで、幅広い選択肢で定番で入手可能である。
バリエーション
レスポール・ゴールドトップ (Les Paul Goldtop)(1952?1958、1968-現在)1953?55 Goldtop stopbar bridge仕様

初めてレスポールが誕生した1952年から1958年までに生産されたモデル。当時は単にレスポール・モデルと呼ばれ、後にゴールドトップと区別の為に呼ばれる名称の通り、ボディトップのメイプル材にレスポール本人の指示で金色の塗装(ゴールド・フィニッシュ)が施されている。1952年初頭のレスポールにはシリアル番号は発行されておらず、一部では「LPモデルのプロトタイプ」と見なされていた。しかし、1952年の後半、レスポールにはシリアル番号が発行され、バインディングされた指板も付いた。これらの初期モデルの一部の設計仕様はさまざまだった。ゴールドトップレスポールの重量と色調の特徴は、主にマホガニーとメイプルの構造によるものだった。

ブリッジは1952 - 53年製モデルにはトラピーズ・ブリッジが採用されたが、1953 - 55年製モデルはスタッド・ブリッジ(ストップ・テイルピース)に代わられた。この機構は、事前にイントネーションされたブリッジとテールピースを、リアピックアップのすぐ後ろにある2つのスタッドと組み合わせたものであるが、ただし、オクターブチューニングと弦高の調整機能は制限されていた。1955年後期以降のモデルはストップ・テイルピースとチューン・O・マチック・ブリッジへと変更され、ギターの上部に直接取り付けられた独立したブリッジとテールピースで構成され、簡単にオクターブチューニングや弦高が調整可能なブリッジとサステインキャリーテールピースを組み合わせた。それ以来、この機構はほとんどのレスポールを始め、他社の模倣を含めたギブソン系ギターで使用されている。ヘッドのチューナーはKluson製。

ピックアップは1956年製モデルまではP-90。初期の一部には、クリーム色のプラスチックカバーではなく、黒のピックアップが取り付けられた。1957年製モデルはP.A.Fハムバッキング)に変更された。

1958年後期のモデルからは、ボディトップの塗装にサンバースト・フィニッシュが施されたレスポール・スタンダードへと引き継がれた。

現在、これらのモデルはヒストリック・コレクション・シリーズとして、カスタムショップで定番扱いで再生産されている。
レスポール・カスタム (Les Paul Custom)(1954?1960、1968?現在)1974年製レスポール・カスタム詳細は「ギブソン・レスポール・カスタム」を参照

ギブソン・レスポールの高級仕様バリエーション機種。
レスポール・スタンダード (Les Paul Standard)(1958?1960、1976?現在)Gibson Custom 50th Anniversary 1959 Les Paul Standard (2009)

1958年には、以前のゴールドトップモデルと区別するために、新しいレスポールは「レスポール・スタンダード」と呼ばれた。PAFハムバッカーピックアップ、メイプルトップ、ストップテールピースまたはビグスビートレモロテールピースを備えたチューンオマティックブリッジなど、1957ゴールドトップのほとんどの仕様が新しいモデルに引き継がれた。金色の塗装は、ギブソンのフラットトップとアーチトップのアコースティックギターとフルアコ、セミアコで長く使用されているサンバースト仕上げのチェリーレッドバージョンに置き換えられ、メイプルトップが透けて見えるようになったため、無地の「プレーントップ」のメイプルか、ブックマッチした2枚の(カーリーまたはキルティング)メイプルで作られた。1958?60年の仕様は、年ごとに、ギターごとに異なり、典型的な1958年製モデルは、ネックが厚く、フレットが薄く、フレットの高さが低かったが、1959年製モデルは、フレットに従来のものより幅広の「ジャンボ・フレット」が採用され、1960年製モデルは、ネックは断面が薄い「スリム・テーパード・ネック」、広いフレットが採用された典型的な1960ネックに発展した。コントロール・ノブも1960年中期からメタルプレート付きに仕様が変更された。

