ギター
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エレクトリック・ギターは「エレキギター」、さらにその略称として「エレキ」とも呼ばれる[16][17]

シタールギター

スティール・ギター

弦の本数による分類

一般的なギターは6本の弦を持つが、以下のような弦の数を増やしたギターもある。

10弦ギター
ナルシソ・イエペスとギター製作者ホセ・ラミレス3世により開発された。通常の6弦に加えて低音側に4本の弦が追加されており、共鳴により豊かな響きを生み出す。

12弦ギター
通常のギターの各弦をユニゾンまたはオクターブで調弦された2本の弦のペア(複弦)に置き換えて、よりきらびやかで豊かな響きを狙ったものである。
音域による分類

一般的なギターより音域を高く、あるいは低くチューニングするギターもある。

テナーギター

バリトン・ギター

ネックの本数による分類

ダブルネック・ギター

現代の一般的な構造と機能

フレットのついた指板と6本(あるいは12本。2本1組で6組)の弦をそなえ、(典型的なものでは曲線的な形状の)胴(=ボディー)をそなえる。アコースティック・ギターのボディーは空洞になっており、共鳴した音を出すサウンドホールが開けられている。エレクトリック・ギターのボディーは空洞になっているものと空洞のないものの両方がある。弦の端はボディー側は(ブリッジ)が、ネック側にはナットが支え、演奏者によって弦が弾かれると、ブリッジとナットの間で弦が振動する。アコースティック・ギターでは、その振動がブリッジやナット経由でボディーに伝わり、ボディー全体が振動し、弦とボディーの振動で生まれた音を空洞で共鳴させることで音を出す。エレクトリック・ギターでは、鉄製の弦の振動による磁界の変動をピックアップによって電気信号として取り出す。

ヘッドには、各弦の張力を調整をし各弦から出る音のピッチ(=音の高さ)を調整(チューニング)するための糸巻き(ペグ)がある。6本の弦は太さが異なり、演奏時にギターを持った時の上側が一番太く(ピッチが低く)、下に向かって順に細く(ピッチが高く)なるように配置する。
アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターのパーツ名

アコースティック・ギターエレクトリック・ギター

ヘッド

ナット(上駒)

ペグ(糸巻き)

フレット

トラスロッド

ポジションマーク

ネック

ヒール

ボディー

ピックアップ

コントロールノブ

ブリッジ

ピックガード


弦「弦 (楽器)」も参照

ギターの弦の本数は6本のものが主流であるが、他に4弦-5弦、7弦?10弦のギター、12弦ギター、18弦ギターなどもある。また、ベースギターは4弦のものが主流であるが、5弦6弦のものも広く使われ、1弦-3弦、7弦-10弦、12弦ベースなどもある。

弦の素材は金属ナイロンなどが使われている。

弦の太さは「ゲージ」番号で表現し、通常、単位(ミリインチ)は省略される。1本ずつ、あるいは6本セットなどで販売されており、セットの場合、一番細い弦と一番太い弦の数字のみをつなげて数字4桁で呼ぶ(例:1弦 09 - 6弦 42 →「0942」)。

弦の種類、材質や太さはギターの音色に大きく影響し、それぞれ独特の響きを持ち、ギターの音色や奏法のバリエーションを豊かで美しいものにしている。
ナイロン弦

クラシック(ガット)ギターでは高音側(1 - 3弦)にナイロン弦と呼ばれる柔らかい弦を用い、低音側(4 - 6弦)では細いナイロンの束を芯に金属線を巻き付けた弦を用いる[18][19]

かつては羊の腸(ガット)などから作られたガット弦が用いられていたことから、クラシックギターは「ガットギター」と称された。第2次大戦後、戦災に疲弊したヨーロッパにおいてガット弦の製造が減少し、入手が困難となった。それを補うためにナイロン弦が開発され、アンドレス・セゴビアが使用したため、広く使用されるようになった。

現在ではナイロン、フロロカーボンなどの化学合成繊維が主流であるが、近年ではガット弦の魅力も再評価され始めている。
スティール弦

スティール弦アコースティックギターはその名の通りスティール弦と呼ばれる金属製の弦を使用する。また、エレクトリック・ギターもほとんどがスティール弦を使用し、鉄製の弦の振動による磁界の変化を信号として取り出している。

スティール弦の芯線には、弾性を備えた鋼鉄線(ピアノ線)が使用される[20][21]。高音側の細い弦は芯線のみの1本の針金状であるが、低音側の弦は芯線に金属線を巻き付けたもの(巻き弦)を使用する[22]。巻き付ける金属線(巻き線)にはニッケルステンレスブロンズフォスファーブロンズなどが用いられる。

一般的には、スティール弦アコースティックギター用の弦セットでは3弦から6弦が巻き弦に、エレクトリック・ギター用の弦セットでは4弦から6弦が巻き弦になる。

弦は太いほど音も太く迫力があるものになるが、押弦に必要な力も大きくなり、チョーキングの難度も上がる。一般的にスティール弦アコースティックギターではライトゲージやミディアムゲージを使うプレイヤーが多い。エレクトリック・ギターではライトゲージ・スーパーライトゲージ・エキストラライトゲージが一般に多く使われる。しかし、音の迫力を求めてより太い弦を使用するプレイヤーも多い。
コーティング弦

スティール弦の弦表面にエナメルやテフロンなどの薄い膜をコーティングした弦で、錆や腐食に強く、通常の弦よりも丈夫で長持ちする。手に汗をかきやすい演奏者や、頻繁に弦交換をしたくない演奏者に好まれる。価格は通常の弦よりも高額である[23]
チューニング(調律)

ギターの調律はピアノなどとは異なり多くは演奏者自身で行われる。曲目に合わせて演奏中に行われることもある。弦を保持するフレームが木材であるため調律は狂いやすく、演奏前に調律されることが多い。プロの演奏家の場合はピアノと同様に「テクニシャン」と呼ばれる専門家が行う場合もある。
一般的なチューニング

各弦のチューニングも様々なものが使われている。通常は低音側(6弦)の弦から「E-A-D-G-B-E」(82.41Hz-110Hz-146.83Hz-195.99Hz-246.94Hz-329.63Hz)[注釈 1]とする「スタンダード・チューニング」が一般的である。このチューニング方法は「レギュラー・チューニング」とも呼ばれる[24]

これは多くの曲に対応できて、数多くのコード音階などを弾く場合のチューニングとして定着している。
特殊なチューニング

以下に挙げるような特殊なチューニングは、「変則チューニング」と呼ばれることが多い。
オープンチューニング系

全ての弦を開放弦で弾いたとき、あるコードの音が出るチューニングを「オープン・チューニング」と呼ぶ。例えば「オープンGチューニング」とは、全ての弦を開放弦で弾くとGのコードとなるチューニングである[25]。いずれもロックブルースフォーク系で使われることが多い。特に、スライドギターでは使用例が多い。
D-A-D-F♯-A-D
オープンDチューニング。
E-B-E-G♯-B-E
オープンEチューニング。
D-G-D-G-B-D
オープンGチューニング。ローリング・ストーンズキース・リチャーズは、このチューニングから6弦を外して5本弦でプレイし、多くの曲を生み出した。
ダウンチューニング系

全ての弦を通常のチューニングと同じ音程間隔で音を下げていくチューニングを「ダウンチューニング」と呼ぶ。通常よりも低音で構成されるため、音色に「重厚感」や「虚脱感」などを表現しやすい。


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