ギター
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例えば「オープンGチューニング」とは、全ての弦を開放弦で弾くとGのコードとなるチューニングである[25]。いずれもロックブルースフォーク系で使われることが多い。特に、スライドギターでは使用例が多い。
D-A-D-F♯-A-D
オープンDチューニング。
E-B-E-G♯-B-E
オープンEチューニング。
D-G-D-G-B-D
オープンGチューニング。ローリング・ストーンズキース・リチャーズは、このチューニングから6弦を外して5本弦でプレイし、多くの曲を生み出した。
ダウンチューニング系

全ての弦を通常のチューニングと同じ音程間隔で音を下げていくチューニングを「ダウンチューニング」と呼ぶ。通常よりも低音で構成されるため、音色に「重厚感」や「虚脱感」などを表現しやすい。
E♭-A♭-D♭-G♭-B♭-E♭
ハーフステップダウン・チューニング。
ロックでは頻繁に用いられる、全ての弦を半音下げたチューニング。シャープやフラットが5個以上の調の曲で使われる場合が多い。
D-G-C-F-A-D
ホールステップダウン・チューニング。ヘヴィメタルとそのサブジャンルで頻繁に用いられる、全ての弦を一音下げたチューニング。

これらの他にも、全弦一音半下げ、二音下げ、二音半下げ……と続く[注釈 2]
ドロップチューニング系
D-A-D-G-B-E
ドロップDチューニング。
フォークでよく使われる。1?5弦はスタンダードチューニングで、6弦(最低音弦)のみ、1音下げてDとなっている[24]。クラシックギターにおいてはニ長調やニ短調の曲などでよく用いられ、このチューニングを前提とした作・編曲は枚挙に暇がないほど多い。その意味では「第2のレギュラー・チューニング」と呼んでも良いと思われるほどである。このチューニングは最低音を下げることによる低音の厚みや低音側の3弦でのパワーコードの押弦が容易になるなどの理由でハードロック、ヘヴィメタルでも用いられる。またこのチューニングを行った上での全弦半音下げ、全音下げ、一音半下げなどのチューニング法もある。
D-A-D-G-B-D
ダブルドロップDチューニング。
D-G-D-G-B-E
ドロップD&Gチューニング。クラシックギターのレパートリーでの曲数は多いとは言えないものの、このチューニングを前提とした作・編曲として、タレガ「タンゴ」、バリオス「郷愁のショーロ」、およびアルベニス「セビリア」やグラナドス「ゴヤの美女」のギター編曲版などがある。意外とポピュラーなチューニングである。
その他のチューニング
D-A-D-G-A-D
レギュラーチューニングの6弦、2弦、1弦を一音ずつ下げたもの。その弦の音程から「ダドガド(ダドガッド)・チューニング
」と呼ばれる。長調とも短調とも区別できない特殊なチューニングながら、幅広く応用が利くため、一部では多用され愛好されている。特にアイリッシュ音楽などの民族系の楽曲に用いられることが多い。レッド・ツェッペリンの「カシミール」は、このチューニングの代表的な楽曲である。
E-A-D-G-B-E
ナッシュビル・チューニング。3弦から6弦がレギュラーチューニングより1オクターブ上にチューニングされている(12弦ギターの複弦のうち、高音側の弦のみを張った状態に相当する)。日本では石川鷹彦22才の別れかぐや姫)のバッキングに使用してその名が知られるようになった。近年はナッシュビル・チューニング用の弦セットも販売されている。

その他、各コードに合わせたチューニングやそれらを組み合わせたバリエーションもあり、独自のチューニングを用いて演奏するミュージシャンも少なくない。スラックキーギターでは、ミュージシャンごとにチューニングが違うと言われるほどである。またスティール・ギターでは、長和音ではないAm、EmやC6などのオープン・チューニングも多い。
その他のギターのチューニング

レキントギター(英語版)、は本来スペイン語のquintoから造語されたもの。つまり5度の意味で普通のギターより完全五度上のB-E-A-D-F#-Bに調弦される。ただし日本に伝わったころこのギターに張る弦がなく、太い弦では切れやすいため、完全四度上のA-D-G-C-E-Aに調弦された。主な演奏者はロス・インディオス・タバハラス、トリオ・ロス・パンチョスのアルフレード・ヒルである。

