ギター
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この持ち方をするプレーヤーの例としてはビリー・コーガン[28]ロバート・フリップ[29][30]マーク・ノップラー[29]などが挙げられる。

左利き用のギターを使い、右手でネックを持ち弦を押さえ、左手で弦を弾く方法
右利きの先生から教えてもらう場合は、常に「鏡写し」の動作をすればよい。左利き用のギターの販売数は右利き用と比べて少なく、小さな店舗では販売されていないことも多いのが難点。この持ち方をするプレーヤーの例としてはトニー・アイオミ[31]ポール・マッカートニー[28]などが挙げられる。

他に以下のような変則的な手法を使うプレイヤーも存在するが、ギターの大幅な調整が必要だったり、練習が非常に困難だったりするなど難点が多い。

右利き用のギターを逆に持ち、弦も左利き用に逆順に張り替えて演奏する方法
アコースティック・ギターの場合は、弦を逆順に張ることは根本的に非常に難しい[32]。調整が比較的容易なエレクトリック・ギターでも、ブリッジやナットの大幅な組み直しや調整が必要になる。この持ち方をしたプレーヤーの例として、ジミ・ヘンドリックス[33]などが挙げられる。

右利き用のギターを逆に持ち、弦の並びが通常と上下逆の状態で演奏する方法
通常の持ち方に比べて練習は非常に困難である。例えばダウンストロークを弾くと通常の構え方のアップストロークのような音が鳴ることになり、市販の楽譜やタブ譜通りに演奏することが難しくなる。この持ち方をしたプレーヤーの例としてはアルバート・キング[34]などが挙げられる。

右利き用のギターを逆に持ち、「鏡の国のギター」の状態で演奏する方法
通常の持ち方と遜色がなく快適である。この持ち方をしたプレーヤーの例としては大阪芸術大学准教授の中野圭などが挙げられる。
弦の押さえ方の基本

クラシック音楽やフラメンコ音楽などでは、弦を押さえる手は、ネックの下側をくぐるようにして親指をネックの裏側に当て、人差し指から小指までの4本の指で弦を押さえるのが基本姿勢となる(クラシックスタイル)。

一方、ブルースやロックの世界では、親指を表(指板)側に出してネックを握り込むような押さえ方も使われ、さらに親指で第6弦(通常一番上部に位置し、最も低い音を担当する)を押さえるという技法もある。バレー / セーハと言うテクニック。コードはFm (エフ・マイナー)。人差し指で複数の弦を保持。

コードを演奏する際、基本的には左手の指1本につき弦1本を押さえるが、この場合、6本の弦の内、4本を押さえることしかできない。必然的に押さえられていない「開放弦」の音が混じることがあり、比較的澄んだ、伸びやかな響きとなる。この左手のポジションを、オープンコード、もしくはローポジションという。オープンコードは、開放弦が多いほど澄んだ伸びやかな音が鳴るが、音を細かくリズミカルに止めるのが困難で、楽曲のリズム感が損なわれがちになる。

一方、左手の人差し指を寝かせて使い、1 - 6弦や1 - 5弦など複数の弦を一度に押さえた上で、残りの3本の指も併用してコードの形を作るポジションもあり。この人差し指の技術をバレー、もしくはセーハと言い、これによって作られた左手のポジションをハイコードやバレーコードなどと言う。ハイコード(バレーコード)は、細かくリズミカルに音を止めることができ、楽曲のリズム感やビート感を出せるが、その代わりにオープンコードのような澄んだ伸びやかな音は出づらい。

フォークミュージックの伴奏専門のギターなどでは、どうしても弾けないハイコードがある初心者や中級者は、カポタスト(短縮形は「カポ」)というアクセサリーで、ある程度ハイコードを避けるという手法が用いられる(だが、ロックミュージックでは、特にエレキギターでは、基本的にカポタストは使わない)。おまけにオープンコードは開放弦の音が鳴り続けるのを細やかにリズミカルに制御するのは難しいという短所があり、ビートのきいたキレのある演奏が困難である。したがってリズム感やビート感の溢れる楽曲で楽譜でハイコードで演奏するよう指示されている部分はハイコードのまま弾くのが望ましく、一方、楽譜でオープンコードで演奏するよう指示されている部分はオープンコードのまま弾くのが望ましい。

なおカポタストは上述の場合だけでなく、コードのボイシングや開放弦の独特の澄んだ伸びやかな音色を活かしたまま移調するための道具として使われることもある。特に歌謡曲の伴奏にギターを使う場合は、ヴォーカルの音域に併せてカポを移動させるだけで楽曲の音高を上げ下げでき(まるでカラオケ装置の伴奏の音高調整のように使えて)簡単で、便利ではある。ただし、カポタストで移調する方法は、基本的に楽曲が始まる前にそれの位置を決めておかなければならず、曲の途中の移調や転調はかなり困難だという短所はある。一方、ハイコードを極めれば、カポという道具無しに、自分の指だけで、いかなる瞬間にも全ての移調・転調が自由自在にできるようになり、曲の途中でも即興演奏でも、自由自在に転調することができるようになる。歌謡曲の伴奏用のギターではない場合、たとえばクラシックギターの独奏曲の中の移調・転調やロックのエレキギターのソロパートの移調・転調は、カポは使わずハイコードを駆使して行われるほうが一般的である。

なお、アルペジオ奏法は言うに及ばず、ストローク奏法でも、特定の弦を弾かない、もしくは鳴らさないことが可能であるため、以上の記述はあくまで一般論である。音が鳴ると困る弦については、左手の任意の部分で軽く触れておくことによって、発音をほぼ抑えることができる。この技法をミュートという[注釈 5]。アルペジオやソロで本来弾かない弦であっても、誤って適切でない弦が演奏されることを防ぐため、予防としてミュートしておくこともある。バレーコードでも、1 - 5弦までのバレー(セーハ)では人差し指の先で6弦をミュートしておくことが多い。
奏法

(右手について)クラシックギターでは、複数の弦を別々に弾き、複数の指で弾く必要があるのでピックは普通は用いない[35]。なお親指から薬指までを使い弾く[35](小指は使わない)。クラシックギターはもともと独奏用の楽器であり[35]、クラシックギター用の楽曲は(右手の指も一本一本、独立に用いて)伴奏と旋律を同時に奏でる独奏曲が多い。

クラシックギター以外のアコースティックギターは伴奏用に用いられることが多く、右手の方は指やピックで全ての弦を一気に掻き鳴らすストローク奏法が多い。ストローク奏法は、フラメンコ・ギターではダウンストロークの場合は小指から人差し指に向けて4本の指で指先をきっちりと詰めて振り下ろす[36]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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