1958 - 59モデルで使用されたチェリー色の染料は、紫外線にさらされると急激に色あせたので、1960年の初めに、透過性が少なく、オレンジ味がやや多い色あせしにくい配合に改良された。これは「トマトスープバースト」と呼ばれることもある。スタンダードモデルの最初の生産は1958年から1961年の初めまで続き、これらの初期モデルのうち約1700本のみが製造され、この3年間に製造されたスタンダードモデルは愛好家にはBurst(バースト)と呼ばれ、その後1本数千万円の非常に高価で貴重なギターになった。

1961年にギブソンがレスポールモデルをモデルチェンジしてダブルカッタウェイのソリッドボディを採用(後のギブソンSG)したときに生産は終了したが、需要が多かったため、ギブソンは1976年にレスポール・スタンダードの生産を再開した。

2008年生産モデルより、以下の部分の仕様が大きく変更された。

ゴトーのクルーソン・コピーだったペグからグローバー製のロック式ペグに変更、チューニングの狂いが減少。

ボディ裏のパネルがクリアー化、内部構造が見えるようになった。

マホガニーのボディバックはソリッド構造(軽量化ホールあり)から、一部がくり抜かれたチェンバード構造(セミホロウ構造)となり、従来のモデルよりも軽量化(この加工は2006年後半から2008年までに生産されたスタンダードにも施されている)。

ネックは新開発のロングテノン・ネックを採用し、ボディのフロントピックアップ中央付近まで差し込まれたディープ・ジョイントにより、サステインが向上。

ネックシェイプはネックの裏側の頂点を6弦側に少しずらしたアシンメトリカル(左右非対称)ネックを採用した。6弦側を厚く、1弦側を薄くすることで握りやすさと弦の押さえやすさが向上。

ピックアップは出力の高い「バーストバッカー・プロ」を搭載。

ブリッジとテールピースはナッシュビルTOMのチューン・O・マチックから、トーンプロス社のロッキング・トーン・プロに変更、弦交換の際に外れて脱落するのを防止。

ストラップ・ピンはダンロップ製のロックピンに変更。

ジャックはノイトリック・ジャックを採用、シールドを差し込むとロックされて簡単に抜けるのを防止。

サウンド面に関しては、従来のスタンダードや同時期に生産されたトラディショナルより高域が強調されている。

2012年生産モデルより、以下の部分の仕様が変更された。

コイルタップ機能が従来のモデルより向上され、よりシングルコイルピックアップに近いトーンが出せるようになった。

ネックは2008年モデルと同じアシンメトリカルネックが採用されたが、2008年モデルよりも薄くなった。

指板が、丸みのあるローポジションからハイポジションにかけて徐々に平らになっていく「コンパウンド・ラディアス」を採用。

ボディは、トラディショナルや2008年モデルとは異なり、モダン ウェイト・リリーフと呼ばれる加工が施された。重さ・音域共にトラディショナルと2008年モデルの中間となっている。

ピックアップのバーストバッカー・プロが改良され、コイルタップ機能が使用可能となった。

アウトプット・ジャックがトラディショナルと同じメタルプレートになった。

上記のバーストを再現したモデルはゴールドトップ同様、ヒストリック・コレクション・シリーズとして、カスタムショップで定番として生産しており、また若干廉価な価格としてはスタンダードモデルは現代的にブラッシュアップされており、従来の仕様に基づくモデルは下記のトラディショナルモデルが役目を引き継いでいる。
レスポール・スタンダード 40周年記念モデル (Les Paul Standard Gibson Les Paul Standard 40th Anniversary Ebony) (1991年:300本限定発売)

(出典:[1]

限定販売であるため、海外では非常に人気・評価が高く、プレミア価格となっており、40万円近くで取引される事も多々ある。

1991年発売当時のLes Paul Customの定価が26万円に対し、販売当時同モデルは定価は30万円で発売されており、ハイグレードモデルとなっていた。


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