ギタレレは普通のギターの完全四度上のA-D-G-C-E-Aで調弦される。

テナーギターと呼ばれるものもあり、これは一般にC-G-D-Aで調弦される四弦のギターで、多様な変則チューニングに対応できることから1960年代のフォーク・シーンで愛用された。

一五一会・音来(ニライ)はG-D-G-Dが基本だが、和楽器の要素も持つためF-C-F-Cなど弦どうしの度数(一度・五度・オクターブ上の一度・その上の五度、が基本)さえ守られていれば多様なチューニングが可能。4度高いチューニングが基本となる奏生(かない)も同様。

19世紀末に考案され、コントラバスのチューニングと同一のキタローネ(同名の古楽器とは全くの別物)が、1920年代マンドリンオーケストラで活躍したものの、音量の少なさ、楽器の調達難、奏者の確保難などの理由により、やがてコントラバスで代用されてゆく。

アルチキタルラは、マンドローネと同じくA-D-G-Cに調弦され、これもマンドリンオーケストラ用に開発された楽器だが現在では奏者がほとんど見つからない。

鏡の国のギター[26]は大阪芸術大学准教授の中野圭によって発明されたギターで2015年11月にモスクワのDOM Culture Centerで世界初演された。完全五度を基本としたE-B-G-D-A-Eに調弦される。左利きギタリストの為に右利き用の通常のギターを活用してもらえるような発明で通常と左右逆向きに構えて演奏される。特許「弦楽器[27]
その他

制作における技術上・構造上の問題から、各音程について理想とするものから周波数がずれる場合があり、厳密な意味では最適なチューニングは難しい。通常は開放弦の音でチューニングされるが、弦を押さえることで弦に張力(テンション)がかかるためである。エレクトリック・ギターでは各弦の長さ、高さを容易に調整できるため、一般的に、アコースティックギターよりは若干細かいチューニングが可能である。フレットの項目も参照。なお、張力による音程の変化を逆手に取る演奏技術もある。詳しくは後述。
構え方や奏法
基本の構え方

まず演奏時の基本姿勢やギターの保持の方法は、音楽のジャンルやギターの種類などにより異なる。

クラシックギターでは椅子に座って左足を踏み台に乗せ、脚の位置を高くしてボディ側面のくぼみを左脚の太股に乗せ、ギターを体全体で抱えるような姿勢で演奏をする。クラシック以外では、座る場合でも、踏み台は使わず、右脚の太股に、脚を組みギター側面のくぼみ[注釈 3]を乗せて演奏をする場合と、脚を組まずにギターのくぼみを脚に載せる場合がある。(なおジャズギタリストは座って演奏することが多かった。また1970年代日本のフォークシンガーも座って演奏することが多かった。)ハイスツール(座面の高い椅子)を用意し、そこに尻を載せて演奏する方法もある。

立って演奏する場合、フォークギターなどではギターストラップをギターのネック部分とギターのボトム(尻)のとめ金にかけ肩にかける方法があり、エレキギターではギターストラップの片方をギターのボトム(尻)の止め金にかけるのは同じだがもう片方はボディの止め金にかける(ギターのネックにかけない)。ラテン音楽のギターなどではギターのサウンドホールにひっかけるフックを利用し首から吊る方法などがある。@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important}

クラシック音楽のギターの構え方。ギタリストは椅子にすわり、《足台》に片足をのせ[注釈 4]、高くなった脚の上にギター(のくびれ)を置き、ギターをやや縦に構え、ギターのネックが顔の横あたりにくる。

脚を組んでギターのくぼみを載せる構え

(エレキギターの試奏や、ブルースなど)椅子に座ってリラックスして演奏する方法。「脚のつけ根」あたりにギターを載せる。この他、ネックの位置を少し上げたい場合は、ブルースやロックでも足を組む方法がある[注釈 4]

ストリートでアコギ類を座って演奏する場合

ハイスツールを使う方法

ラテンアメリカの音楽で立って演奏する場合のギターの構え方。


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