また、国際単位系 (SI) 第8版(2006年)にて、ギガやその他のSI接頭語を決して2のべき乗を表すために用いてはならないと定めている[注 3]が、大手IT企業であるマイクロソフトなどが、未だ国際単位系 (SI) の定めに完全には従っておらず[注 2]、2のべき乗を表す用法も混在する状況は解決されていない[注 4]。なお、macOSでは、Mac OS X Leopard以前は2のべき乗(1024倍)が用いられていたが、2009年公開のMac OS X Snow Leopard以降は10の整数乗(1000倍)を用いたストレージ容量やファイルサイズ表示に変更された。[10] SI接頭語接頭語記号10n十進数表記漢数字表記short scaleメートル法への導入年国際単位系における制定年
コンピュータやスマートフォンの販売店やユーザに使われる一般的な「ギガ」
ギガビット毎秒 (Gbit/s) - コンピュータネットワークの帯域幅など。1 Gbit/s = 1000000000bit/s
ギガヘルツ (GHz) - CPUのクロック周波数など。1 GHz = 1000000000Hz
ギガバイト (GB) - クラウドストレージやシリコンディスク、ハードディスク、USBメモリ、SDカード、DVD、Blu-ray Disc、内蔵メモリなど記憶媒体の容量や、ファイルサイズを表すのに用いられる。国際単位系 (SI) の定めに従う場合[注 2][注 4]、 1 GB = 1000000000バイト
上の用法から転じて、スマートフォンなどを用いる際、月極でデータ通信量の上限が決まっている契約形態において、月のデータ通信量の上限に近くなった状況を「ギガが減る」[11][12]、上限に達して通信速度が低下した状況を「ギガがない」などという表現を使用する者がいる[11]。この用法は、「パケ死」という表現と入れ替わるようにして用いられるようになった[12]。なお、auやIIJなどの大手通信会社の通信管理用アプリなどでは、データ残量と表示される[13][14]。
SI接頭語
クエタ (quetta)Q10301000000000000000000000000000000百穣nonillion2022年
ロナ (ronna)R10271000000000000000000000000000千'"`UNIQ--templatestyles-0000001B-QINU`"'𥝱octillion2022年
ヨタ (yotta)Y10241000000000000000000000000一𥝱septillion1991年
ゼタ (zetta)Z10211000000000000000000000十垓sextillion1991年
エクサ (exa)E10181000000000000000000百京quintillion
ペタ (peta)P10151000000000000000千兆quadrillion1975年
テラ (tera)T10121000000000000一兆trillion1960年
ギガ (giga)G1091000000000十億billion1960年
メガ (mega)M1061000000百万million1874年1960年
キロ (kilo)k1031000千thousand1795年1960年
ヘクト (hecto)h102100百hundred1795年1960年
デカ (deca)da10110十ten1795年1960年
1001一one
デシ (deci)d10?10.1一分tenth1795年1960年
センチ (centi)c10?20.01一厘hundredth1795年1960年
ミリ (milli)m10?30.001一毛thousandth1795年1960年
マイクロ (micro)μ10?60.000001一微millionth1874年1960年
ナノ (nano)n10?90.000000001一塵billionth1960年
ピコ (pico)p10?120.000000000001一漠trillionth1960年
フェムト (femto)f10?150.000000000000001一須臾quadrillionth1964年
アト (atto)a10?180.000000000000000001一刹那quintillionth1964年
ゼプト (zepto)z10?210.000000000000000000001一清浄sextillionth1991年
ヨクト (yocto)y10?240.000000000000000000000001septillionth1991年
ロント (ronto)r10?270.000000000000000000000000001octillionth2022年
クエクト (quecto)q10?300.000000000000000000000000000001nonillionth2022年
脚注
注釈^ 情報工学の分野において、接頭語「ギガ」を、国際単位系 (SI) の定めに従わず、俗習として1,073,741,824 (230) 倍(= 1024 (210) メビ)を示す場合があるのは、コンピュータが内部ですべての数値を2進数に置き換えて処理していることと、1,024 (210) が概ね1,000 (103) であること、及び、代表的なOS(Microsoft Windowsや過去のmacOSなど)にて記憶媒体の容量やファイルサイズの換算に用いていることが主な理由である。
^ a b c d Microsoft Windowsや過去のmacOSでは、コンピュータの記憶容量やファイルサイズについて、俗習に従い、1,024バイトを1キロバイト、1,024キロバイトを1メガバイト、1,024メガバイトを1ギガバイトと表している。(これらは国際規格(IEC 80000-13)に従う場合、1,024バイトを1キビバイト、1,024キビバイトを1メビバイト、1,024メビバイトを1ギビバイトと表すことができる。)
^ 「これらのSI接頭語は10の整数乗を表す。それらを決して2のべき乗を表すために用いてはならない(例えば,1キロビットは1000ビットであり,1024ビットではない)。IEC 規格 60027-2:2005,第3版,電気用文字記号―第2部:電気通信及びエレクトロニクス(IEC 60027-2: 2005, third edition, Letter symbols to be used in electrical technology ?Part 2: Telecommunications and electronics)では210,220,230,240,250,及び260に対する接頭語がそれぞれ以下のように定義されている。名称 / 記号
キビ (kibi) / Ki
メビ (mebi) / Mi
ギビ (gibi) / Gi
テビ (tebi) / Ti
ペビ (pebi) / Pi
エクスビ (exbi) / Ei
例えば,1キビバイトは1KiB = 210B = 1024Bと書き表される。ここで,Bはバイトを表す。これらの接頭語はSIに属さないが,SI接頭語の誤用を避けるために,情報工学の分野では既に用いられている。」[9]
^ a b パソコンで記憶媒体の詳細な空き容量を調べてみると、カタログスペックとして記載されている容量より、表示される容量のほうが少なくなることが多い。これは記憶媒体の容量を、メーカーが国際単位系 (SI) に従い10の整数乗で計算することが多いのに対し、主なパソコンのオペレーティングシステム(Microsoft Windows・過去のmacOS)が俗習に従い2のべき乗で計算することに起因する。
出典^ “ ⇒giga-, comb. form”. Oxford English Dictionary. 2011年10月閲覧。
^ “SI prefixes and their etymologies”. US Metric Association. 2019年11月27日閲覧。